工人舎のミニPCを分解して、見た!――KOHJINSHA SH6シリーズVistaもワンセグも入って10万円以下

» 2007年08月14日 14時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

プラットフォームを一新し、SSD搭載モデルもラインアップしたSH6シリーズ

Windows Vista Home Premiumを搭載したミドルレンジのホワイトモデル「SH6WP10A」

 昨年秋に10万円を切る手ごろな価格で登場し、人気を博した工人舎のミニPC「SA1F00A」。1キロを切る軽量ボディや、HDDに入手性が高くコストパフォーマンスに優れた2.5インチタイプを採用するなど“通”好みの仕様も好評を博した要因だろう。その後も、プラチナホワイトカラーモデルの追加や液晶ディスプレイにタッチパネルを備えたモデルの追加などバリエーションを増やしてきたが、6月26日に待望の新モデルSH6シリーズが登場。8月2日には32GバイトのSSDを搭載したモデルもラインアップに加わった。

 SH6シリーズでは、プラットフォームを「Intel Ultra Mobile Platform 2007」に改め、標準でワンセグチューナーを内蔵したのが見どころだ。また、OSも従来のWindows XPからWindows Vistaに変更されるなど、これまでのコンセプトを引き継ぎつつ、性能を大幅にアップしながら、エントリーモデルは10万円を下回る9万9800円と従来の価格帯を維持しているのも見逃せない。

 ここでは、発表時のニュース、試作機でのファーストインプレッションに続き、がらりと生まれ変わったSH6シリーズの中身に迫る。ちなみに、FMV-BIBLO LOOX Uとの比較特集記事はこちら(第1回 LOOX UとSH6の性能を見極める)、前モデルの分解記事はこちら(工人舎のミニノートPCを分解して、見た!)を参照してほしい。

注意

製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは編集部が使用した製品のものであり、すべての個体にあてはまるものではありません。また、評価機ゆえ実際の製品とは異なる可能性があります。



ファンを内蔵したものの性能は大幅にアップ

 前モデルはAMDの組み込み用CPUを使ったり、業務用の液晶ディスプレイを採用してコストダウンを図っていたが、本機ではインテルが提唱するIntel Ultra Mobile Platform 2007規格に準拠して汎用性を高めることで低価格化を実現している。

 液晶ディスプレイは7インチワイドのままだが、解像度は800×480ドットから1024×600ドットに拡張され、キートップがぐらつきがちだったキーボードもパンタグラフ式になり、使い勝手が大きく向上したのがSH6シリーズのウリだ。もちろん重量は約993グラムと1キロを下回り、HDDも2.5インチのままなので購入後にさらなる大容量化も視野に入れられる(分解作業が必要で、メーカー保証も受けられなくなるが)。なお、キー数は77、キーストロークは1.5ミリを維持しているが、キーピッチは16.8ミリから15.9ミリに若干縮小した。

まずは液晶ヒンジ部分のカバーとキーボードユニットを取り外したところ(写真=左)。キーボードのユニットは両面テープで固定されていた。7インチワイド液晶ディスプレイと本体のトップカバー部分(写真=中央)。パンタグラフ式のキーボードになり、キーのタッチ感は大きく改善された(写真=右)

SH6WP10Aのメインユニット部分(写真=左。HDDは2.5インチ/9.5ミリ厚のドライブで、ヒートシンクは非常に小柄だ)。Bluetoothのモジュールが斜めに固定されている(写真=中央)。ポインティングデバイスのコントローラはSynaptics製だ(写真=右)

評価機には容量100Gバイト/5400rpmの富士通製HDD(MHV2100AH)が搭載されていた(写真=左)。ヒートシンクは小ぶりで、CPUとノースブリッジの熱を右側面から放出する(写真=中央と右)

マザーボードの表(写真=左)と裏(写真=右)。CPUやノースブリッジは表面の右側にまとめられている。メモリスロット(SO-DIMM)やCFカードスロット、サウスブリッジは裏面にある

こちらは従来機SH1シリーズのマザーボードで、CPUはノースブリッジの機能を統合したGeode LX 800@0.9W(500MHz)を搭載する

左から600MHzで駆動するCPUのIntel A100(19×14.5ミリ)、22×22ミリのノースブリッジ(Q682945GU)、PC82801GUと刻印されたサウスブリッジ(15×15ミリ)だ

SH6WP10Aの全分解図。ここまで分解するの必要だったネジは合計23本だった

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