ノートPCの普及とともにモバイルアーキテクチャも進化──IDFがいよいよスタートIntel Developers Forum 北京 2007(1/2 ページ)

» 2007年04月17日 12時17分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

外見と中身が大きく進化する2007年のノートPC

モビリティ事業本部副社長兼モバイル・プラットフォーム事業部長のムーリー・エデン氏

 日本ではノートPCの市場シェアが50%を越えて久しいが、ワールドワイドでもノートPCの普及はめざましく、1999年には全PCユーザーの10%に過ぎなかったノートPCユーザーが2011年には50%を超えると予想されるとエデン氏は述べた。この理由として、外出時のモバイル利用だけでなく家庭内でもノートPCを使うユーザーが増えていることや、オンラインコンテンツがエンターテインメントの1つとして浸透したこと、そして、ゲームユーザーがデスクトップPCからノートPCに移行し始めたことに加えて、SkypeなどのVoIPユーザーの増加といった市場の流れなどをエデン氏は挙げている。

 次いでエデン氏は、PCの購入者層が広がったことで、女性にターゲットを絞ってエレガントさを前面に押し出した製品や凝った塗装でデザイン性を高めた製品が登場するなど、携帯電話と同じようにパーソナライズして持ち歩けるノートPCが、ユーザーの購買意欲を高めていると語る一方で、パフォーマンスについても「Santa Rosa」とNVIDIA SLIを採用したAlienwareのノートPC「Area-51 m 9750」で「Battlefield 2142」がなめらかに動作するデモを行い、ノートPCがゲーム用途にも十分対応できるだけの能力を持っていることを印象づけた。

 当然ながら、インテルのノートPCに対するパフォーマンスの追求はこれだけにとどまらない。2007年の第2四半期には倍率変更が可能なCore2 Duoをリリースし、将来的にはモバイルアーキテクチャへクアッドコアを投入する予定であることをエデン氏は明らかにした。

 エデン氏は、2007年5月にリリースが予定されている新世代のCentrinoプラットフォーム「Santa Rosa」についても概要を説明した。Santa Rosa世代のデュアルコアCPUは新たにFSB 800MHzに対応するほかに、新しい技術として「Enhanced Dynamic Acceleration Technology」が採用される。これは、シングルスレッドだけを使うアプリケーションを実行しているときに片方のコアを休止させ、それで余裕のできた発熱量(TDPに対するマージン)の分だけ、動作しているコアのクロック数を定格よりも200MHz程度引き上げるという技術だ。このおかげで消費電力を抑えながらもパフォーマンスを向上できるとエデン氏は述べている。

 また、Santa Rosaの構成要素となるチップセット「Intel PM965」「Intel GM965」「Intel GL965」のうち、統合型モデルのIntel GM965では、内蔵するグラフィックスコアに新たに取り入れられた「Intel Clear Video Technology」によってインタレース解除が可能となるほか、波紋状のムラを取り除く「ケイデンス防止機能」や「Procamp API」による画質補正機能も用意されている。また、ネットワークでは従来より5倍以上のデータ帯域を誇る「IEEE802.11n draft」規格の無線LANをサポートされる。

壇上にはSanta Rosaを組み込んだデモ機が公開された(画像左)。あるデモ機の背面にはHDMI端子とがeSATAが用意されている(画像右)

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