VAIO type Gゼロスピンドルモデルで“もっさりVista”に喝を入れたSSDでクラス最軽量を更新!(1/2 ページ)

» 2007年04月10日 15時30分 公開
[前橋豪,ITmedia]

待望のフラッシュメモリドライブが選択可能に

HDDの代わりに32Gバイトフラッシュメモリが選べるようになったVAIO type G VGN-G1ABNS

 12.1インチ液晶ディスプレイ搭載機で世界最軽量をうたうソニーのモバイルノートPC「VAIO type G」がさらなる軽量化を果たした。従来は、光学ドライブを内蔵しない1スピンドルモデルで約898グラムという重量だったが、新たに直販専用モデル「VGN-G1ABNS」のCTOメニューでHDDの代わりに32Gバイトフラッシュメモリ(NAND型)が選べるようになり、フラッシュメモリ搭載時は約859グラムまで軽量化できるのだ。もちろん、約859グラムという重量は同サイズの液晶ディスプレイを搭載したノートPCの中で世界最軽量(2007年4月10日現在)という。

 フラッシュメモリの採用によるメリットは、軽量化だけにとどまらない。HDDに比べてアクセス速度、耐衝撃性、消費電力の面で有利なことから、OSやアプリケーションにおける全体的な動作の高速化、落下時など衝撃に対する強度の向上、バッテリー駆動時間の延長が期待できる。一方、記録容量や価格の面では不利になるが、こうしたフラッシュメモリの利点は、モバイルノートPCの使い勝手を大幅に改善してくれるに違いない。とくに、プリインストールOSがWindows XPからWindows Vistaに移行してからというもの、マシンパワーが控えめなモバイルノートPCは動作が緩慢になりがちだったため、フラッシュメモリによる動作速度の向上は非常に魅力的だ。

VAIO type U<ゼロスピンドル>モデル

 HDDの代わりにフラッシュメモリを搭載したVAIOは今回が初めてではなく、2006年6月に発表された「VAIO type U<ゼロスピンドル>モデル」ですでに製品化されている。とはいえ、VAIO type Uがどちらかといえば趣味性の高いコンパクトPCだったのに対して、VAIO type Gはビジネス向けの主力モバイルノートPCという位置付けで、ソニーとしては初めて実用本位のVAIOにフラッシュメモリを採用したと言える。

 ちなみに、HDDのATAインタフェースに対応することでHDD代わりに利用できるフラッシュメモリはSSD(Solid State Drive)と呼ばれているが、フラッシュメモリを内蔵したハイブリッドHDDとともに、今後の普及が見込まれている。SSDはVAIO type Gのように基板の状態で実装されるほか、1.8/2.5/3.5インチHDDと同サイズのパッケージがあり、一部はOEM向けに出荷が開始されている状況だ。SSDはHDDに比べると高価で、パーツショップにまだ出回っていないが、近い将来、エンドユーザーがHDDと同じようにSSDを手軽に入手して換装できる日が来るかもしれない。

 今回はSSDとHDDのパフォーマンスの違いを検証するため、VAIO type Gの32GバイトSSD搭載モデルと、60GバイトHDD搭載モデルを入手し、さまざまなテストを行った。比較用にSSD以外はまったく同じスペックの機材を用意している。CPUはCore Solo U1400(1.2GHz)、メインメモリは1Gバイト(オンボード)、光学ドライブはなし、バッテリーは軽量バッテリー(10.8ボルト 2900mAh)、OSはWindows Vista Businessといった構成だ。なお、今回入手したSSD搭載モデルは試作機のため、実際の製品と一部仕様が異なる場合があることを、あらかじめお断りしておく。

SSDは、HDDのようなパッケージは採用しておらず、1.8インチHDD用の収納スペースに片面実装の基板で実装されている(写真=左)。HDDのインタフェースはUltra ATA/100だ。32GバイトSSD搭載モデル(写真=中央)と60GバイトHDD搭載モデル(写真=右)の内部構造。Vistaのデバイスマネージャを確認すると、SSDはMCBOE32GQAPQ、HDDはMK6008GAHと表示されていた。初期状態での空き容量は、SSDが13.7Gバイト、HDDが41Gバイトだった(いずれもOffice 2007非搭載)

ベンチマークテストはSSDが圧倒的に有利

 まずは、Windows Vista標準のパフォーマンス診断ツールであるWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアを見てみよう。このスコアは最低値が1.0で、5.9が現状での最高値に設定されている。プロセッサ、メモリ、グラフィックス、ゲーム向けグラフィックス、プライマリハードディスクの5項目において別々にサブスコアの値が算出され、これらのうち最も低い値が基本スコアとして採用される仕組みだ。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア。左がSSDモデル、右がHDDモデルだ

 当然ながらプライマリハードディスク以外のスコアは同一だ。基本スコアは2.0、サブスコアはプロセッサが2.7、メモリが4.3、グラフィックスが2.0、ゲーム向けグラフィックスが2.8となっており、薄型軽量のモバイルノートPCらしい控えめな結果となった。一方、プライマリハードディスクのスコアは、HDDモデルの3.4に対して、SSDモデルでは5.2まで一気にはね上がっている。VAIO type Gは通常1.8インチ/4200rpmのUltra ATA HDDを搭載しているが、5.2というサブスコアは3.5インチ/7200rpmの最新Serial ATA HDDにも見劣りしない値だ。小さな実装面積でこのスコアは注目に値する。

 次は総合ベンチマークソフトのPCMark05を試したが、今回は通常のテストに加えて、HDD関連のテスト(HDD Tests)も行った。HDD関連のテストは、XP Startup(Windowsの起動をトレース)、Application Loading(アプリケーション6種類の起動をトレース)、General Usage(WordやIEなど標準的なアプリケーションの使用をトレース)、Virus Scan(600Mバイトのウイルススキャン)、File Write(680Mバイトのファイル書き込み)となっている。このうち、XP Startup、Application Loading、Virus Scanはデータのリードが中心、General Usageはデータのリードが少し多め(リード60%、ライト40%)、File Writeはデータのライトのみといったテスト内容だ。

 また、電源プランは性能重視の「高パフォーマンス」とスタミナ重視の「スーパースタミナ」の2種類で計測している。高パフォーマンス設定時はACアダプター駆動、スーパースタミナ設定時はバッテリー駆動でテストした。

高パフォーマンス設定でのテスト結果。左が通常のテスト、右がHDD関連のテスト

スーパースタミナ設定でのテスト結果。左が通常のテスト、右がHDD関連のテスト

 テスト結果は、HDD関連の項目でSSDがHDDを大幅にリードした。VAIO type Gが採用するNAND型のフラッシュメモリは構造上、フラッシュメモリとしてはランダムアクセス速度が遅いタイプなのだが、それでもスピンドルの回転やヘッドのシーク時間という足かせがあるHDDよりは有利だ。唯一、File Writeのテストだけ、ほとんど差がつかなかったが、それ以外では4倍もの差をつけた項目も見られる。

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