それでは、ベンチマークテストを行って、CF-W7のパフォーマンスを見ていく。ただ、あくまで試作機なので実際の製品版とは異なる可能性がある点を留意してほしい。テスト機の主なスペックは、超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz)、1Gバイトのメモリ(シングルチャネル)、80GバイトのHDDという構成だ。
まず、Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアでは、Intel GM965 Expressチップセット内蔵のグラフィックス性能が振るわないものの、Windows Aeroの動作は問題なく行える。プロセッサやメモリは4以上、プライマリハードディスクのスコアは5とモバイルPCとしては満足のいく性能を獲得している。3DMark06やFinal Fantasy XI Official Benchmark 3のスコアも同傾向の値を記録した。
また、画面輝度を最大、高パフォーマンス、ファンの制御は高速、音量は真ん中の状態でDVD-Videoの連続再生を試したところ、179分でWinDVDが終了した(バッテリーの残量は15%)。省電力機能を活用すれば、さらに長時間の視聴が可能だ。
2007年秋冬モデルで導入された冷却ファンについては賛否両論あると思うが、Windows Vistaを使う限りPCのパフォーマンスはどうしても必要であり、ファンの搭載はシステムの安定動作を考えるとむしろ遅すぎた感もある(一方で、Windows XP Professionalにダウングレードして、ファンの設定を低速に固定したい誘惑もあるが)。本機に内蔵されている冷却ファンはLet'snote LIGHT CF-R7シリーズのような超小型タイプではないので、通常のオフィス環境ならば最高速回転時を除き風切り音もそれほど気にならないだろう。
CPU以外の目新しいトピックがないのは残念なところだが、ボディの堅牢性を筆頭に、標準バッテリーでの長時間駆動、細かな省電力設定などこれまで同社が築いてきた“タフ”の魅力は着実に強化されている。とはいえ、堅牢性をうたう他社のモバイルPCの追撃も激しく、その包囲網は着実に狭まっているように思う。評価機の構成で25万円前後という実売価格も、単純にスペックを比べると物足りなさを覚えてしまう。モバイルPCをリードするLet'snoteシリーズの次の一手に期待したい。
モバイルPC、どれを買う? 2008春
CPUを強化し、限定100台のレッドモデルも投入――パナソニック「Let'snote」
堅牢性はそのままにCPUを高速化した軽量2スピンドルPC――「Let'snote LIGHT CF-W7」
CPU性能を底上げした約10時間駆動の1スピンドルPC――「Let'snote LIGHT CF-T7」
CPUを強化し直販で新色を追加した2スピンドルPC――「Let'snote LIGHT CF-Y7」
100台限定の光沢レッドモデルが登場――「Let'snote LIGHT CF-R7」
黒くてプレミアムな“R”に魅せられる──松下電器産業「Let'snote プレミアムエディション」
ついにファンレス断念──“Santa Rosa”を全面採用したLet'snote新モデル発表
“T”の存在意義をどこに見出すか──松下電器産業「Let'snote LIGHT CF-T7」
世界にむけてLet's Begin!──国内中心から海外へ拡大するLet'snote
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