サプライズはないけれど2009年のNVIDIAは見えてくる2009 International CES(1/2 ページ)

» 2009年01月15日 17時34分 公開
[小林哲雄,ITmedia]
ホールの一番奥に陣取るNVIDIAブース。その裏にある仕切りで囲われた商談スペースで秘密のブツを見せてくれると思いきや………

 記者がNVIDIAブースを訪れると、いきなりその商談スペースに連れて行かれた。おお、いきなりボスキャラ登場かよっ、と身構えたとたん、「すぐにブースを案内するから、この部屋に荷物を置いて身軽になりなさいよっ」ということで、秘密なブツはどうも見せてもらえない(というか、持っていない)ようだ。身軽になった取材陣を引き連れてブースを説明をしてくれたのはTechnical Marketingのディレクターを務めるニック・スタム氏だ。

 まず、案内されたのは、ブースの裏手にある「ION Platform」だ。AtomとGeForce 9400(mGPU)チップセットを組み合わせた超小型プラットフォームで、IONプラットフォームを採用した超小型PCとマザーボードが展示されている。この小さなボードを組み込んだ超小型PCでHDコンテンツの再生が十分に行えるだけでなく、比較的軽負荷な3Dゲームにも対応できる。IONプラットフォームの製品はサードパーティメーカーから2009年の7月に登場する予定だ。

CESの正式開幕の前日に行われた「Digital Experience」で展示されていたIONプラットフォームの動作サンプル。この超小型PCでHDコンテンツの再生支援から3Dゲームの動作までを可能にする(写真=左)。そのサンプル機材に搭載されていたメイン基板もDigital Experienceで展示していた。GeForce 9400(mGPU)とAtom(Diamondville)を組み合わせている(写真=中央)。背面に設置されたメモリスロット。IONのメモリはノート用のDIMMを使用してシングルチャネルで利用されることが分かる(写真=右)

CESに合わせて登場したGeForce 3D Vision

 次に紹介されたのが「GeForce 3D Vision」だ。「立体メガネによる3D映像再生」というのは家電業界では定期的に登場するネタだが、2009年のCESでは松下が「3D HD」というテーマをプレスイベントで打ち出しているなど、家庭での3D映像再生は北米市場におけるキーワードになっているようだ。

 3Dメガネはメガネの上から装着しても違和感ない。PCとは赤外線で接続されるのでユーザーの姿勢における自由度は高い。メガネ内蔵のバッテリーで動作し、USB経由でフル充電すると40時間動作する。対応するグラフィックスカードはいわゆるミドルレンジ以上で、現時点ではGeForce 8800 GT以上、GeForce 9600 GT以上、GeForce GTX 200シリーズが対応する。

 ただし、メガネだけで199ドルという価格と、利用できるディスプレイを極端に選ぶのが現時点における問題になるだろう。3Dゲームでの利用を考慮したのか、左右視野用の画像を60fps、両方の画像で120fpsの再生に対応する必要があり、現時点ではSamsungの「SyncMaster 2233RZ」やViewSonicの「FuHzion VX2265wm」と言った120Hz対応液晶ディスプレイか、三菱電機のDLP HDTV対応製品、Lightspeed DesignのDepthQ HD 3D Projectorだけが利用できる。

 2009 International CESのNVIDIAブースでは、DepthQ HD 3D Projectorを使用したシアターが用意されて、30人の来場者が一緒にハイクオリティの立体動画サンプルを体験できるようになっていた。

3D Visionだけならすぐに入手できるが、最新のディスプレイを必要とするのが最大の難点だ(写真=左)。NVIDIAのブースでは30人程度が入れるシアターで3D Visionをアピールしていた(写真=中央)。近未来なのはディスプレイだけではない。「油冷」を導入したサードパーティ製ゲーミングPCも展示されていた(写真=右)

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