Atomマザーが登場して以来、PCケースの中でもmini-ITXケースはヒットしやすいジャンルとなっている。その半面、「無難なモデルが多いのが現状。多少高価になっても、ひとひねり加えたモデルが出ると、新たなニーズが生まれると思うんですけどね」(某ショップ)と語られることもあった。しかし、そんなイメージは2008年のうちに消し飛びそうだ。
12月12日にabeeのタワーケース「AS Enclosure 550DT」が複数のショップに入荷した。価格は4万円弱で在庫は少数。
AS Enclosure 550DTは内部が上下2部屋に分かれており、下段にATXマザー、上段にmini-ITXマザーを搭載できるのが特徴だ。ATX電源の設置スペ―スは、下段底部と上部に用意され、1マシン構成時には上部、2マシン構成なら下部と選択できるようになっている。上部の部屋は5インチベイが3基あり、下部と独立したドライブ類を搭載可能。また、上下の部屋のあいだにあるスリットにケーブルを通せるため、2マシンでドライブベイの配置を自在に設定できる。下段の5インチベイは2基で、3.5インチシャドウベイを7基備えている。電源は非搭載だ。
入荷したクレバリー1号店は「mini-ITXマザーでサブマシンを組むにも、新しく場所をとる箱を置きたくない。そんな人に最適ですね。また、1台のマシンで使う場合は2世帯住宅を1世帯で使うようなものなので、上部に水冷キットのポンプを置くなど、自由な設計が可能です。デザインも文句ありませんし、これは売れるでしょう。安ければ、もっと……」と語っていた。
さらにもう1台、魅力的なmini-ITXケースが登場している。透明アクリルパネルを使ったサンビームの「ACRYLIC mini-ITX」で、通常の透明タイプと、ブラックライトで光るブルータイプをラインアップしている。価格はそれぞれ1万3000円前後。在庫は潤沢だ。筐体のサイズは204(幅)×310(奥行き)×172(高さ)ミリで、5インチドライブ、3.5インチドライブを1基ずつ搭載できる。フロントには6センチファンが2基あり、定格150ワットの電源ユニットを付属している。
ソフマップ秋葉原本館は「正直、透明ケースの売れ行きはイマイチなのですが、ACRYLIC mini-ITXはヒットの予感がします。サブマシンだからこそ、いろいろ遊んでみたいという人は結構いるでしょうし、コンパクトだから、ちょっとした光モノを加えるだけで効果的にデコレーションできますからね。ケース1つで自作の楽しさが広がるという好例です」と絶賛していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.