BIOSTARの「TP67XE」「TH67XE」を画像で予習するイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2010年12月22日 11時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

オーバークロッカー向けラインアップの次世代マザーボードがBIOSTARから

 「BIOSTAR」は、MSIやASUS、GIGABYTEほどメジャーではないけれど、日本の自作PCユーザーには以前から知られている台湾の有力マザーボードベンダーだ。現在は販売代理店のエムヴィケーが正規輸入品を日本で流通させている。

 MSI、ASUS、GIGABYTEといったメジャーベンダーのように自ら日本の関係者に向けて技術解説を行ったり、プライベートイベントを行ってエンドユーザーにメッセージを発信することが少ないベンダーの製品は、どうしても「価格競争力」と「市場投入の早さ」が注目される傾向がある(ASRockは数少ない例外といえるかもしれない)。

 だが、BIOSTARではオーバークロッカーを意識した機能や安定動作のために高品位部材を導入した「T-Series」ブランドを2007年に立ち上げるなど、メジャーベンダーと同様の高付加価値マザーボードを用意している。BIOSTARがIntel 6シリーズチップセット搭載のマザーボードとしてその存在を明らかにした「TP67XE」と「TH67XE」もT-Seriesモデルとなる予定だ。

 T-Seriesのラインアップでは、オーバークロックユーティリティ「TOverclocker」が標準で付属し、ハードウェアの状態監視とオーバークロック設定が行える(ただし、SandyBridge世代のCPUを組み込んだシステムで行えるオーバークロック設定の詳細については明らかにされていない)。

 また、BIOSTARのマザーボード向け独自技術として最近登場したのが「BIO REMOTE 2」も対応する。BIO REMOTE 2はiPhone(OS 3.2以上)、Android(2.1以上)搭載スマートフォンを無線LANで接続してBIOSTARのマザーボードを搭載したPCの“リモコン”として使えるようにするユーティリティだ。

 プレーヤーリモコンとしてWindows Media Center、Windows Media Player、CyberLinkのPower DVDなど対応アプリケーションでコンテンツの操作が行えるほか、iPhone、Android搭載スマートフォンのタッチパネルをPCのワイヤレスタッチパッドとして利用したり、PowerPointのポインタ操作を行うことが可能だ。また、Toverclockerによるオーバークロック設定、省電力設定、BIOSのオンラインアップデートといったPCのシステム管理にも対応する。

TP67XEをなめるように観察する

 ここでは、サンプルボードが公開された「TP67XE」と「TH67XE」について、搭載されているスロットの構成やオンボードで用意されたコントローラなどを紹介する。例によって、対応するCPUは現時点で存在しないことになっているので、パフォーマンスや設定画面などは検証していない。

BIOSTARが公開した“Intel P67 Express”搭載マザーボード「TP67XE」

CPUソケットの周辺。BIOSTARでは、日本製の固定電解コンデンサを搭載する。電源回路はヒートシンクで冷却するが、それぞれをヒートパイプなどで連結しない。バックパネル側にあるヒートシンクのフットプリントが大きいように見えるが、断面は逆L字形で基板への設置面積は両者同じ程度だ(写真=左)。CPU電源回路はコアへの供給が8フェーズ、VTTへの供給が2フェーズの計10フェーズ構成になっている。システムの負荷にあわせて有効なフェースを動的に変更でき、有効なフェーズ数はLEDで把握できる。なお、ATX12V用8ピンコネクタを2基載せている(写真=右)

メモリスロットは4基構成でDDR3に対応、デュアルチャネル接続に対応するもよう。対応するメモリクロックや最大メモリ容量など、詳細なスペックは明らかにされていない(写真=左)。拡張スロットはPCI Express x16対応の2基とPCI Express x1対応が2基、そしてPCIを2基備える。PCI Epxress x16対応スロットは白と赤に分けられ、白いスロットには“PCI Express x16”の印刷が、赤いスロットには“PCI Express x8”の印刷が記されている(写真=右)

チップセットはIntel P67 Expressを搭載するといわれている。Serial ATAのインタフェースは、Serial ATA 3Gbps対応が赤いコネクタで3基、Serial ATA 6Gbps対応が白いコネクタで2基用意する(写真=左)。電源ボタンとリセットボタンをオンボードで用意する。その周辺には、BIOSのPOST CodeとCPU温度を表示できるインジケータを搭載する(写真=右)

バックパネルにはUSB 2.0を4基、IEEE1394、eSATA、1000BASE-Tまで対応する有線LAN、そして、USB 3.0を2基備える

USB 3.0はNECの「μD720200F1」で制御する(写真=左)。IEEE1394のコントローラとして載せているのはVIAの「VT6315N」だ(写真=右)

有線LANコントローラはRealtekの「RTL8111E」(写真=左)で、サウンドコントローラには、同じRealtekの「ALC892」を採用する(写真=右)

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