「2008年、UMPCは最も重要な事業に」――台湾GIGABYTE「M704」担当者インタビューライバルは工人舎(1/2 ページ)

» 2008年03月07日 19時30分 公開
[後藤治,ITmedia]
GIGABYTE「M704」。日本では九十九電機が3月12日より発売する。価格は7万9800円

 GIGABYTE製UMPC(ウルトラモバイルPC)「M704」が九十九電機から発売される。製品プロモーションのために来日したG-STYLEのJohnson Lu(呂昆峰)氏がその詳細を語った。

 M704は、1024×600ドット表示の7インチワイド液晶を搭載した小型PCだ。液晶パネルは感圧式のタッチ入力に対応し、スライド式キーボードを備える。CPUには超低電圧版VIA C7-M 1.2GHzを採用、メモリはオンボードで768Mバイト、HDD容量は60Gバイト(1.8インチ/4200rpm)だ。インタフェースとして、SD/MMC/SDIO対応メモリカードスロットや、2基のUSB 2.0ポートなどを用意するほか、IEEE802.11g/b対応の無線LANおよびBluetooth 2.0、130万画素CMOSカメラを搭載する。

 本体サイズは190(幅)×120.8(奥行き)×30.3(高さ)ミリ、重量は約780グラム。2セルの標準バッテリーで約4時間の駆動が行える。搭載OSはWindows XP Home Editionだ。

 台湾GIGABYTEのノートPC事業を担うG-STYLEの製品は、2006年より九十九電機を代理店として日本市場に投入されてきたが、UMPC分野での参入は今回が初めて。ただし、2007年のCOMPUTEXの記事でも分かるとおり、同社は以前からUMPCの開発に取り組んでおり、すでに「U60」という製品で、アジアだけでなくヨーロッパでも展開してきた。もっとも、このU60はArima ComputerからOEM供給を受けたもので、今回その後継機として登場したM704は「ArimaとGIGABYTEの共同開発」(Lu氏)という違いがある。

本体上面/下面/右側面/左側面。右側面にサウンド関連の端子とボリューム調整スイッチを集め、左側面にUSBポートやメモリカードスロットを配置している。上面に排気口、下面にはスタンド式クレードルのためのコネクタがある

M704は日本市場から始まる

――U60は日本で販売されませんでしたが、このタイミングでM704の販売を決めたのは、(日本での)「Eee PC」の成功があったからでしょうか?

G-STYLE Sales Deputy ManagerのJohnson Lu(呂昆峰)氏

Lu氏 そうではない。昨年のCOMPUTEXではちょうどEee PCとU60が並んだが、すでにその時期には、開発中のM704が見えていた。U60のパネル解像度は800×480だが、M704はそれよりも一回り大きい1024×600で、CPUのクロックも高い。日本のユーザーにとってU60のスペックでは低いと判断し、あえて一回飛ばす形になった。

 今回のM704は、まずはじめに日本市場へ投入し、次いで韓国などのアジア地域に拡大していく。

――U60に比べると、重さが60グラム増え、駆動時間が1時間ほど短くなっていますが。

Lu氏 M704はCPUクロックが1.0GHzから1.2GHzに上がっているので、バッテリー駆動時間はやや短くなった。確かに、本体スペースの関係上、4セルまでのバッテリーしか搭載できないため、6セル以上のバッテリーを使えるノートPCに比べて容量的には不利だが、本体をより小型化できるというメリットもある。実際、M704は2セルの標準バッテリー(3900mAh)でも4時間は駆動する。

――OSはWindows XPですが、Vistaは考えませんでしたか? 同じVIAプラットフォームを採用した米QOQの「QOQ model 02」はVista Ultimateモデルもあります(注:ただしこちらはCPUクロックが1.5GHz)。あるいは、XPのTablet Editionという選択肢は?

Lu氏 Windows Vista、とくにPremium以上を考えると、このCPUとメモリではVistaを動かすのはやはり重い。また、九十九電機からの要望としても今回はXPを選んだ。Tablet Editionは正直に言うとそれまで経験がなかったというのもあるが、そもそもM704の製品コンセプトはサブノートPCという位置付けなので、タブレットPCとは違う。例えるなら、ソニーの「VAIO type U」のGIGABYTE版というイメージだ。

スライド式キーボードを搭載する。両手でホールドし親指でタイプするレイアウトだ。中央には無線LANなどのワンタッチボタンが並ぶ

――type Uの話が出ましたが、M704もスライド式キーボードを採用していますね。Samsungの「Q1 Ultra」やWibrainの「B1」のように、液晶両脇にキーを並べるデザインは検討しませんでしたか?

Lu氏 キーボードについては、VAIO type Uを意識した。後者のキーボードは、自分で使ったことはないが、キーが小さくて操作性が悪い、使いづらいという声を社内で聞いている。日本で販売されるモデルは、もちろん日本語用のキーボードを用意した。

――ディスプレイはタッチ入力に対応した(抵抗皮膜式)のパネルを採用していますが、こうして見ると、明るさは十分ですね。輝度はどれくらいですか?

Lu氏 M704はLEDバックライト液晶を採用しており、明るさは200から250くらいだ。視野角については、確認して連絡する(注:視野角は左右140度/上下110度ということだが、パネル自体のサイズが7インチと小さいこともあって、試作機を見る限りでは特に狭いという印象はなかった)。

キーボードには半角/全角キーもあるものの、右シフトの位置にある(写真=左)。右の試作機は日本向けキーボード、左のモックアップは英語配列(写真=中央)。キーストロークはやや浅いが、“プチプチ感”は十分だ。キーボードユニットの接点が直接マザーボード上にレイアウトされているという(写真=右)
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