以上、これまでの検証結果を基に6台のモバイルノートPCを振り返ってみた。誤解を恐れずに個人的な好みを言うと、遊びで使うならばホビーユースの機能が詰まったVAIO type T VGN-TZ72B、仕事で使うならばパフォーマンスが高いFMV-BIBLO LOOX R70Y、もしくは全体的なバランスが取れたLaVie J LJ750/LHに魅力を感じた。
もっとも、モバイルノートPCで重視するポイントは人それぞれであり、デザインや操作性の感想も個人差がある。製品を購入する前には、実際に店頭で気になるモデルをじっくりと比較してみてほしい。せめて、本特集が製品選びの一助となれば幸いだ。
最後に今後の展望も少しだけ触れておこう。3月19日にWindows Vista SP1が一般公開され、Vistaの安定度が底上げされたが、次はハードウェアの世代交代が行われようとしている。2008年の第2四半期にはMenlowこと「Intel Centrino Atomプロセッサテクノロジー」を採用したMID(Mobile Internet Device)やUMPC、小型の携帯端末が登場し、今夏にはMontevinaの開発コード名で知られてきた「Centrino2」対応のノートPCがリリースされる予定だ。
Centrino2では、プロセッサナンバーの頭にPがついたモデルが加わり、モバイルノートPC用にはP(同25ワット級)、L(同15ワット級)、U(同10ワット級)の頭文字が付いたCPUが投入されると言われている。これらのCPUにはFMV-BIBLO LOOX R70Yのようにパッケージを縮小したモデルも用意される見込みで、Atomも含めてメーカーが選択できるCPUの幅、つまりは設計できるモバイルノートPCやUMPCの幅は広がることになる。
例えば、今後はMacBook AirやThinkPad X300を上回るような13インチクラスのワイド液晶ディスプレイを搭載した薄型軽量モバイルノートPCが投入される可能性も十分にあるほか、本特集で取り上げた6台をさらに進化させたモデルや、より小型軽量で長時間駆動が可能なUMPCなども考えられる。近い将来、広域ワイヤレスWANサービスが普及すれば、MIDやモバイルノートPCの利便性はより高まっていくだろう。
Centrino AtomとCentrino2の登場により、モバイルノートPCやUMPC、MIDの勢力図がどのように変化していくのか、2008年春以降の市場動向に興味は尽きない。
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