第6回 小型軽量ノート6台の性能、発熱、騒音に迫るモバイルノート08年春モデル徹底検証(3/3 ページ)

» 2008年03月13日 16時30分 公開
[前橋豪,ITmedia]
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ボディの発熱を部位別に計測する

 本体サイズに制約があるモバイルノートPCでは、CPU、グラフィックス機能統合チップセット、HDDなどから発生する熱を小型の冷却機構で効率的に逃がす必要がある。また、モバイルノートPCは公共の場で利用することも多いため、動作音が静かであることが望ましい。ここからは、今回集めた6モデルの温度と騒音レベルを横並びで比較する。

 発熱の検証については、利用時にユーザーが触れるボディの場所を放射温度計で計測した。計測したのは、起動から30分間アイドル状態で放置した状態、システムに高い負荷がかかる3DMark 06のデモを15分間実施し続けた状態、さらに同デモを1時間実施し続けた状態の計3回だ。いずれもACアダプタを接続し、電力プランは「標準設定」としている。ファンコントロールの設定はデフォルトとした。

 温度を計測した場所は、キーボードの左半分/右半分、パームレストの左半分/右半分、ボディ底面の左半分/右半分だ。それぞれの場所で最も高温になる部分を探して、温度を計測した。テスト時の室温は約25度だ。

 各モデルのボディ表面温度と発熱の傾向を、以下のグラフと表に示した。

ボディ表面温度の計測結果(アイドル時/起動から30分後)
ボディ表面温度の計測結果(3DMark 06デモ/15分実行後)
ボディ表面温度の計測結果(3DMark 06デモ/1時間実行後)


各モデルにおける発熱の傾向
製品名 メーカー 傾向
LaVie J LJ750/LH NEC 表面の発熱は抑えられているが、底面の左側が熱くなる
VAIO type G VGN-G2KAN ソニー キーボードの左側が温かくなる
VAIO type T VGN-TZ72B ソニー キーボードの左上が温かくなる
dynabook SS RX1/T7E 東芝 パームレスト左側がかなり熱くなる
Let'snote LIGHT CF-W7 パナソニック 表面の発熱は抑えられているが、底面の中央部が熱くなる
FMV-BIBLO LOOX R70Y 富士通 全体的に温度が低く優秀

 結果を見てみると、明らかにFMV-BIBLO LOOX R70Yが優秀だ。高い負荷をかけた状態でも35度を超える部分が見あたらず、使用時にボディの発熱でストレスを感じることはなかった。厚みがあるボディに、小型パッケージのCPUとチップセット従来機より大型化した冷却ファンが効果的に連携している印象だ。

 そのほかのモデルは底面を中心に発熱するが、LaVie J LJ750/LHとLet'snote LIGHT CF-W7は、キーボードやパームレストに伝わる熱が抑えられているので、本体をひざの上に載せて作業する場合を除けば、発熱を比較的意識せずに作業できるだろう。これらもボディの厚みが放熱に少なからず貢献している。

 一方、ボディを薄く仕上げているVAIO type G VGN-G2KAN、VAIO type T VGN-TZ72B、dynabook SS RX1/T7Eは、キーボードやパームレストが発熱する傾向にあり、システムに負荷がかかる作業を行う場合は、手に伝わる熱が気になった。特にdynabook SS RX1/T7Eは、アイドル時でもHDDが内蔵されたパームレストの左側が温かくなるので注意が必要だ。ボディの薄さと冷却性能は、ある程度トレードオフの関係にあると考えていいだろう。

6モデルの静音性を騒音計で確認する

 各モデルの騒音レベルは、本体を樹脂製の事務机に置いて一定の距離から計測した。騒音計のマイクは、使用時におけるユーザーの耳の位置を想定し、ノートPCのボディ中央から約30センチ離したうえで、設置面から約50センチの高さに設置している。環境騒音は29dB(A)で、静かな図書館並みといったところだ。

 騒音レベルを計測したのは、起動から30分間アイドル状態で放置した状態、システムに高い負荷がかかる3DMark 06のデモを15分間実施し続けた状態、さらに同デモを1時間実施し続けた状態、内蔵のDVDスーパーマルチドライブにDVD-RをセットしてHDDにファイルコピーをした状態の計4回だ。いずれもACアダプタを接続し、電力プランは「標準設定」としている。ファンコントロールの設定はデフォルトだ。

 各モデルの騒音レベルと騒音の傾向は、以下のグラフと表に示した通りだ。

騒音レベルの計測結果
各モデルにおける騒音の傾向
製品名 メーカー 傾向
LaVie J LJ750/LH NEC ファンの風切り音はするが、耳障りな音はしない。回転数の変動は少なめの印象
VAIO type G VGN-G2KAN ソニー 風切り音に高周波音が混じる。高負荷時はファンの回転数をこまめに変える。負荷が減ると31〜32dB(A)になるが、可変なので少し耳につく
VAIO type T VGN-TZ72B ソニー アイドル時にHDDからカリカリとした音がときどき鳴る。高負荷時は回転数をこまめに変える
dynabook SS RX1/T7E 東芝 アイドル時でもファンがよく回る。高負荷時は一瞬39dB(A)を超えたが、36dB(A)程度に落ち着いた
Let'snote LIGHT CF-W7 パナソニック 最高速で回転すると、ファンの風切り音にブーンという低音がわずかに混じる
FMV-BIBLO LOOX R70Y 富士通 アイドル中でもたまにファンが少し高速になるが比較的静か。高負荷時は回転数をこまめに変える


 本特集で集めた6モデルはいずれも冷却ファンを内蔵しており、システムの負荷や発熱に応じてファンの回転数を自動制御しているが、その傾向は異なる。今回テストを実施した限りでは、FMV-BIBLO LOOX R70Yが最も静音性に優れていた。FMV-BIBLO LOOX R70Yは発熱が少なく、動作音も静粛と、冷却性能で他機種をリードしている。これに続くのがVAIO type T VGN-TZ72Bだ。光学ドライブ動作時の騒音は仕方ないが、高負荷時でもファンの回転音が比較的静かだった。

 ほかの4台はどれも似たような印象だが、VAIO type G VGN-G2KANは高負荷時の風切り音に高周波音が混じる点、dynabook SS RX1/T7Eはアイドル時でもファンが回転しやすい点が少し気になった。


 次回は、各モデルに搭載されている省電力機能と、バッテリー駆動時間を横並びで比較していく予定だ。第7回はこちら

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