“痛グッズ”製作からコレクション用ラベルまで――「ラベルマイティ」でプリンタを再活用するプリンタ、使ってる?(1/2 ページ)

» 2010年09月09日 12時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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プリンタの使い道って意外と少ない!?

 今や家庭用プリンタの性能は行き着くところまで行き着いてしまった印象がある。たかだか1万円強で9600dpiという画質を実現し、PCを所有しているユーザーのほとんどがプリンタあるいは複合機を所有している。それどころか、ほかの周辺機器とは異なり、一般にPCになじみが薄い年配者ほどプリンタを持っている傾向すらある。

 しかし、そのプリンタを本当に活用しているのかというとこれは個人差が大きい。せっかく購入したプリンタがいつしか部屋の隅でホコリを被っている、そんなユーザーも多いはずだ。

 その原因の1つに、プリンタを活用できるソフトウェアが少ないということが挙げられる。オフィスのペーパーレス化がどれほど進んでいるかは議論の分かれるところだが、ドキュメントをPDFに変換してメールに添付する、という利用方法は以前よりも確実に増えており、印刷されることのない文書の比率が増えているのは事実だ。つまり、最終的な出力物が印刷物でないケースが増え、印刷結果を意識しながら文書を作成・編集するよりも、思考をさまたげずにアイデアを形にしていくことが主眼となりつつある。

 実際、印刷物の作成を最終目的としたソフトの代表格は年賀状ソフトであり、その年賀状需要によって、年末商戦時期にプリンタの売上げが最も伸びることもそれを裏付けている。だが、いくらプリンタが安価になったとはいえ、1年に1度しか出番がないのでは費用対効果は低い。せっかく購入したプリンタなのだから、徹底的に活用したいところだ。

プリンタ活用の幅を広げる「ラベルマイティ」

ラベルマイティ 10

 プリンタを活用するソフトというと、プリンタに付属するアプリケーションを思い浮かべるかもしれない。その端的な例がCD/DVDレーベル印刷だ。家庭用プリンタの主流であるカラーインクジェットプリンタの多くは、このCD/DVDレーベル印刷機能を持っているが、正確な位置合わせが必要であること、試行錯誤での位置調整が難しいことなどから、プリンタ付属のアプリケーションを使用している人も多いだろう。

 確かに、プリンタとの相性を考えると、CD/DVDレーベル印刷時にはプリンタに付属しているアプリケーションを使うのが最も確実な方法といえる。しかし、逆にソフトウェアがハードウェアに依存してしまうという問題もある。例えば、異なるメーカーのプリンタに買い換えたとき、以前のソフトウェアが使えなくなるのは当然だが、そのソフトウェアで作成したデータも利用できなくなってしまう。

 PC中級者以上の人は、DVD/Blu-ray再生ソフトやライティングソフトとして、光学ドライブに付属してくるものではなく、別途購入したソフトを使うケースが多いと思われる。これと同様に、プリンタを活用するソフトウェアにも、そろそろ専用ソフトを検討していいころではないだろうか。その最有力候補となるのがジャストシステムの「ラベルマイティ」だ。

CD/DVDレーベル印刷に見るラベルマイティの実力

 ラベルマイティで作成できる印刷物は、名刺からCD/DVDレーベルまで幅広い。この手の家庭用ソフトでは「PCに慣れていない人にも使いやすい」ということを求めた結果、自由度を損ねている場合も多いが、今回紹介するラベルマイティは、操作が簡単であると同時に、非常に自由度の高い印刷物を作ることができる。自分が思い描く印刷物を、どれほど簡単に、そして自在に編集できるのか。実際にCD/DVDレーベルを作成しながら確認していこう。

 まずは、購入したデータやダウンロードしたソフトのバックアップディスクを考えてみる。収録するデータが動画や音楽、写真といったメディアコンテンツでない場合は、それほどデザインに凝る必要がない場合も多い。あらかじめ用意されたテンプレートを使ってさくっと仕上げてしまおう。なお、現在ラベルマイティのサイトでは、5ジャンル約1万点の素材が無料でダウンロードできる「メガ盛りキャンペーン」(2010年9月30まで)を実施している。

