Windows 7 β版の注目ポイント“7”Vistaとはドコが違うの!?(1/3 ページ)

» 2009年01月30日 11時00分 公開
[織田薫,ITmedia]

Windows 7とVistaの関係は、XPと2000の関係に似ている

Windows 7日本語β版(ビルド7000)のデスクトップ画面

 マイクロソフトはWindows 7のβ版を1月13日に日本サイトで一般公開した。公開から約半月がたち、世間ではおおむね高評価を得ているようだが、この記事ではWindows Vistaと比較した場合の注目ポイントを見ていきたい。ポイントはいろいろあるのだが、今回はWindows 7にちなんで、7つに絞り込んでみた。

 Windows VistaとWindows 7の関係は、Windows 2000とWindows XPの関係に似ている。Windows 2000のバージョンは5.0、Windows XPのバージョンは5.1とされており、コードバージョンで見ればマイナーアップだった。Windows VistaとWindows 7も同じで、それぞれバージョンは6.0と6.1になる。製品名は「Windows 7」とされているが、OSのコードバージョンとしては6.1なのだ。

 このことから、Windows 2000とWindows XPの互換性が高かったように、Windows VistaとWindows 7の高い互換性が期待できる。実際、マイクロソフトが提供しているWindows 7関連のドキュメントには「デバイスドライバやソフトウェアはWindows Vistaと互換性があり、Windows Vistaが導入されていれば、Windows 7に問題なくアップグレードできる」という文章がよく出てくる。Windows 7に備えて今のうちにWindows Vistaを導入してほしいという意図が含まれているのかもしれないが、互換性への注力が伺える。互換性の問題がクリアされないとOSの移行は進まないので、Windows Vistaとの互換性が高いことは、Windows 7の普及を後押しする材料になるだろう。

Windows Vista/7 β版の検証に用いたPC
マザーボード ASUSTeK PC-DL Deluxe
CPU Xeon 2.4GHz×2
チップセット Intel 875P
メインメモリ 2Gバイト(DDR333)
グラフィックス Radeon X1650 Pro(AGP、512Mバイトメモリ)
HDD Maxtor 7Y250P0(250Gバイト、Ultra ATA/133、7200rpm)

 さて、今回配布されたWindows 7のβ版(ビルド7000)は、Windows VistaのエディションではUltimateに相当するフル機能版だ。したがって、比較のためにWindows Vista UltimateとWindows 7 β版を同じPCにインストールし、操作感の比較や機能の検証を行った。Windows 7は動作が軽くなり、低スペックのPCでもインストールできるという触れ込みなので、検証には右表の通りあえて少し古いPCを使用した。

 ちなみにWindows 7 β版の推奨ハードウェア最小要件は、1GHzの32ビット/64ビットCPU、1Gバイトのメインメモリ、16GバイトのHDD空き容量、128M バイトのメモリを搭載したDirectX 9対応グラフィックス(Aeroを有効化するのに必要)、DVD-R/RWドライブ、インターネットアクセス環境とされており、この要件は十分満たしている。

 Windows Vista UltimateはクリーンインストールしてService Pack 1を適用して最新のパッチを当てた状態、Windows 7 β版もクリーンインストールして最新のパッチを当てた状態で検証した。どちらも日本語の32ビット版だ。

 最初に念のため断っておくと、今回マイクロソフトが配布したWindows 7 β版は、開発者、企業のIT管理者、自分でOSのインストールと現状復帰ができるユーザー向けに開発段階のOSを評価・検証用として公開し、そのフィードバックを得ることにより、製品の品質向上に役立てるためのものだ。使用の条件や注意点は、Windows 7のホームページを参照してほしい。

【Point 1】速度の向上

 速度、それはWindows Vistaを利用している多くのユーザーが抱えている不満ではないだろうか。筆者は仕事用のPCでWindows Vista Ultimateを常用しているが、常にHDDにアクセスしているせいで、動作が遅くなりがちなイメージがある(もちろん、実際には常にHDDアクセスが発生しているようなことはないはずだが)。また、SP1になって高速化が図られたとはいえ、ファイルI/O自体もWindows XPと比較するとまだ遅い。

