日本エイサーは7月10日、同社初のNetbook「Aspire one」を8月中旬に発売すると発表した。実売価格は5万4800円。カラーバリエーションは、Sappire Blue(AOA150-Bb)とSeashell White(AOA150-Bw)の2色が用意されている(今後はGolden BrownとCoral Pink、Galaxy Blackを加えた5色展開も検討しているという)。
すでにCOMPUTEX TAIPEI 2008のリポートでも取り上げたが、Aspire oneはAtomプロセッサとIntel 945GMSチップセットを採用した小型ノートPCだ。ちょうど新型Eee PCの発表時期と重なり、基本システムや8.9型ワイド液晶といったスペックが似通っていたこともあって、直接的なライバルとして注目している人は多いだろう。
発表会の冒頭に登壇した日本エイサー代表取締役のボブ・セン氏は、「Acerにとってこのカテゴリの製品は初めてになるが、実はプロジェクトは2年前から発足していた」と明かし、発表までに2年もかかったのは“高い完成度”を求めたからだと説明した。
モバイルでインターネットに接続できるデバイスは今後ますます需要が伸びると予想されており、同氏は「従来のPCやケータイ、スマートフォンにはまだ改善の余地がある。PCはより軽く、薄いほうがいいし、スマートフォンは使い勝手の部分で不満がある。Aspire oneはこれを満たしてくれる製品だ」と自信を見せた。また、まもなくの登場がウワサされている新型Eee PCに対しては、「ASUSと比べて質感やコストパフォーマンスで優位だと思う」と語った。
そのコメントどおり、ボディの質感はAspire oneの特徴の1つだ。外装には日本写真印刷のインモールドデザイン技術を採用しており、光沢感のあるつややかな天面と、グラデーションの美しい曲線のフォルムを実現している。これは東芝や日本HPのノートPCでもおなじみのデザインで、価格を感じさせない仕上がりだ。また、液晶のヒンジ部にメタル調の赤いリングをそえてアクセントにしているのも目を引く。同世代のAtom搭載ノートではMSIの「Wind Notebook U100」があるが、そちらに比べると高級感がある。
Aspire oneの基本的なスペックは、CPUにAtom N270(1.6GHz)、チップセットにIntel 945GSE+ICH7を採用し、1Gバイトのメモリと120GバイトのHDDを搭載。パネル表面に光沢処理を施した8.9型ワイド(1024×600ドット)液晶ディスプレイは、明るさが最大で180nitとなっている。このほか、液晶上部に30万画素CMOSカメラを内蔵し、IEEE802.11b/g対応の無線LAN機能を備える。
インタフェースは、3基のUSB 2.0を左右側面に振り分けたほか、左側面にSDメモリーカードスロット、有線LAN、アナログRGBを搭載し、右側面にもSD/MMC/MS PRO/xD対応のカードスロットを装備している。バッテリー駆動時間は3セルの2200mAhバッテリーで公称約3時間(オプションの6セルバッテリーなら約7時間)。本体サイズは249(幅)×170(奥行き)×29(高さ)ミリで、重量は約1.1キロとなっている。なお、OSはWindows XP Home Editon(SP3)で、当初予定されていたLinuxモデルの投入は「2008年中はない」としている。
初代Eee PCの世界的な成功を受けて、各メーカーから低価格な小型PCの投入が相次いでいるが、先行する「HP 2133 Mini-Note PC」や「Wind Notebook U100」が供給不足になるなど、日本でもこのカテゴリの製品は人気が高い。16型ワイドノートPC「Gemstone Blue」で日本市場の獲得に乗り出したAcerが今回のApire oneでその勢いに弾みをつけられるか、注目だ。
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