重量1.3キロを切るDVDスーパーマルチドライブ内蔵のモバイルノートPCにフォーカスし、最新モデル6台を徹底検証する特集も6回目に突入し、各製品の実力が徐々に明らかになってきている。前回は、各モデルが搭載しているキーボード、ポインティングデバイス、ワンタッチボタンの違いを比較した。
今回は、ベンチマークテストプログラムによるパフォーマンスの評価に加えて、実際に使ってみると気になることが多いボディの発熱や騒音レベルも調べてみた。携帯性が優先される小型軽量のモバイルノートPCにおいて、十分なパフォーマンスとシステムの冷却性能、そして静音性は維持できているのか、じっくりとチェックしていく。
本特集で集めたモバイルノートPCの主なスペックは下表の通りだ。いずれもCPUに低電圧版もしくは超低電圧版のCore 2 Duo 1.2GHzを採用し、チップセットはIntel 945 ExpressかIntel 965 Expressファミリーでグラフィックス機能統合型となっている。
本特集で取り上げるモバイルノートPCの主なスペック | |||||||
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製品名 | メーカー | CPU | チップセット(グラフィックス) | メインメモリ | HDD | 液晶ディスプレイ | Vistaエディション |
LaVie J LJ750/LH | NEC | 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) | Intel GM965(GMA X3100) | 標準2GB/最大3GB(PC2-4200) | 160GB(2.5インチSATA/5400rpm) | 12.1インチワイド(1280×800ドット) | Home Premium |
VAIO type G VGN-G2KAN | ソニー | 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) | Intel 945GMS(GMA 950) | 標準1GB/最大1.5GB(PC2-4200) | 80GB(1.8インチUATA/4200rpm) | 12.1インチ(1024×768ドット) | Business |
VAIO type T VGN-TZ72B | ソニー | 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) | Intel 945GMS(GMA 950) | 標準2GB/最大2GB(PC2-4200) | 80GB(1.8インチUATA/4200rpm) | 11.1インチワイド(1366×768ドット) | Home Premium |
dynabook SS RX1/T7E | 東芝 | 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) | Intel 945GMS(GMA 950) | 標準2GB/最大2GB(PC2-5300、PC2-4200で動作) | 80GB(2.5インチSATA/5400rpm) | 12.1インチワイド(1280×800ドット) | Business |
Let'snote LIGHT CF-W7 | パナソニック | 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) | Intel GM965(GMA X3100) | 標準1GB/最大2GB(PC2-4200) | 80GB(2.5インチSATA/5400rpm) | 12.1インチ(1024×768ドット) | Business |
FMV-BIBLO LOOX R70Y | 富士通 | 低電圧版Core 2 Duo SL7100(1.2GHz) | Intel GS965(GMA X3100) | 標準1GB/最大4GB(PC2-5300) | 120GB(2.5インチSATA/5400rpm) | 12.1インチワイド(1280×800ドット) | Business |
基本性能は大きな差がないように思えるが、FMV-BIBLO LOOX R70Yはシステムバス800MHz、2次キャッシュ4Mバイトの低電圧版Core 2 Duo SL7100(1.2GHz)を搭載している点で優位に立つ(ほかのモデルはシステムバス533MHz、2次キャッシュ2Mバイト)。また、VAIO type G VGN-G2KANとVAIO type T VGN-TZ72Bは1.8インチHDDを使用しているため、パフォーマンスが若干不利になることが予想される(ほかのモデルは2.5インチHDD)。
なお、VAIO type G VGN-G2KAN、Let'snote LIGHT CF-W7、FMV-BIBLO LOOX R70Yの3台については、メインメモリの標準容量が1Gバイトと少なめなので、実際の利用シーンを想定し、VAIO type G VGN-G2KANは最大容量の1.5Gバイト、Let'snote LIGHT CF-W7とFMV-BIBLO LOOX R70Yはほかのモデルと同じ2Gバイトまでメインメモリを拡張した状態でも性能を評価した。また、LaVie J LJ750/LHとLet'snote LIGHT CF-W7は試作機での評価となるため、実際の製品と異なる可能性があることをあらかじめお断りしておく。
それでは、最初にWindows Vista標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアから見ていこう。
いずれもCPUやメモリは比較的高いスコアを維持しているが、チップセット内蔵のグラフィックス機能が基本スコアを下げる結果となった。Intel 945GMS Expressチップセット搭載機であっても、Windows Aeroを動作させることは可能だが、Intel GM965/GS965 Expressチップセット搭載機では3Dグラフィックスの性能が大幅に向上するため、Windows Aeroの動作もより軽くなる。HDDのスコアは、やはり1.8インチHDDを採用したVAIOの2台がほかの製品に差を付けられた形だ。
6台の中では、FMV-BIBLO LOOX R70Yが最も高いスコアをたたき出した点に注目したい。性能面で他機種をリードするCPUの低電圧版Core 2 Duo SL7100(1.2GHz)と、割り当てるグラフィックスメモリの多さが生かされ、唯一すべてのスコアで3.0以上(メモリ2Gバイトの状態では3.5以上)を獲得している。
次のページでは定番のベンチマークテストを実施し、その結果をチェックする。
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