“モバイルノートで大型化”は英断か――「LOOX R」の真価を問う:新型Core 2 DuoはAirだけじゃない!(3/4 ページ)

» 2008年02月15日 11時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]

小型パッケージの低電圧版Core 2 DuoとGS965チップセットを採用

 LOOX T70Xからの強化点で忘れてはならないのがCPUとチップセットだ。まず、CPUは超低電圧版Core 2 Duo U7600から低電圧版Core 2 Duo SL7100へ切り替わった。いずれもMerom世代のCPUで、動作クロックも1.2GHzと変わらないが、2次キャッシュは4Mバイトに倍増し、システムバスは533MHzから800MHzへと高速化している。

 チップセットはIntel 945GMS ExpressからIntel GS965 Expressに進化し、内蔵グラフィックスコアはIntel GMA 950からIntel GMA X3100へと世代交代を果たした。ベンチマークテストの結果は後述するが、これらの変更でVistaの動作はより軽くなっている。

 ちなみにCPUとチップセットはアップルの「MacBook Air」と同様、通常のCore 2 DuoとIntel 965 Expressファミリーに比べて小型のパッケージを採用しており、基板の実装密度を高めている。インテルが情報を公開していないため、Core 2 Duo SL7100とIntel GS965 ExpressのTDPなどは不明だが、ボディに厚みをつけて冷却ファンを大型化したこともあり、長時間の運用でもボディの不快な発熱や騒音は発生しなかった。温度や騒音の具体的な数値は後述する。

LOOX R70Yに搭載されたマザーボードの表面(写真=左)と裏面(写真=中央)。表面にCPUやチップセットなど主要なチップを配置し、裏面に2基の200ピンSO-DIMMスロットを用意している。LOOX T70Xのマザーボードを並べて撮影してみた(写真=右)。LOOX R70Yでは基板の実装密度が上がっているのが分かる。実際はマザーボードにいくつかのサブボードがつくため、単純にサイズの比較はできないが、LOOX T70Xのマザーボードは135(幅)×113(奥行き)ミリ、LOOX T70Xのマザーボードは170(幅)×138(奥行き)ミリだった

CPUのCore 2 Duo SL7100は、パッケージのサイズを通常版の約35×35ミリから約22×22ミリに縮小した(写真=左)。ノースブリッジのLE82GS965も横幅が2ミリほど短い約25×27ミリになっている(写真=中央)。サウスブリッジのPC82801HUBも通常版の約31×31ミリに比べて、約16×16ミリと小さい(写真=右)

底面のネジを2本外すことで、2基のSO-DIMMメモリスロットにアクセスできる。購入時にはスロットが1基が空いている

 そのほかの基本スペックは、メインメモリがPC2-5300で標準1Gバイト(1Gバイトモジュール1枚構成)、HDDが120Gバイト/5400rpmの2.5インチSerial ATAドライブ、光学ドライブは9ミリ厚のDVD±R DL対応DVDスーパーマルチを採用している。

 Vistaの動作を高速化するIntel Turbo Memoryは搭載していないものの、SO-DIMMのメモリスロットを2基用意し、最大4Gバイト(プリインストールのVista Businessで利用できるのは最大約3Gバイト)までメインメモリを拡張できるほか、1.8インチHDDに比べて容量と速度で有利な2.5インチHDDを採用するなど、性能面への配慮がうかがえる。

インタフェースは“全部入り”からビジネス仕様へ

 インタフェースは豊富で、TypeII×1のPCカードスロットとSDメモリーカードスロット(SDHC対応)のほか、3基のUSB 2.0×3、4ピンのIEEE1394、アナログRGB出力、ヘッドフォン/ライン出力兼用、マイク/ライン入力兼用の端子を装備。TPM準拠のセキュリティチップは非搭載だが、タッチパッドのスクロール操作に対応したスライド式の指紋センサは備えている。USBポートが3基と多めにあり、しかも左右に振り分けられているのは便利だ。

 通信機能は、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11a/g/bの無線LAN、Bluetooth 2.0+EDR、FAXモデムを用意しており、モバイルノートPCとして必要十分な構成だ。複数のネットワーク環境に名前を付けて保存し、利用シーンに応じて通信環境を手軽に切り替えて使用できるユーティリティ「Plugfree NETWORK」も搭載する。

前面には無線LANのスイッチとSDHC対応SDメモリーカードスロットを用意(写真=左)。液晶ディスプレイの固定については、ラッチレス構造だ。背面にはバッテリーと通風口が配置されている(写真=右)

左側面にACアダプタ、アナログRGB出力、1000BASE-Tの有線LAN、2基のUSB 2.0、4ピンのIEEE1394、マイク/ライン入力兼用、ヘッドフォン/ライン出力兼用の端子を配置(写真=左)。右側面には、DVDスーパーマルチドライブと、TypeII×1のPCカードスロット、1基のUSB 2.0、FAXモデムの端子が並ぶ(写真=右)。PCカードスロットにはダミーカードが装着されている

 富士通はLOOX Tの設計思想として、以前から「すべての機能を持ち出せること」を掲げてきた。LOOX R70Yでもその思想の影響が見られるが、搭載されたインタフェースを細かく見ていくと、ビジネス寄りの構成にシフトしているようだ。

 具体的には、LOOX T70Xに用意されていたSDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO/xDピクチャーカード兼用スロットがSDメモリーカード(SDHC対応)専用スロットに変更され、内蔵のWebカメラや直販モデルで選択できたワンセグチューナーが省かれている。前述した着脱式ベイ構造の廃止も含め、ビジネス市場を視野に入れたコストダウンが見られる部分だ。

 なお、LOOX R70Yはオフィススイートが付属しないモデルだが、Office Personal 2007 with PowerPoint 2007搭載モデル(FMVLR70YP)も用意されている。また、直販モデルではOSにVista Home Premiumを選べるほか、メモリ容量(4/2/1Gバイト)、HDD容量(200/160/120/80Gバイト)、DVDスーパーマルチドライブの有無、ドラフト11n準拠の無線LAN機能、FAXモデムの有無、バッテリーの容量、ポートリプリケータの有無、Office 2007 with PowerPoint 2007の有無といったオプションが用意されている。

 これは余談だが、LOOX R70Yには「広辞苑」「リーダーズ英語辞典」など全14種25冊分の辞書ソフトがプリインストールされ、電子辞書としても活用できる。会社や学校でのちょっとした調べ物をオフラインで行えるのは意外に便利だ。

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