ラベルマイティ起動後の画面。ここでは「デザインから選ぶ」を選択(画面=左)。デザイン選択画面。CD/DVDディスク本体のデザインは46種類用意されている。「ラベルマイティ10 プレミアム 10周年記念パック」に同梱されている「歴代ベストサンプル集」にはさらにビジネス向け179種、バラエティ659種が収録されている(画面=中央)。デザインに用意されているテキストエリアはまとめて入力することができる(画面=右)

 デザイン(テンプレート)の豊富さもラベルマイティの強みの1つだが、デザイン自体を自由に編集・修正してオリジナルのデザインを作成することもできる。「このデザインの背景をこっちのデザインの背景にする」といった組み合わせも可能なので、頭の中に完成形のイメージがある場合は、それに近いデザインから始めると効率がいい。また、あるデザインをベースに色調や一部の画像を差し替えてバリエーションを作るのも簡単だ。

画像の色調調整を使えば、同一デザインで異なる色調のレーベルが作れる。データはグレー、アプリケーションは赤といった使い分けができる(画面=左)。背景画像とテキストの色を変更。元のデザインからはかなり変わった印象だが、手間はかからない(画面=中央)。元画像はFlickrから。「backup」「system」「data」「digital」など、用途に合ったキーワードで検索するとそれっぽい画像がいろいろ見つかる。こういった画像をワンポイントに使うのもいい。この画像は「mirroring」で検索したもの(画面=右)

 もちろんテンプレートなしでフルカスタムで作り上げることも可能だ。例として地デジ放送などから録画したディスクのレーベルを考えてみることにしよう。

 連続ものの放送の場合は同じデザインを用い、収録回の特徴的なスクリーンショットやサブタイトルなど、巻数によって一部を差し替えると見やすく、かつ統一感のあるレーベルになる。素材を用意することができれば半分は作業終了だ。今回は個人利用を前提とし、スクリーンショットや公式サイトの画像などを活用した。

テンプレートなしで作成開始(画面=左)。まずは背景にオープニングのタイトルバックを張り付け、トリミングを行って狙い通りの配置にする(画面=中央/右)

タイトルはニコニ・コモンズのロゴ画像を使用(画面=左)。画像はファイルとして保存してもよいが、コピーした後に左の素材エリアに張り付けて利用することもできる(画面=中央)。画像や文字エリアのことをラベルマイティでは「枠」と読んでいる。枠の位置調整を行い、タイトルロゴをディスクの上下中央に配置する(画面=右)

動画ファイルからいくつか静止画キャプチャしておく。手動で行ってもよいが、GOM Playerなどで一定周期で連続キャプチャするのも手だ(画面=左)。スクリーンショットをドラッグ&ドロップでコピー。フィルム風の枠飾りを適用した(画面=中央)。グリッドを表示し、位置合わせをしながらコピー。コピーした後、画像を差し替える。連続キャプチャ風にするためあえて同じ画像を使うのもアリだ(画面=右)

タイトルを入れて完成!

 さて、1枚のレーベルとしてはこれで完成だが、これをデザインとして保存し、次巻以降の手間を大幅に削減するためにもう一工夫しておこう。シリーズ共通の部分を誤って修正してしまわないように枠を固定したり、画像の差し替え・調整のみを許可したり、完全に編集不可にするなど、段階的な編集許可を設定することができる。

シリーズもののデザインとして利用する場合、共通で利用できる部分は編集を禁止しておく(画面=左)。枠を選んで「まとめて写真選択などの対象にする」にチェックをしておくと一度に設定ができる(画面=中央)。「まとめて写真選択」の対象の枠は指定フォルダ以下の画像をランダムに選択する「おまかせ写真選択」機能が利用できる。手っ取り早く作成するには便利な機能だ(画面=右)

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