Eee PCキラー「CloudBook CE1200J」の中身6万円を切る激安ミニノート

» 2008年04月03日 14時50分 公開
[前橋豪,ITmedia]

Eee PC対抗のミニノートPCがまた1つ

「CloudBook CE1200J」

 1月にASUSの「Eee PC」が日本に上陸して以来、何かと注目を集めている低価格ミニノートPCだが、3月22日にはCTOがEee PCに対抗する「CloudBook」を国内で発売し、Eee PCの購入を検討しているユーザーに魅力的な(悩ましい?)新しい選択肢を提示している。

 CloudBookは米Everex製のミニノートPC。アメリカでは2008年1月よりGoogleのサービスに最適化されたLinuxベースのOS「gOS」を搭載して販売されている。これに対し、日本で販売されるモデルの「CloudBook CE1200J」は、プリインストールOSにWindows XP Home Edition(SP2)を採用しており、同OSを用いたEee PCの日本販売モデル「Eee PC 4G-X」に真っ向から勝負を挑む格好だ。価格は5万9800円で、販売店は九十九電機、ビックカメラ、ソフマップ、およびECサイトとなっている。

 Eee PC 4G-Xと比較してCloudBook CE1200Jが勝るのは、30Gバイトと容量に余裕があるHDD、Bluetooth 2.0+EDR、SDメモリーカード/MMC/メモリースティックPRO対応のメモリカードスロット、DVI-I出力、液晶ディスプレイのタッチパネル機能を備えている点だ。また、Webカメラは着脱式で、交換用のオプションとしてスカイプフォンも提供されるという。

800×480ドット表示の7インチワイド液晶の右側に拡張モジュールを用意。標準で30万画素のWebカメラを装着している

 この中で使い勝手に大きな影響を与えるのが、30GバイトHDDの搭載だ。Eee PC 4G-Xはメインストレージが4GバイトのSSDなので、付属の4GバイトSDHCメモリーカードに極力データを置く必要があり、初心者にとってのハードルを高くする原因になっている。CloudBook CE1200Jであれば、Cドライブの空き容量を常に気にして使うようなことがなくなり、通常のモバイルノートPCにより近い感覚で扱えるだろう。

 一方、Eee PC 4G-Xが上回るのは、630MHz駆動のCeleron M、1基多い合計3基のUSB 2.0ポート、ボディの小ささと軽さ、SSDの採用による耐衝撃性や低消費電力、1万円程度安価な実売価格といったところだ。CPU性能や携帯性、価格といったアドバンテージはEee PC 4G-Xに分があるため、どちらを選べばよいかは何を優先するかによって変わってくるだろう。

HDDへのアクセスは容易だが、メモリの拡張は困難

 前置きが少々長くなったが、それではCloudBook CE1200Jの中身を見ていこう。

注意

製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは編集部が使用した製品のものであり、すべての個体にあてはまるものではありません。また、評価機ゆえ実際の製品とは異なる可能性があります。



まずは底面のネジを13本外す(写真=左)。はがすと保証対象外になるシールの下にネジが1本あることと、液晶ディスプレイのヒンジ部周辺にゴムのフタでカバーされたネジが2本あることには注意が必要だ。キーボードユニットはネジ止めされておらず、上部の3つのツメを細いマイナスドライバーなどで押し込んでキーボードユニットを少し持ち上げ、フラットケーブルを外すことで、簡単に取り外せる(写真=中央、右)。1本のネジで固定された黒いプラスチックカバーを外すと、HDDにアクセスすることが可能だ

キーボードユニットのベースと一体化したパームレスト部を外したところ(写真=左)。ボディの形状にぴったり収まるサイズのマザーボードを搭載しているが、1.8インチHDDを格納するスペース用に四角い穴が開いているのはユニークだ。マザーボードは、基板左上のネジ1本と、各種コネクタを外すことで取り出せる(写真=右)。マザーボードを取り外した底面には、CPUとチップセット用の冷却ファンが用意されており、HDD格納スペースの上にIEEE802.11g/bの無線LANモジュール、左下にBluetooth 2.0+EDRモジュールが搭載されていた。無線LANコントローラはRealtek製RTL8187Lだ

マザーボードのキーボード側に主要なコンポーネントは実装されていない(写真=左)。マザーボードの底面側には、CPU、チップセット、SO-DIMMスロット1基を用意している(写真=右)

CPUはVIAのC7-M ULV 1.2GHzを搭載(写真=左)。90ナノメートルプロセスで製造されたCPUで、TDP(熱設計消費電力)は5ワット、25×25ミリのNanoBGA2パッケージを採用している。チップセットは、UniChrome Proグラフィックスコアを統合したVIA VX700だ(写真=中央)。いわゆるノースブリッジとサウスブリッジの機能を35×35ミリの1チップに集約している。評価機に搭載されていた512MバイトのPC2-4200 SO-DIMMメモリモジュールはA-DATA Technology製、1.8インチ/5ミリ厚のHDDはシーゲイトテクノロジー製ST730212DEだった(写真=右)。ST730212DEは回転数3600rpmのパラレルATAドライブだ

 CloudBook CE1200Jの仕様で気になるのはメモリの増設に関してだ。メモリ容量は標準で512Mバイトだが、1Gバイトまでの拡張に対応している。ただし、メモリモジュールの交換には大がかりな分解が必要で、メーカーの保証対象外の行為となるため、積極的にはおすすめできない。

 CTOでは1Gバイトのメモリ増設サービスを8400円(配送料金および代引き手数料を含む)で提供しているので、こちらを利用するのがいいだろう。ちなみに、手持ちの2Gバイトモジュールを装着してみた限りでは、約1Gバイトしか認識しなかった。

 +D PC USERでは後日、CloudBook CE1200Jのより詳細なレビュー記事をお届けする予定だ。

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