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» 2010年12月28日 10時00分 公開

2011年版セキュリティソフト徹底比較(第3回)検知性能を比較(2/3 ページ)

[松岡宣,ITmedia]

検出率の高いセキュリティソフトはどれ?

 不正プログラムの概要を確認したところで、検出テストの結果を見ていこう。前述したように、今回のテストでは不正プログラムが5つのカテゴリに分類されているが、各セキュリティソフトの順位はほとんど変動しなかった。

 入れ替わりが見られたのは総合4位のPC Toolsと総合5位のNISのみで、トロイの木馬でPC Toolsの検出率がNISを上回った以外、NISの検出率のほうが高かった。トロイの木馬のサンプル数が多いため、総合ではPC ToolsがNISを上回る結果になったが、実質的には同等と考えていいだろう。

 なお、PC-Toolsはシマンテックの傘下に入っており、現在ではNISと同じウイルス定義ファイルを使用している。そのため、シグニチャにより検出できるマルウェアの数に違いはないはずなので、この差はヒューリスティック性能などの違いによるものと考えられる。

総合検出率(総サンプル数:934,685)
順位 プログラム 検出数 検出率
1 G Data 925,186 98.98%
2 マカフィー 920,128 98.44%
3 ウイルスバスター 916,315 98.03%
4 PC Tools 899,774 96.26%
5 NIS 899,753 96.26%
6 KIS 891,421 95.37%
7 ESET 828,993 88.69%
G Data、マカフィー、ウイルスバスターが第1グループ、それ以下が第2グループという印象。なお、サンプル数の多いトロイの木馬でNISを逆転したPC-Toolsが、総合でもNISを上回った。ただし、差はわずかであり、ほぼ同等とみていい

 全体的に検出率が高いのはG Dataだ。G Dataは既知ウイルスの検出率99.9%をウリにしているが、ワームとボットで99%台の検出率を出し、総合でも98.98%と、99%に近い検出率だった。これに続くマカフィーウイルスバスターの2本を加えた3本が先頭グループといえるだろう。これらの3本は、ほぼ1%以内の差で並んでいる。

 第2グループはNISPC ToolsKasperskyの3本だ。

 一方、最後のESETだけが大幅に検出率が低く、どのカテゴリでも残念ながら90%以下の検出率となってしまった。すべてのテストで6番目だったKasperskyの検出率と全体の平均値/中央値との差が1%前後である点をみても、ESETの検出率の低さは際立っている。ただし、ESETはヒューリスティック検出性能に強みを持ち、未知ウイルスの検出率が高い点が特徴のため、既知ウイルスの検出では若干不利であるとも考えられる。この点について、今回のテストに「ESETがマルウェアと認識しないサンプル」が含まれていた可能性をAV-Testに問い合わせたが、回答は得られなかった。

 なお、AV-Testが定期的に発表しているテスト結果では、WildListをサンプルとして使用しており、ESETの検出率は比較的上位に位置する。ほかのテスト機関が発表しているデータでも同様だ。そのため、一概にESETの性能が低いとは言えない点に注意してほしい。

グラフで見ると上位グループ3本、2位グループ3本で区切られた様子が分かりやすい

バックドア検出率(サンプル数:141,939)
プログラム 検出数 検出率
G Data 140,334 98.87%
マカフィー 139,215 98.08%
ウイルスバスター 138,796 97.79%
NIS 136,248 95.99%
PC Tools 136,240 95.98%
KIS 135,416 95.40%
ESET 125,614 88.50%
平均値 135,980 95.80%
中央値 136,248 95.99%
バックドア検出率では6位のKISと全体の平均値の差がほとんどない。全体の平均を7位のESETが引き下げていることが分かる

ボット(ゾンビ)検出率(サンプル数:51,915)
プログラム 検出数 検出率
G Data 51,848 99.87%
マカフィー 51,625 99.44%
ウイルスバスター 51,474 99.15%
NIS 50,467 97.21%
PC Tools 50,454 97.19%
KIS 50,087 96.48%
ESET 46,552 89.67%
平均値 50,358 97.00%
中央値 50,467 97.21%
上位3本が99%台と、高い検出率を出している。特に2つのエンジンを搭載するG DATAは、非常に良好な結果を残している

トロイの木馬検出率(サンプル数:558,376)
プログラム 検出数 検出率
G Data 551,671 98.80%
マカフィー 548,813 98.29%
ウイルスバスター 546,128 97.81%
PC Tools 536,566 96.09%
NIS 536,300 96.05%
KIS 531,330 95.16%
ESET 494,310 88.53%
平均値 535,016 95.82%
中央値 536,566 96.09%
NISとPC Toolsの順位が入れ替わっているが、ほかはすべてのテストで同じ順位だ。シグニチャレベルで共有化されているため、ほとんど誤差の範囲といっていい

ウイルス検出率(サンプル数:68,547)
プログラム 検出数 検出率
G Data 67,498 98.47%
マカフィー 67,248 98.10%
ウイルスバスター 66,871 97.55%
NIS 65,623 95.73%
PC Tools 65,553 95.63%
KIS 64,856 94.62%
ESET 60,515 88.28%
平均値 65,452 95.48%
中央値 65,623 95.73%
すべてのテストでG Dataが1位になったが、マカフィーの検出率も全体的に高い。特にウイルス検出率では差が少なくなっている

ワーム検出率(サンプル数:113,908)
プログラム 検出数 検出率
G Data 113,835 99.94%
マカフィー 113,227 99.40%
ウイルスバスター 113,046 99.24%
NIS 111,115 97.55%
PC Tools 110,961 97.41%
KIS 109,732 96.33%
ESET 102,002 89.55%
平均値 110,559 97.06%
中央値 111,115 97.55%
G Dataの検出率は99.94%で、113,908サンプル中、検出できなかったのはわずか73サンプルだ。続くマカフィーとウイルスバスターも99%台を出しており、接近している

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