第2回 小型軽量ノート6台の携帯性を比較するモバイルノート08年春モデル徹底検証(1/3 ページ)

» 2008年02月25日 16時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]

 本特集では、DVDスーパーマルチドライブ内蔵で重量1.3キロを切る小型軽量モバイルノートPCに着目し、この春に注目したいモデルを多角的に検証していく。ピックアップしたのは、以下の6モデルだ

本特集で比較する6台のモバイルノートPC(実売価格は2008年2月25日現在)
製品名 メーカー 液晶ディスプレイ CPU HDD 重量 実売価格
LaVie J LJ750/LH NEC 12.1インチワイド(1280×800ドット) 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) 160GB(2.5インチSATA/5400rpm) 約1.279キロ 27万5000円前後
VAIO type G VGN-G2KAN ソニー 12.1インチ(1024×768ドット) 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) 80GB(1.8インチUATA/4200rpm) 約1.143キロ 24万5000円前後
VAIO type T VGN-TZ72B ソニー 11.1インチワイド(1366×768ドット) 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) 80GB(1.8インチUATA/4200rpm) 約1.22キロ 26万円前後
dynabook SS RX1/T7E 東芝 12.1インチワイド(1280×800ドット) 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) 80GB(2.5インチSATA/5400rpm) 約1.059キロ 22万5000円前後
Let'snote LIGHT CF-W7 パナソニック 12.1インチ(1024×768ドット) 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) 80GB(2.5インチSATA/5400rpm) 約1.249キロ 25万円前後
FMV-BIBLO LOOX R70Y 富士通 12.1インチワイド(1280×800ドット) 低電圧版Core 2 Duo SL7100(1.2GHz) 120GB(2.5インチSATA/5400rpm) 約1.27キロ 24万円前後

 前回は、これら6モデルについての概要を紹介した。今回は、本体サイズ、重量、堅牢性、バッテリー、ACアダプタといった携帯性に関する各ポイントを順番に比較していこう。


まずはボディサイズからチェック

 今回取り上げた6モデルの本体サイズと重量は以下に示した通りだ。モバイルノートPCの本体サイズは搭載する液晶ディスプレイの大きさがベースとなるので、表には液晶ディスプレイの画面サイズも含めている。

各モデルの本体サイズと重量
製品名 メーカー 液晶ディスプレイ 本体サイズ(幅×奥行き×高さ、突起部除く) 重量
LaVie J LJ750/LH NEC 12.1インチワイド(1280×800ドット) 292×214×29.8ミリ 約1.279キロ
VAIO type G VGN-G2KAN ソニー 12.1インチ(1024×768ドット) 277×215×23.5〜25.5ミリ 約1.143キロ
VAIO type T VGN-TZ72B ソニー 11.1インチワイド(1366×768ドット) 277×198.4×22.5〜29.8ミリ 約1.22キロ
dynabook SS RX1/T7E 東芝 12.1インチワイド(1280×800ドット) 283×215.8×19.5〜25.5ミリ 約1.059キロ
Let'snote LIGHT CF-W7 パナソニック 12.1インチ(1024×768ドット) 272×214.3×24.9〜45.3ミリ 約1.249キロ
FMV-BIBLO LOOX R70Y 富士通 12.1インチワイド(1280×800ドット) 274〜280×207×27.3〜37.4ミリ 約1.27キロ

 本体を持ち運ぶうえで気になる重量は、dynabook SS RX1/T7Eが約1.059キロと最軽量で、以下にVAIO type G VGN-G2KAN(約1.143キロ)、VAIO type T VGN-TZ72B(約1.22キロ)、Let'snote LIGHT CF-W7(約1.249キロ)、FMV-BIBLO LOOX R70Y(約1.27キロ)、LaVie J LJ750/LH(約1.279キロ)と続く。いずれも光学ドライブ搭載ノートとしては非常に軽いが、特にdynabook SS RX1/T7Eは液晶ディスプレイのサイズが12.1インチワイドと大きいにもかかわらず、最も軽いことに驚かされる。

 本体サイズについては、表だけでは大きさのイメージが伝わりにくいので、各モデルの縮尺をできるだけそろえて写真で比較してみた。まずは上から見た写真だが、A4とB5の用紙サイズに比べてどの程度のフットプリントがあるのかを確認してほしい。なお、写真は実物からかなり縮小されているので、サイズに大差がないように見えるが、実際はほんの数ミリの差で大きさの印象が変わってくる。

