最終回 ニッポンの小型軽量ノートはどれが“買い”か?:モバイルノート08年春モデル徹底検証(1/4 ページ)

» 2008年03月24日 11時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

すべての検証を終えて……

最終回はこれまでの検証を総括

 本特集では、重量1.3キロを切るDVDスーパーマルチドライブ搭載の小型軽量モバイルノートPCに注目し、国内メーカーが展開する最新の6モデルを横並びで比較してきた。いずれも画面サイズが一回り大きな「MacBook Air」や「ThinkPad X300」と比較して小型軽量で、国内のモバイルノートPC市場では主流の製品群だ。これだけ小型軽量かつ多機能なモバイルノートPCが好まれる国は日本以外にないだろう。

 最終回となる今回は、これまでの検証結果で判明した、カタログを見ただけでは分からない各製品の長所と短所をまとめる。本来であれば、PC USERのベストチョイスとして1台を選出したいところだが、本特集で集めた6台のモバイルノートPCに傑出した製品は見あたらなかった。

 これは、どの製品も凡庸という意味ではなく、高いレベルで実力が拮抗(きっこう)しているという意味だ。数年前はただ軽いだけで実用性が乏しい製品も散見されたが、昨今では各メーカーが冷静に市場を判断し、バランスのよいモバイルノートPCを投入している。その結果として、製品の仕様は平均化されつつある印象を受けるが、モバイルノートPCとしての使いやすさが増しているのは間違いない。

 それでは、6台のモバイルノートPCを改めて振り返ってみよう。


フラットかつ強い天板、Wireless USBが光る――LaVie J LJ750/LH(NEC)

「LaVie J LJ750/LH」

 今回集めた6台のモバイルノートPCでは最後発の製品だけあって、Wireless USBコントローラの内蔵やWireless USBハブの標準添付、天板の自己修復塗装「スクラッチリペア」など、他機種に見られない特徴を備えている。特にWireless USB機能は、ワイヤレスのドッキングステーションとして、屋内で周辺機器を利用するのに重宝するだろう(PCをACアダプタに接続する必要がある点には注意)。IEEE802.11n(ドラフト2.0)a/g/bの無線LAN機能を搭載しているのも見逃せない。

 本体の大きさや重量では不利なLaVie J LJ750/LHだが、いたずらに“最小”や“最軽量”といった称号を追い求めず、使い勝手とのバランスを考えたゆとりのあるボディサイズにまとめているのはNECらしい。とはいえ、フラットかつ強度の高いブラックボディは、これまでのLaVieシリーズには見られなかったデザインで、バックへの収まりがよく、従来機にはなかった“美しさ”もある。Wireless USBの先進性と、黒い一枚板のようなボディに、所有欲をかきたてられる人におすすめしたい。

LaVie G タイプJ goenモデル

 なおLaVie Jは、店頭販売の3モデルに加え、NECの直販チャンネル「NEC Direct」でBTOに対応した「LaVie G タイプJ」を用意している。CPUやメモリ、OSはもちろん、スクラッチリペア塗装の有無など多彩な選択肢があるが、目を引くのが3月19日に受注が開始された「LaVie G タイプJ cookie fortune/goen」の2モデルだ。

 これは、「NEC Direct ORIGINAL PROJECT <ECO>」の第2弾として登場したもので(第1弾はこちら)、いずれも天板部分に海をイメージした独特なイラストを施しているのに加え、エコプロジェクトの一環として、売り上げの一部を通じて協賛する環境保護団体の支援や、ユーカリの木の植林(PC2台の販売につき1本のユーカリの木を植林)が行われる。ユニークな試みとして今後の動向が気になるところだ。

LaVie J LJ750/LHの検証結果
項目 評価 説明
本体サイズ △ フラットなボディでバック内での収まりはよいが、横幅が長めでフットプリントは6台の中で最も大きい
重量 ○ 約1.279キロと6モデルの中で最も重い
ボディの頑丈さ ◎ フラットな天板で全面加圧試験300kgfをクリア、天板に自己修復塗装を採用
光学ドライブ ◎ 9ミリ厚のDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ
拡張端子 ○ USBポートは2基、標準的な構成
通信機能 ◎ 1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11n(ドラフト2.0)a/g/bの無線LAN、Bluetooth 2.0+EDRを装備
付加機能 ◎ Wireless USBコントローラ内蔵、ハブ付属
セキュリティ&認証機能 ◎ 指紋センサ、FeliCaポート、セキュリティチップ(TPM)搭載
液晶ディスプレイ ○ 1280×800ドット表示の12.1インチワイド液晶(光沢)を搭載。高解像度でサイズが大きい
キーボード ○ 主要キーが正方で扱いやすいが、カーソルキーが一段下がっていないのと、たわみが気になる
タッチパッド ○ 標準的なサイズで、操作性は問題なし
ワンタッチボタン − 特になし
パフォーマンス ○ Intel GM965 Expressチップセットと2.5インチHDDの採用で良好
メモリの拡張性 ◎ スロットは1基だが、オンボードで1Gバイトを実装。1Gバイトモジュールと合わせて標準容量は2Gバイト。3Gバイトまで拡張可能
発熱の少なさ ○ 表面の発熱は抑えられているが、底面の左側が熱くなる
静音性 ○ ファンの風切り音はするが、耳障りな音はしない
バッテリー駆動時間 △ 6台の中では短め
バッテリーオプション ○ 公称約4.3時間動作の軽量バッテリーを用意
ACアダプタの携帯性 △ 一般的なノートPCと比較して小ぶりだが、6台の中では最も大きい


