新Core 2 Duo、カラバリ、BD作成ソフトで攻める春の新作――ソニー「VAIO」2008年PC春モデル(1/2 ページ)

» 2008年01月08日 15時30分 公開
[ITmedia]

VAIO 2008年春モデルの主な特徴

ラインアップ

ハードウェア

  • VAIO type FVAIO type SVAIO type LにPenrynコアの新Core 2 Duoを採用
  • 外付けグラフィックスチップ搭載モデルのメモリを1枚差しに変更
  • 基本スペックの底上げが中心

ソフトウェア

  • 店頭販売向け全モデルのOSにWindows Vista Home Premiumを採用
  • Blu-ray Discオーサリングソフト「Click to Disc」「Click to Disc Editor」が登場
  • Skypeの会話を楽しむためのソフト「VAIO Topic Visualizer」が追加


45ナノの新型Core 2 Duoを直販モデルに積極採用

新型Core 2 Duo採用の「VGN-SZ75B/B」

 ソニーは2008年1月8日、VAIOの春モデルを発表した。登場したのは4タイプのノートPCと、1タイプのデスクトップPCだ。ノートPCは、スタンダードモデルのtype F、エントリークラスのtype N、デザインとカラーバリエーションが特徴のtype C、パワフルなモバイルノートのtype Sを用意。デスクトップPCでは、スリムな液晶一体型のtype Lがモデルチェンジした。これらの新製品は1月19日に発売される予定だ。

 この春は、各社ともWindows Vistaを快適に利用できるようにハードウェアスペックの強化に努めているが、VAIOで顕著なのは45ナノメートルプロセスの新型Core 2 Duo(開発コード名Penryn)を積極的に採用していることだ。現状で店頭販売向けモデルは、type Sの最上位機「VGN-SZ75B/B」にCore 2 Duo T9300(2.5GHz)を搭載しているのみだが、ソニー直販のVAIOオーナーメードモデルでは、type Ftype Stype LでL2キャッシュ容量が最大6Mバイトの新型Core 2 Duoを選択可能だ。

 デュアルコアCPUを採用するのは、ノートPCが16モデル中8モデル、デスクトップPCが9モデル中4モデルと約半数に上る。一方、富士通NECの春モデルでは、2Gバイトのメモリを標準装備する機種を積極的に増やしてきたが、VAIOのメモリ2Gバイト搭載モデルは店頭販売向けの全25モデル中で5モデルと少ない。

 ただし、メインメモリの構成には手が加えられ、外付けグラフィックスチップ搭載のモデルではメモリモジュールが2枚差しではなく、1枚差しで提供されるようになった。これにより、メモリスロットの空きが確保できるようになったため、該当するtype Ftype Stype Lの一部モデルでは、メモリ増設時に初期搭載のメモリモジュールを無駄にしてしまうことがなくなった。ちなみにチップセット内蔵グラフィックス機能を利用しているモデルに関しては、メモリモジュールの2枚差しがWindows Vistaの要件に入っているため、1枚差しにはなっていない。

 なお、地上デジタルTVチューナーを搭載したtype Lについては、後日のアップデートで「ダビング10」に対応する予定だ。

豊富なカラーバリエーションで幅広い層に訴求

豊富なカラーバリエーションを用意するtype L

 今回の新製品は基本性能を強化したマイナーチェンジモデルが目立つが、ソニーは既存のVAIOに個性的なカラーバリエーションモデルを追加することで新鮮味を出し、幅広い層にアピールしている。

 type Ctype Lの15インチワイドモデルは、金色に輝くプレシャスゴールドを採用。type Lの15インチワイドモデルには深い赤色のブレイジングレッドも追加された。type Cでは、昨年11月に発売したリザード柄(ブラウンリザード)の第2弾として、光沢感あるピンクリザードとシルバーリザードを用意している。

 さらにユニークなのが、直販モデルのtype S<プレミアムバージョン>に採用された5種類の「プレミアムデザイン」だ。プレミアムデザインではノートPCの天板に、1200dpiの印刷解像度でUVインクダイレクトプリントを行い、その上にトップコートを施すことで、印刷品位と耐食性を両立したという。

左からtype Cのプレシャスゴールド、シルバーリザード、type Sのプレミアムデザイン(モードメッシュ)

独自のBlu-ray Disc作成ソフトを投入

 VAIOは昔からPCのAV機能を重視してきた歴史があるが、この春モデルには「Click to Disc」および「Click to Disc Editor」という独自アプリケーションを搭載してきた。これらは「Click to DVD BD」の後継となるDVD/Blu-ray Discオーサリングソフトで、HDVカメラやAVCHDビデオカメラで撮影したHD映像をほぼワンクリックで取り込み、DVDやBlu-ray Discに書き込める機能を持つ。ソフトが刷新されたことで、HDVに加えてAVCHDもディスクの「おまかせ作成」機能が使えるようになった。

 最大の特徴は、民生用のBlu-ray Discオーサリングソフトとしては初めて、インタラクティブ仕様の「BD-J」に対応したJavaメニュー付きのビデオディスクを作成できることだ。同じシーンを撮影した複数のビデオカメラの映像をメイン画面とサブ画面に同時表示して切り替えながら再生したり、取り込んだ動画や静止画を年月日で自動的に整理して時系列で表示したり、作成したディスクの追記などが行える。メニュー付きのDVD-Video、BDMV、BD-Jを作り込みたい場合は、Click to Disc Editorを使うことでカット編集やプレイリスト作成、スライドショー設定などの作業が行える。

 作成したBD-Jディスクは、VAIOの付属ソフト「WinDVD BD for VAIO」とプレイステーション 3で再生可能だ。

別のビデオカメラで同時に撮影した複数の映像を取り込み、切り替えながら視聴できるシンクロ再生機能(写真=左)。取り込んだ動画や静止画を年月日で自動的に整理して時系列で表示できるカレンダービュー機能(写真=中央)。「Click to Disc Editor」を使えば、より細かな編集が可能だ(写真=右)

「VAIO Topic Visualizer」

 このほか、春モデルではVAIOのWebカメラ搭載機に「VAIO Topic Visualizer」というユニークなソフトが追加されている。このソフトは、Skypeでユーザーがマイクに向かって話した内容から、ブログで使用頻度の高い関連キーワードを抽出し、画面に表示するというもの。表示されたキーワードをクリックすると、So-netの検索画面が開く仕組みだ。会話の音声は、Windows Vistaの音声認識機能が判別する。なお、同ソフトで話し相手の会話を認識することはできない。

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