――インテル(A100/110+945GU Express)ではなく、VIAプラットフォームを選んだ理由は?
Lu氏 このサイズでは搭載できるバッテリーに制約がある。現時点ではインテルよりもバッテリーライフで有利なほうを選んだ。また、VIA C7-M 1.2GHzは小型PCのCPUとして十分な性能を持っていると考えている。
――今後もこのカテゴリで日本向けに製品を投入していきますか?
Lu氏 もちろんその予定だ。いまドイツで開催しているCeBITで、キーボードのない「M700」を参考展示している(注:M700は、220(幅)×110(奥行き)×23(厚さ)ミリ、650グラムと、さらに小型・軽量化され、チップセットにVIA VX800 UniChrome Pro IIを採用する。九十九電機によれば、M700の日本発売は7月ごろを計画中とのこと)。
――インテルの次期プラットフォーム搭載製品の投入予定は?
Lu氏 Menlowを搭載したモデルは各社開発を進めているようだね。我々の計画を詳しく言うことはできないが、新しいインテルプラットフォームを採用したそれらの新機種は、6月のCOMPUTEXで発表があるだろう。GIGABYTEとしてもがんばりたいところだ。
――投入予定時期は?
Lu氏 コメントできない。……たぶん、Centrino 2(開発コード名:Montevina)と同じくらいの時期になるんじゃないかな。
――M704に話を戻します。U60にはさまざまなオプションがありましたが、M704でもTVチューナーやGPSなどは用意されるのでしょうか。また、WiMAXの搭載は?
Lu氏 オプション製品のうち、プレミアムバッグは最初から入っている。ドッキングステーションは用意するが、TVチューナーやGPSモジュールは、日本に対しては未定だ。
WiMaxの内蔵は考えてない。そもそも、M704にはMiniPCI Expressスロットがないので、これは対応できない。ただし、次のM700にはスロットがあるので、やる可能性はある。台湾では現在テスト期間中で、4月くらいにライセンスが供与されるだろう。


M704の背面にあるカバーを外すとGPSモジュールなどを装着できるコネクタがある(写真=左)。インタビューでは、ノートPCの下に置くタイプの汎用バッテリーユニットも披露してくれた。容量は10000mAhで各種AC用の変換コネクタが付属する(写真=中央/右)。仮にM704で使えば「このバッテリー単体で8時間から10時間くらいは動く」(同氏)。日本への投入は未定だが、だいたい160ドルくらいとのこと――今回のM704、競合製品は具体的に何でしょうか?
Lu氏 工人舎だね。これは日本だけの話ではなく、U60をワールドワイドで展開したとき顧客から最も多かった声が、工人舎との比較だった。製品コンセプトは、Eee PCよりもSAシリーズに似ている。
――確かにどちらもタッチ入力に対応して、両手でホールドしたスタイルでも使えますね。一方、価格を比べると、SAの6万9800円に対して、M704は7万9800円と高くなっています。
Lu氏 M704のCPUは動画再生も問題のないスペックだし、HDD容量も60Gバイトある。日本向けモデルでは、HDDを40Gバイトと60Gバイトのどちらにするか最後まで迷ったが、HDDを換装するのが難しいという理由から、最終的に60Gバイトにした。性能面ではM704が勝っている。
「2008年は、我々にとってUMPCが最も重要な事業領域になるだろう」とLu氏は語る。
マザーボードなどのPCパーツを中核事業とするGIGABYTEは、近年そのコア技術を生かしてデスクトップPCやノートPC、携帯電話などの分野にも参入してきた。その中で、ノートPC分野を担当するG-STYLE(2005年にGIGABYTEの100%子会社として設立)は、UMPC(ウルトラモバイルPC)やMID(モバイルインターネットデバイス)と呼ばれる小型携帯端末を当面の目標として位置付けたようだ。OEM供給を受けたU60に続く、共同開発のM704、そして今後は「完全自社開発に移行」(同氏)し、本格的にこの分野へ注力していくという。
“1ワット2GHz駆動をめざす”インテルの新CPU「Atom」をにらんで、各社から小型PCの開発表明が相次いでいるが、GIGABYTEのG-STYLEは、台湾勢の一翼を担うことになりそうだ。
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