薄型軽量とスタミナの両立が持ち味――VAIO type G VGN-G2KAN(ソニー)

「VAIO type G VGN-G2KAN」

 ビジネス市場のニーズに応じて1024×768ドット表示の12.1インチスクエア液晶ディスプレイを採用したうえで、薄型軽量かつ剛性の高いボディを実現したVAIO type Gは、2006年11月に投入された。当時から高いシェアを誇っていたLet'snote Wシリーズと比較して、薄型軽量なことに加え、豊富な通信機能を備えており、大いに話題を集めた製品だ。

 しかし、2007年6月に入り、より大画面で軽量なdynabook SS RX1が登場し、そのほかのライバル機がIntel 965 Express世代のチップセット(Santa Rosa)へ移行しつつある現状では、その輝きを少しずつ失いつつある。特に、12.1インチスクエア液晶ディスプレイの採用にともなうキーボードの小ささや、Intel 945GMS Expressチップセットと1.8インチHDDの搭載によるパフォーマンス面での劣勢は否めない。

バッテリー駆動時間はピカイチ。小型のACアダプタがうれしい

 もっとも、薄型軽量という魅力は依然として健在だ。堅牢性については、あまりに薄い液晶ディスプレイ部に不安を覚えるものの、耐久性試験の結果では、Let'snote LIGHT CF-W7に見劣りしていない。液晶パネル表面に耐摩耗性の高いハードコーティングを施したり、キーボード部への水こぼしに配慮してコップ1杯分(約200cc)の防滴性能を備えるなど、第一世代のVAIO type Gから着実に進化している。

 さらに、6台の中で最も長時間のバッテリー駆動が可能だった点は特筆したい。薄型軽量で剛性にも配慮したボディと、十分なスタミナがVAIO type G VGN-G2KANの見どころと言える。パフォーマンスは最優先ではなく、薄型軽量でバッテリーの持ちがいいモバイルノートPCを探しているならば、その期待に応えてくれるだろう。

VAIO type G VGN-G2KANの検証結果
項目 評価 説明
本体サイズ ◎ 最厚部の薄さはdynabook SS RX1/T7Eと同様トップ。フラットなボディは携帯しやすい
重量 ◎ 約1.143キロと2番目に軽い
ボディの頑丈さ ○ 加圧振動試験150kgfをクリア。防滴キーボードを採用。ハードコーティングを施した液晶ディスプレイ部はしなる
光学ドライブ ◎ 9ミリ厚のDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ
拡張端子 ○ USBポートは2基、メモリースティックPROスロット装備
通信機能 ◎ 1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11a/g/bの無線LAN、Bluetooth 2.0+EDR、FAXモデムを装備
付加機能 − 特になし
セキュリティ&認証機能 ◎ 指紋センサ、FeliCaポート、セキュリティチップ(TPM)搭載
液晶ディスプレイ △ 1024×768ドット表示の12.1インチスクエア液晶(非光沢)を搭載。6台の中では解像度が低い
キーボード △ 小さめのキーが密集しているため、6台の中ではミスタイプを誘いがち
タッチパッド ○ 標準的なサイズで、ボタンが押しやすい
ワンタッチボタン ○ 2個のボタンを搭載(1個はカスタマイズ可能)
パフォーマンス △ Intel 945GMS Expressチップセットと1.8インチHDDの採用で控えめ
メモリの拡張性 △ スロットは1基で、オンボードメモリは512Mバイト。512Mバイトモジュールと合わせて標準容量は1Gバイトだ。最大容量は最大1.5Gバイトと少ない
発熱の少なさ △ キーボードの左側が温かくなる
静音性 △ 高負荷時は風切り音に高周波音が混じる
バッテリー駆動時間 ◎ 6台の中では一番長い
バッテリーオプション ○ 公称約5.5時間動作の軽量バッテリーを用意
ACアダプタの携帯性 ◎ VAIO type T VGN-TZ72Bと同様、6台の中では最もコンパクト


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