6モデルのサイズ比較その1。写真の縮尺はできるだけそろえた

 フットプリントの大きさを比べてみると、小さい順からVAIO type T VGN-TZ72B、FMV-BIBLO LOOX R70Y、Let'snote LIGHT CF-W7、VAIO type G VGN-G2KAN、dynabook SS RX1/T7E、LaVie J LJ750/LHとなった。設置面積はいずれもA4程度だが、液晶ディスプレイのサイズやアスペクト比によって、ボディの縦横比に違いが見られる。

 6モデルの中では、液晶のサイズが11.1インチワイドと最も小さいVAIO type T VGN-TZ72Bが、頭1つ抜け出した格好だ。12.1インチスクエア液晶を搭載したLet'snote LIGHT CF-W7とVAIO type G VGN-G2KANは、残る4モデルに比べて、横幅が短い一方で奥行きは長めになっている。12.1インチワイド液晶を搭載するFMV-BIBLO LOOX R70Y、dynabook SS RX1/T7E、LaVie J LJ750/LHは横幅が長くなる傾向にあるため、フットプリントの大きさでは不利だ。ただし、FMV-BIBLO LOOX R70Yは液晶ディスプレイを狭額縁に仕上げ、奥行きも切り詰めることで、VAIO type T VGN-TZ72Bの次に小さいフットプリントを実現している点は評価したい。

 ボディを持ち運ぶ際には、フットプリントだけでなく、厚さの違いも重要になる。本体が薄ければ、インナーケースやバッグへの収まりもいいし、外観も洗練されて見えることが多い。次に、6モデルを側面から見た場合の写真について、できるだけ縮尺をそろえて比較してみた。

6モデルのサイズ比較その2。写真の縮尺はできるだけそろえた

 本体の薄さは、dynabook SS RX1/T7EとVAIO type G VGN-G2KANが25.5ミリで同列1位、LaVie J LJ750/LHとVAIO type T VGN-TZ72Bが29.8ミリで同列3位、FMV-BIBLO LOOX R70Yが37.4ミリで5位、Let'snote LIGHT CF-W7が45.3ミリで6位となった。しかし、これはあくまで最厚部での比較だ。

 VAIO type T VGN-TZ72Bは後方のバッテリー部以外がかなり薄いため、実際は最もスリムに見えるかもしれない。dynabook SS RX1/T7Eは先端部が細く、PCカードスロットを内蔵した中央部から厚みが増すなど、搭載するパーツに対してギリギリまで厚さを抑えて小型化と軽量化を図っており、底面が少々いびつだ。VAIO type G VGN-G2KANとLaVie J LJ750/LHは全体的にフラットな形状でデザインに無理がない。FMV-BIBLO LOOX R70YとLet'snote LIGHT CF-W7は、ほかの4モデルに比べて厚みがあるが、あえて後方部を厚くすることで軽さと頑丈さを追求している。


 重量と本体サイズの両方を考慮すると、最軽量かつ最薄のdynabook SS RX1/T7Eが際立って見える。また、重量が2番目に軽く、最厚部がdynabook SS RX1/T7Eと同列1位のVAIO type G VGN-G2KANも健闘ぶりが目立つ。この2台は初めて手に持ってみると、まるで開発途上の模型のように軽いと感じられるほどだ。薄型軽量でバックからの出し入れもスムーズに行える。

 ボディが一番コンパクトで重量が3番目に軽いVAIO type T VGN-TZ72Bもこれらに見劣りせず、持ち運びがしやすいだろう。VAIO type T VGN-TZ72Bは小さい割にdynabook SS RX1/T7EやVAIO type G VGN-G2KANより重いので、外観から想像する重量に近く、手に持った際の違和感は少ない。個人的には、見た目と重さのバランスがいいと感じた。

 一方、Let'snote LIGHT CF-W7およびFMV-BIBLO LOOX R70Yは、重量こそdynabook SS RX1/T7Eと200グラム程度しか変わらないが、ボディの薄さでは見劣りし、バッグの中で相応のスペースが必要になる。LaVie J LJ750/LHはフラットなボディでバック内での収まりはよいが、横幅が長めで重量は6モデルの中で最も重い(といっても、たったの約1.279キロだが)。これら3台は大きめのボディだが、重量は1.3キロを切るため、見た目よりもかなり軽く感じるだろう。

 もっとも、モバイルPCの価値は単純にサイズと重量だけでは測れない。小型化と軽量化を重視しながらも、ボディの堅牢性、放熱性能、バッテリー駆動時間、インタフェース、使い勝手などをどれだけ高水準にまとめられるかが勝負になるのだ。次は、ボディの堅牢性とバッテリー駆動時間を見ていこう。

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