UMPC向けプラットフォーム「Intel Ultra Mobile Platform 2007」を正式発表──チャンドラシーカ氏基調講演Intel Developers Forum 北京

» 2007年04月19日 12時00分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

開発コード名「McCaslin」の正式名称は「Intel Ultra Mobile Platform 2007」

Intel上席副社長兼モビリティ部門 本部長のダディ・パルムッター氏

 IDF2日めはモバイル関連の基調講演が行われた。「Where Does Wireless Go From Here?」と題するモバイルコンピューティングの最新事情を取り上げる講演では、Intel上席副社長兼モビリティ部門 本部長のダディ・パルムッター氏と、Intel上席副社長兼ウルトラモビリティ部門 本部長のアナンド・チャンドラシーカ氏が登壇した。

 講演の前半はダディ・パルムッター氏が担当し、2007年5月にローンチされる「Santa Rosa」、45ナノメートルプロセスの「Penryn」を採用した「Santa Rosa Refresh」(第2世代のSanta Rosa)に引き続き、2008年にはノートPC向け次世代プラットフォームとして開発コード名「Montevina」を投入するロードマップを示した。MontevinaはCPUに「Penryn」、チップセットに「Cantiga」、Wi-Fi/WiMAX両対応の「Echo Peak」(いずれも開発コード名)で構成され、HD動画のハードウェアデコーダーなどHDクオリティーのマルチメディアへの対応や、モバイル端末向けに最大40%までパッケージサイズを縮小するなどの情報が公開された。

5月に登場するSanta Rosaの概要(写真=左)。中央と右のスライドは、Santa Rosaで導入されるIntel Turbo Memory(開発コード名:Robson)だ

2008年に登場予定の次世代プラットフォーム「Montevina」(写真=左)。Montevinaを構成するCPUの「Penryn」(写真=中央)。各コンポーネントは集積化がなされ最大40%も小型になるという(写真=右)

Intel上席副社長兼ウルトラモビリティ部門 本部長のアナンド・チャンドラシーカ氏

 パルムッター氏からスピーチを引き継いだチャンドラシーカ氏は、「現在の有線によるインターネット接続に甘んじているPCも、WiMAXによってそのような弱点が解決する。さらにデスクトップPCやモバイル端末などプラットフォームを問わずシームレスに利用できるアプリケーションが強く求められている。これを実現するために、性能と互換性を犠牲にすることなく発熱/消費電力/パッケージサイズを同時に減少させるプラットフォームが必要だ」と語り、これまで開発コード名で「McCaslin」と呼ばれていたUMPC(Ultra-Mobile PC)向けプラットフォームを「Intel Ultra Mobile Platform 2007」として正式に発表した。

 Intel Ultra Mobile Platform 2007は、CPUに消費電力3ワット程度のA100/A110(開発コード名:Stealey)、チップセットのIntel 945GU Express(開発コード名:Little River)、サウスブリッジのICH7Uで構成される。最大1GバイトまでのDDR2 400 SO-DIMMやPCI Express x1、3本のPCI、1チャンネルのParallel ATA/100、HDオーディオなどが利用可能だ。また、現行プラットフォームと比較してパッケージサイズは3分の1、平均消費電力と待機消費電力は2分の1に抑えられている。

 そのほか、NTTドコモ執行役員兼プロダクト&サービス本部ユビキタスサービス部長の徳広清志氏がIntel Ultra Mobile Platform 2007の登場を歓迎し、顧客サービスの充実に向けて採用を検討するという旨のビデオレターを寄せた。

Intel Ultra Mobile Platform 2007は、2006年のプラットフォームと比較して実装面積が3分の1、平均消費電力と待機時の消費電力がそれぞれ半分になるという(写真=左)。中央のスライドがIntel Ultra Mobile Platform 2007のブロックダイヤグラムだ。ビデオレターを寄せたNTTドコモの徳広清志氏(写真=右)

2008年のMenlowでは一層の小型化と省電力を実現

Intel Ultra Mobile Platform 2007の採用を表明したメーカー。今夏には製品の出荷が行われるという

 すでにaigo、ASUSTeK、富士通、Samsung、htc、HaierといったメーカーがIntel Ultra Mobile Platform 2007の採用を表明しており、2007年夏には製品の出荷が開始される予定だ。壇上では各メーカーの試作機が展示されていたが、その中からスライド式キーボードとタッチパネルを備えたSamsungの試作機を取り上げ、スクリーン上のアイコンをタッチしてアプリケーションを起動したり、メニューボタンを並べ替えるなどの動作デモを披露した。

 さらに、45ナノプロセスのCPU「Silverthorne」(開発コード名)とチップセット「Poulsbo」(開発コード名)から構成される次世代プラットフォーム「Menlow」(開発コード名)を2008年第1四半期に投入することも明らかにされた。これは、IDF Fall 2005において発表されたIAアーキテクチャの消費電力を10分の1に低減する計画の一環で、CPUの熱設計消費電力が10分の1に、プラットフォーム全体の熱設計消費電力とパッケージサイズ、平均消費電力が4分の1、待機消費電力が5分の1とさらなる小型化と低消費電力化を実現している。

 チャンドラシーカ氏は、「MenlowによりUMPCはポケットに収まるサイズにまでコンパクトになり、言葉通りいつでもどこでもインターネットに接続して楽しめるようになる」と述べた。その後、台湾COMPALのMenlowプラットフォーム搭載試作機でYouTubeをストリーミング再生するデモを行い、一般的なPCと変わらない性能を持つことをアピールした。

2008年第1四半期に投入される新プラットフォーム「Menlow」(写真=左)。2006年のプラットフォームと比較して、Menlowでは実装面積と平均消費電力、熱設計消費電力がそれぞれ4分の1、待機時の消費電力が5分の1になるという(写真=中央)。プラットフォーム別のチップセットとCPUのサイズ比較(写真=右)

Menlowで採用される45ナノプロセスのCPU「Silverthorne」(写真=左)。非常に小型なSilverthorneとチップセットの「Poulsbo」(開発コード名)を用いることで、Menlowプラットフォームは小さな基板で製造できるようになる(写真=右)

 IntelはUMPCの普及に向けての取り組みの1つとして、メーカー側に製品開発を促す「Mobile Internet Device Innovation Alliance」を発足し、ELEKTROBIT、ASUSTeK、Inventec、htc、COMPAL、Quanta Computer、BenQの7社が加盟したと発表した。また、Intel Ultra Mobile Platform 2007はWindows Vistaに加え、Red FlagやUbuntuなどのLinuxディストリビューションに対応するほか、インターネットとデスクトップをシームレスに連携させるアプリケーションを開発可能なAdobe Apolloプラットフォームも利用できるとした。

UMPCの業界団体「Mobile Internet Device Innovation Alliance」の結成が報告された(写真=左)。Menlowプラットフォームを搭載したAigo(写真=中央)とSamsungの試作機(写真=右)


会場に展示されたUMPCの試作機

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月10日 更新
  1. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  2. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  3. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  4. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  5. Apple Siliconはなぜ「オンデバイスAI」に強いのか? NVIDIA「RTX Spark」との比較で読み解くシリコン設計の哲学 (2026年06月08日)
  6. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  7. 高騰中のSSD、品薄のHDD──けれど“最終処分”のニーズは変わらず (2026年06月06日)
  8. 新GPU「RX 9070 GRE」搭載カード発売! 既存上位モデル「RX 9070 XT」との価格差に悩む声も (2026年06月08日)
  9. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  10. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー