2007年の秋冬モデルでCPUやチップセットを一新して“Santa Rosa”世代に移行したパナソニックの「Let'snote LIGHT CF-W7」。同時にボディや内部構造の見直しで堅牢性を大幅にアップさせるとともに、キーボードの全面防滴を導入するなど、Let'snote LIGHTシリーズの特徴である“タフ”をさらに強化させた。重量はCF-W5に比べて約39グラム増加したが、それでも約1.25キロに抑え、標準バッテリーで約10時間の駆動が可能だ。これらの性能アップと引き換えに、かたくなに守ってきたファンレス仕様を断念するという決断がなされたのも記憶に新しい。
大規模なフルモデルチェンジの直後だけに、2008年春モデルではこちらの記事で述べたとおりCPUの強化を中心とした小幅なアップグレードにとどまる。ここでは2月15日に発売予定の春モデルを一足先に入手できたので、その基本性能やバッテリー駆動時間などについて見ていこう。
CF-W7CWHAJRのボディは、従来モデルと同じサイズの272(幅)×214.3(奥行き)×24.9〜45.3(高さ)ミリで、天板部分にボンネット構造を採り入れたもの。液晶ディスプレイの外周部にパイプ状の構造体を設定して強度をアップしたり、液晶ディスプレイ天面の手前両端に凸部を、PC本体側に凹部を設けた「抱え込み構造」によって耐衝撃性を増したり、システム基板やドライブ、液晶パネルなどを四隅で固定しないフローティング構造を採用して外部からの圧力や衝撃を緩和したりと、前回のモデルチェンジで導入された数々の“タフ設計”も継承している。
非光沢の12.1インチスクエア液晶ディスプレイの解像度は1024×768ドットで、明るさは20段階まで調節可能だ。暗部はつぶれがちだが、左右の視野角はまずまず広く、画面内容の確認は容易に行える。
防水シートと排水溝の導入でキーボードの全面防滴を実現し、キートップを外れにくくしたキーボードも従来モデルから変わりない。約19ミリのキーピッチや約2.5ミリのキーストローク(実測値)を備えたキーボードは、主要キーのサイズが18×15ミリと横長タイプだが、慣れてしまえばタッチタイプも快適にできるだろう。キー入力時にカチャカチャという耳障りな音がしないのも好印象だ。ただ、半角/全角キーがESCキーの右隣にあったり、「ほ」「む」「け」「め」「ろ」といったキーは横幅が16ミリとやや縮小していたりする点は覚えておきたい。ちなみに、左CtrlキーとFnキーはBIOSセットアップで入れ替えることが可能だ。
独特な形状が目を引く伝統のホイールパッドは、見た目こそ通常のスクエアタイプと異なるが、くるくるスクロールができるなど一度慣れてしまうと手放せなくなる。シナプティクスの多機能ドライバがインストールされており、コーナータップやエッジモーションなどの細かい設定も行える。
DVD±R DLの読み出し(書き込みは不可)に対応したDVDスーパーマルチドライブをパームレスト右側に内蔵して、強度の確保と軽量化を図ったシェルドライブも健在だ。バッテリーの容量は10.8ボルト 5800mAhで、CPUの高速化(1.06GHz駆動の超低電圧版Core 2 Duo U7500から1.2GHz駆動の同U7600に強化)したにもかかわらず約10時間のバッテリー駆動を実現するという。これまでと同様、大容量バッテリーは用意されず、オプションの軽量バッテリーに換装すれば駆動時間は約5時間となるが、重量を約120グラム減らすことが可能だ。
ACアダプタは38×87×27ミリ、重量が約227グラムと小型軽量なので、PC本体と持ち歩いても1.5キロ以下に収まり、携帯も苦にならない。
気になるファンの風切り音については、通常のオフィス環境では周囲の騒音に埋もれるレベルではあるが、回転数が動的に変更するので深夜の静かな環境などではどうしても耳障りに感じるだろう。同社もそれを気にしてか、デスクトップに「ファン制御ユーティリティ」のショートカットを用意している。同ユーティリティでは標準/高速/低速の3段階に設定でき、ファンの回転数は非公開だが、高負荷時に低速と高速を切り替えると明らかに差が分かるほど。通常はファンの回転数を自動調整する「標準」設定で問題ないだろう。
ファンの回転は停止できないが、アイドル時はまったく気にならない静かさを維持している。システムに高い負荷が続くと底面が熱を帯びるが、ひざの上に乗せての利用に差し支えない程度に収まっており、キーボードやパームレスト面も極端に熱くなる場所も見られなかった。とはいえ、電源プランで高パフォーマンスを選択した場合は、ファン制御ユーティリティで高速を選んでおくのが安心だ。
次のページではベンチマークテストからPCの性能を見ていこう。
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