 こうした不満に対し、Windows 7で改善が図られたのが各種動作の速度や応答性だ。マイクロソフトは「起動、シャットダウン、スタンバイからの再開、および応答が高速になる」と述べている。個人的に、起動やシャットダウン、スタンバイ(スリープ)からの再開などは、Windows Vistaでも速度に大きな不満を持っていないのだが、高速化されたということなので少し試してみた。以下のグラフは、OSの起動とファイルコピー(640Mバイト×1個と10Kバイト×2000個)の速度を比較したものだ。

Windows 7 β版とWindows Vista Ultimate(SP1)における速度比較。グラフの値は各3回計測した平均値だ

 まだ製品候補版にもなっていないβ版の状態なので、詳細なベンチマークテストは行わなかったが、確かにWindows Vistaよりも起動が高速化されているようだ。起動直後のプロセス数を見てみると、Windows Vistaが40程度であるのに対し、Windows 7は30程度だった。ログオン後に少し時間がたつと40程度になるので、プロセスを起動する処理が最適化されていると思われる。

 また、Windows 7を起動して最初に驚いたのは、HDDへのアクセスの少ないことだ。Windows Vista Ultimate(SP1)の場合、起動後5分くらいHDDへのアクセスが止まらないこともあるのだが、Windows 7では起動後にHDDへのアクセスがほとんど感じられない。ファイルI/Oも改善されているようで、Windows Vistaでは遅さが目立つエクスプローラでの多数ファイルのコピーも比較的スムーズに動作する。

 検証用の少し古いPCでWindows Vistaを利用すると、何かをするときに一呼吸置いて動作に移る印象が残り、それがストレスになるのだが、Windows 7はそのようなストレスを感じることなく使える。HDDへのアクセスが少ないだけでなく、チューンアップにより全体的なパフォーマンスも向上したようで、画面の描画もWindows Vistaより待たされることがない。

 メジャーなOSのバージョンアップで、ユーザーが体感できるレベルでパフォーマンスが向上するというのは珍しいケースではないだろうか。今後、信頼性の向上などでパフォーマンスが犠牲になる可能性もあるが、β版での感動を裏切らない製品版を期待したい。

【Point 2】省メモリ化

 Windows Vista Ultimate(SP1)は1Gバイト以上のメインメモリ容量が推奨スペックとされているが、検証に使ったPCでは起動直後のメモリ使用量が700M〜900Mバイトになる。昨今はメモリの低価格化が急激に進み、2Gバイト以上のメインメモリを搭載するのが一般的になっているため、起動直後からメモリが足りないという状況に陥ることは少ないだろうが、1Gバイトのメインメモリを搭載したPCで、Windows Vista Ultimate(SP1)にセキュリティ対策ソフトを導入し、メインマシンとしてバリバリ使うというのは、正直かなり厳しい。

Windows 7 β版における起動直後のメモリ使用状況。400M〜500MバイトとVistaより使用量が少ない

 一方のWindows 7では、高速で応答性の高いパフォーマンスだけでなく、省メモリ化もうたっている。そこで、実際にメインメモリを1Gバイトに制限して動作させてみた。起動直後のメモリ使用量は400M〜500Mバイトで、確かにWindows Vista Ultimate(SP1)より少ない。アプリケーションを動作させても、ストレスなく利用できるレベルだ。もちろん、セキュリティ対策ソフトを導入していないため、実環境とは異なるが、Windows Vista Ultimate(SP1)よりも軽くなっているのは確かだろう。もちろん、メインメモリを2GバイトにしてWindows 7を起動すると、動作はスムーズになる。物理メモリが多いと、キャッシュに割り当てられるメモリが増えるためだろう。

 Windows 7の省メモリ化は実感できたが、アプリケーションを起動すれば、やはりメモリ使用量は増加する。アプリケーションも肥大化してきているので、4Gバイトまでしか管理できない32ビットOSの限界も近いだろう(実際、Windows Vistaでは3.25Gバイト程度しか利用できない)。Windows 7は最後の32ビットOSになるかもしれないといわれているが、単に32ビット版と64ビット版の2つを提供するにとどまらず、現在主流の32ビット版から64ビット版へ移行が加速する架け橋となるような仕掛けが何かほしいところだ。

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