AMD Phenom IIのフラッグシップ、「Phenom II X4 965 Black Edition」のTDP 125ワット版が2009年11月4日(日本時間)に登場した。従来のPhenom II X4 965 BEは3.40GHzという高い動作クロックと引き替えに、消費電力は通常のPhenom II X4シリーズより高い140ワットに設定されていた。
その140ワット版が2009年8月に発表されてから3カ月しか経過していないが、今回登場したモデルで125ワットの「通常枠」に引き下げられたことになる。では、新しい125ワット版Phenom II X4 965 BEを従来の140ワット版と何が異なるのかをチェックしてみよう(140ワット版の性能については「Phenom II X4 965 Black Edition」でNehalemに挑むを参照のこと)。
125ワット版のPhenom II X4 965 BEでTDPの引き下げに貢献しているのが、コア電圧の変更だ。140ワット版の動作電圧が0.875〜1.5ボルトだったのに対し、125ワット版は0.825〜1.4ワットと、上限下限とも低く設定されている。プロセスルールやキャッシュメモリの容量といったそれ以外の主要なスペックは共通だが、CPU-Zで確認すると、140ワット版はC2、125ワット版はC3と、リビジョンが1段階アップしている。
モデルナンバー | Phenom II X4 965 Black Edition | Phenom II X4 965 Black Edition |
---|---|---|
OPN | HDZ965FBK4DGM | HDZ965FBK4DGI |
動作クロック | 3.4GHz | 3.4GHz |
CPUソケット | AM3 | AM3 |
対応メモリ | DDR3-1333/DDR2-1066 | DDR3-1333/DDR2-1066 |
1次キャッシュ | (命令64K+データ64K)/コア | (命令64K+データ64K)/コア |
2次キャッシュ | 512KB/コア(計2MB) | 512KB/コア(計2MB) |
3次キャッシュ | 6MB(共有) | 6MB(共有) |
HT Link クロック | 4.0GHz | 4.0GHz |
プロセスルール | 45nm DSL SOI | 45nm DSL SOI |
構成トランジスタ数 | 7億5800万個 | 7億5800万個 |
コア電圧 | 0.825-1.4ボルト | 0.875-1.5ボルト |
TDP | 125ワット | 140ワット |
さて、この125ワット版Phenom II X4 965 BEで測定したベンチマークテストの結果を、以前掲載したレビュー記事「Phenom II X4 965 Black EditionでNehalemに挑む」で紹介している140ワット版の結果と比較してみよう。当然ながら、評価用のシステム環境は140ワット版の測定時と合わせており、AMD 790GX+SB750チップセットを組み合わせたマザーボードの「MSI 790GX-G65」とGeForce GTX 280を搭載したグラフィックスカード「MSI N280GTX-T2D1G」の組み合わせに、メモリを4Gバイト載せている。
CPU | Phenom II X4 965 BE(3.4GHz、125ワット版) | Phenom II X4 965 BE(3.4GHz、140ワット版) | Core i7 920(2.66GHz) |
---|---|---|---|
Motherboard | MSI 790GX-G65 | MSI X58M | |
Chipset | AMD 790GX+SB750 | Intel X58 Express | |
Memory | DDR3-1333 4GB(2Gバイト×2) | DDR3-1066 6GB(2Gバイト×3) | |
Graphics | MSI N280GTX-T2D1G | ||
GraphicDriver | GeForce Driver 190.38(PhysX:Disable) | ||
HDD | WD3200AAJS-B4A(320Gバイト/7200rpm/8Mバイト) | ||
OS | 32ビット版Windows Vista Ultimete(SP2) | ||
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.