薄く、軽く、そして頑丈なモバイルノート――写真で解説する「ThinkPad X300」IBMロゴは消えたが魂は消えず(1/2 ページ)

» 2008年02月26日 15時01分 公開
[前橋豪,ITmedia]

機能と携帯性を両立したThinkPadの「プレミアム・モバイル」モデル

 「ThinkPad X300」は、1440×900ドット表示の13.3インチワイド液晶ディスプレイを備えたThinkPadシリーズの新鋭。Tシリーズの高機能とXシリーズの携帯性を両立させるべく投入したレノボの意欲作だ。製品ラインアップは、メインメモリの容量(1Gバイト/2Gバイト)と保証期間(1年/3年)で差異化した3モデルが用意され、価格は34万6500円〜36万5400円となっている(税込み)。プリインストールOSはWindows Vista Businessだ。

 CPUにCore 2 Duo SL7100(1.2GHz)、チップセットにグラフィックス機能統合型のIntel GS965 Express、ストレージにSerial ATA接続の64GバイトSSDを採用しており、光学ドライブを搭載した構成ながら、重量は約1.42キロと軽い。また、ボディの堅牢性を確保しつつ、厚さを18.6〜23.4ミリに抑えており、従来の「少し厚くて重いが、頑丈で使いやすい」といったThinkPadのイメージを覆す「薄さと軽さ」にもこだわった製品となっている。今回は、ThinkPad X300の試作機を写真とともに紹介しよう。


黒一色で統一されたボディは健在(写真=左)。シンプルでフラットな天板は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)と非導電性材料GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)のハイブリッド仕様。CFRPの採用に加えて、液晶パネルをフローティング構造で固定することで、耐衝撃性を向上させた。また、無線LANアンテナが内蔵される上部の素材をGFRPで構成することで、アンテナ感度にも配慮している。横に長い13.3インチワイド液晶ディスプレイを搭載した関係で、キーボードとポインティングデバイスはゆとりのある作りだ(写真=右)。従来のXシリーズにはなかったスティック+タッチパッドのデュアルポインティングデバイス(ウルトラナビ)は、ThinkPad Tシリーズ譲り

液晶ディスプレイを開いて横から見てみると、その薄さを実感できる。LEDバックライトを採用した液晶ディスプレイ部の厚さは約9ミリだった(写真=左)。天板の左下には、ボディと同じ黒でさりげなく「lenovo」のロゴが入っている(写真=中央)。天板の右下とパームレストの右下には「ThinkPad」のロゴが入っているが、従来のThinkPad Xシリーズと異なり、「IBM」のロゴはついに省かれた(写真=右)。パームレストの両端にはスピーカーを内蔵している

13.3インチワイド液晶ディスプレイは、1440×900ドット表示に対応する(写真=左)。画面サイズの割に高解像度なのがうれしい。液晶ディスプレイ左右のフレーム幅は約15ミリあり、少し横幅が広い印象を受ける。ヒンジ部は光沢ブラックの塗装で、デザインにアクセントを加えている。ThinkPad伝統の7列キーボードと、トラックポイントにタッチパッドを加えたデュアルポインティングデバイス(ウルトラナビ)を採用(写真=右)。最下段の一部キーを除いて、変則的なキーピッチは見られず、ThinkPadが得意とする入力しやすいキーボードは継承されている。タッチパッドの右上には指紋センサが並ぶ。パームレストを支えるステー部分とキーボードベゼルを一体化させたマグネシウムのRoll Cage構造により、薄型ながら堅牢だ

天板とパームレストにはラバー調の塗装が施されており、手触りがよいが、指紋が付着する点には注意が必要だ(写真=左)。天板は手で押してもたわむことがなく、薄型になってもThinkPadらしい頑丈さは確保している。底面のデザインもシンプルにまとまっており、いびつな部分がない(写真=右)

前面は右側に液晶ディスプレイのロックが用意されている(写真=左)。背面は、左から、ACアダプタ接続用、アナログRGB出力、1000BASE-Tの有線LAN、無線LANスイッチ、USB 2.0の端子が並ぶ(写真=右)。通信機能は、Bluetooth 2.0+EDRも内蔵している

左側面には、2基のUSB 2.0、ヘッドフォン出力、マイク入力の端子が配置されている(写真=左)。右側面にはDVDスーパーマルチドライブを備えている(写真=右)

光学ドライブは7ミリ厚のスリムタイプを採用している(写真=左)。光学ドライブはネジ1本で外すことができ、オプションのバッテリーベイと交換可能だ。液晶ディスプレイの上部にはWebカメラを搭載している(写真=中央)。暗所で手元を照らすキーボードライトも備えている(写真=右)

ACアダプタは、サイズが43(幅)×150(奥行き)×29(高さ)ミリ、重量が約294グラムと最新のモバイルノートPCとしては少し大きめだ(写真=左)。パームレストの下に薄型のリチウムポリマーバッテリーパックを用意(写真=中央)。今回入手した試作機は、容量11.2ボルト 2440mAhのバッテリーパックを備えていた。3セルバッテリーで駆動時間は約3.2時間だ。本体の背面に出っ張るように大容量バッテリーを装着できないのは残念だが、オプションで光学ドライブと排他利用できるバッテリーベイが用意されており、最長で約8.2時間の駆動が可能。2本のネジで固定されたカバーの下に、2基のSO-DIMMメモリスロットを配置している(写真=右)。メモリスロットの上には、IEEE802.11n/a/g/b(11nはドラフト)の無線LANモジュールがMini PCI Expressで接続されている

試作機はバッテリーパックの下に、SIMスロットも用意していた(写真=左)。ただし、現時点で国内にワイヤレスWANモデルを搭載する予定はないという。バッテリーパック装着部の上にはキーボードにこぼしてしまった液体を抜く排水溝が2カ所に設けられている。従来機より排水効率を100%アップしたという。内蔵の64GバイトSSDは底面のネジを1本外すだけで着脱できる仕組みだ(写真=中央)。試作機に搭載されていたDVDスーパーマルチドライブとSSD(写真=右)。実際の製品では、SAMSUNG製SSDを採用しているようだ

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