17型ワイドの液晶ディスプレイの解像度は、フルHD対応の1920×1200ドット(WUXGA)だ。映画会社のドリームワークスSGKとHPが共同で開発したカラーマネージメント規格「HP DreamColor」に対応している。その特徴としては、RGB LEDバックライトの採用による豊かな色と深い黒の実現、Adobe RGB/sRGBの色空間をサポート、800:1のハイコントラスト、水平160度/垂直120度の広視野角、HP Mobile Display Assistantによる色空間や色温度の設定が可能な点などが挙げられる。印刷業界の標準となっているAdobe RGBに対応していることに加え、同じくDreamColorに対応した液晶ディスプレイ「HP DreamColor LP2480zx」やプリンタ(HP Designjetシリーズ)との間で印刷やデジタルソースの表現を簡単に統一できるのは強みだろう。
実際に左右の視野角の広さ、コントラストの高さは目視でも実感でき、ノートPCとしては最高レベルの表示品質を備えているといえそうだ。また、WUXGAの広大な作業領域は、クリエイティブアプリケーションでのコンテンツ作成に便利なことはもちろん、ワープロやPDFなら2ページを見開きで余裕をもって表示でき、表計算の横長のワークシートもページ分割することなく表示できるなど、どんなアプリケーションにおいても威力抜群だ。
液晶ディスプレイのフレーム上部には200万画素のWebカメラを内蔵し、Webカメラ操作ソフトウェアとして「HP Webcam」のほか、名刺読み取りソフトの「NewSoft Presto! BizCard」がプリインストールずみで、本体前面の名刺差し込みスロットに挟んだ名刺をカメラで撮影し、読み取りができるようになっている。他製品とはひと味違う活用法が用意されているのはうれしいが、名刺の挿入には少々コツがいるうえ、日本語の文字認識も実用に耐えるレベルではなく、完成度はおまけの域を出ていないのが少々残念だ。
ボディが大柄なだけにキーボードのスペースはたっぷりと確保されており、テンキー付きのフルサイズキーボードを備える。キーピッチは縦横ともに19ミリあり、不規則な配置や特に気になるキーの詰め込みも見あたらない。キーストロークも3ミリ確保されており、しっかりとしたタッチ感でとても打ちやすい。キーボードユニットの構造もしっかりしており、たわみなどもほとんど気にならない。前述したとおり、キーの印字は従来の50倍の耐久性を持つという「HP DuraKeys」を採用しており、ハードな使用においても印字が消えにくい安心感がある。
ポインティングデバイスはポイントスティックとタッチパッドの2種類を装備する。ポイントスティックは、レノボのThinkPadに似た操作感で、TrackPointよりもキャップの高さは低いが、キャップ下の構造は似ており、試しにTrackPointのキャップを取り付けてみたところピッタリと収まった。軽い力でポインタが動くように調整されているので、フルHD解像度の広い作業領域もスムーズに移動できる。クリックボタンは3ボタン式だが、標準では中央ボタンに特別な機能は割り当てられておらず、TrackPointのように中央ボタンを使ったスクロールには対応していない。タッチパッドにはシナプティクス製のドライバが導入されており、デフォルトで有効になっているパッドの右端を利用した上下スクロールのほか、ユーティリティで設定を行うことで左右スクロールやコーナータップにアプリケーションの起動などを割り当てることが可能だ。
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