「iLife '09」と「iWork '09」の新機能を体験Appleソフトウェア担当者が語る(3/4 ページ)

» 2009年01月16日 12時00分 公開
[林信行,ITmedia]

facebookとの連携でさらに便利に――iPhoto '09

ポールセン 続いてiLifeの「iPhoto」を取り上げましょう。iPhotoを新しいiPhoto '09にアップグレードすると、すぐに写真の中に映っている人物の顔を探し始めます。新たに写真を取り込んだときも、「人々」という項目をクリックすると、分類された顔の一覧が現れます。後者なら待ち時間はありません、というのも、顔検出は取り込み時にすでに行われているからです。

 ここで写真の1枚を選び、iPhotoが認識した顔に対して名前を割り当てます。するとすぐにその人物の写真をグループ化した束が現れます。この束を開いてみると、iPhotoライブラリにある、その人の顔の一覧が出てきます。

ポールセン 場合によっては、グループ化された写真の中に間違ってほかの人の顔がまぎれているかもしれません。そこでズーム機能を使うと、顔の部分だけが拡大表示されるので、この機能を使って顔を確認します。もし違う人の顔がまぎれていたら、それを選択して外し、顔認識が正しく行われている顔を一括選択して承認します。そうすることによって、iPhotoの顔識別の精度が向上し、同一人物の顔をさらにたくさん発見できるかもしれません。

検出した顔に名前を付けることで個人として認識してくれる

 こうやって顔認識を行った写真をソーシャルネットワークサービスのfacebookに投稿すると、きちんと名前情報も一緒に転送されます(facebookには、写真に写っている知り合いを枠で囲って名前情報を追加する機能がある)。iPhoto '09で、facebook投稿のボタンをクリックすると、写真を適切なサイズに変更してfacebookに投稿し、写真に写っている友達に対して通知を送ってくれます。例えば、ここでは写真にクリスが写っていたので、彼に通知が届きます。

 ちなみに、今facebookに投稿した写真ですが、クリスのとなりに写っている女性が誰か私は分かりません。しかしここで、投稿後にクリスがfacebookで写真を見て、となりの女性にゾーイという名前でタグ付けしてくれたとしましょう。すると、私のiPhoto上で「facebookと同期」ボタンをクリックすれば、それまでなかったゾーイの名前が表示され、彼女の写真の一覧が表示されるようになります。

ポールセン 同様に、flickrとの連携では写真がどこで撮られたかを地図で表示してくれます。まだ場所情報が加えられていない写真については、情報ウィンドウに場所の名前をタイプすれば、過去の記録なども入ったデータベースから候補を表示してくれます。もし場所の情報がデータベースに入っていなければ、グーグルマップで検索をすることができます。データベースや検索結果で出てきた場所を選択すると、写真に自動的に場所情報が追加されます。この、情報ウィンドウがクルっと回って現れるのもなかなか楽しい効果ですよね。

 もちろん、地図部分をズーム表示させることもできます(iPhotoウィンドウいっぱいに地図を表示)し、航空写真での表示も可能です。

――1枚の写真に設定できるピン(場所情報)は1つなんですか?

ポールセン ズームアウトした状態では都市単位などでピンが表示されていますが、ズームインにあわせて、これが街ごとのピン、そして詳細な場所ごとのピンに切り替わって行きます。

ポールセン iPhotoについて、もう1つスライドショー機能を紹介させてください。iPhoto '09はQuartz Composerの技術を使ったスライドショー機能を備えています。スライドショーでは顔認識の技術を生かして、必ず人物の顔が写真の中におさまるように表示されます。

――このスケートボードの写真のスライドショーでは、人と背景から切り出すようなアニメーションが使われていますが、これは人の形を認識しているのでしょうか?

ポールセン いいえ、写真上の明るさや色調の違いを見てゾーンを認識し、それに対して効果を付けています。

Quartz Composerで作られたスライドショー効果の中には、写真の切り抜きのような効果を持つものも(写真=左)。スライドショーはiPhoneでも楽しむことができる(写真=右)

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