2月に登場したIntel SSD 510シリーズは、Serial ATA 6Gbps転送に対応したハイエンドモデルだが、市場ではSerial ATA 3Gbpsに対応したマザーボードがまだ数多く流通している。こうしたボリュームゾーンのユーザーに向けて登場したのが、Serial ATA 3Gbpsに対応して大容量モデルを追加した「Intel SSD 320」シリーズだ。
従来のバリューモデルだったX25-Mやハイエンド向けのIntel SSD 510シリーズとの違いは、コントローラの違いによる転送速度の向上以外に、フラッシュメモリのプロセスルールが25ナノメートルに微細化された点にある。CPUと同じくフラッシュメモリもプロセスルールが微細になると製造コストが下がり、容量が増えていく傾向にある。Intel SSD 320シリーズでもプロセスルールの微細化で、300Gバイトや600Gバイトという、大きなアプリケーションのインストールやデータの運用にも耐えられる大容量モデルが加えられた。インテルでは、25ナノメートルプロセスルールの採用で最大30%の低価格化が実現したと説明している。
Intel SSD 320シリーズは容量の異なるモデルが多数用意される。その性能は容量ごとに大きな差が出ており、最小容量である40Gバイトモデルではシーケンシャルリード200Mバイト/秒、シーケンシャルライト45Mバイト/秒であるのに対し、最大容量である600Gバイトモデルではシーケンシャルリード270Mバイト/秒、シーケンシャルライト220Mバイト/秒となる。SSDのコントローラは、複数のメモリチップを並列して読み込むことでデータの読み書きを高速化しているため、チップ数の多い大容量モデルの性能が高くなる傾向があるためだ。
SSDの性能指標の1つに、1秒間に行なわれる4KBサイズのファイルデータの読み出しと書き込みの回数を表わす「4KBランダムIO IOPS」がある。こちらも容量ごとに差がでるが、Intel SSD 320シリーズでは、容量の小さなモデルを除いてX25-Mや最新のIntel SSD 510シリーズよりも書き込みの数値で増えている。大容量モデルでは、細かなファイルの書き込み性能が大幅に向上することで、Windowsの体感的な操作性改善が期待できる。
Intel SSD 320シリーズ | |||
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容量 | シーケンシャルライト性能 | シーケンシャルリード性能 | 千個受注時の価格 |
40Gバイト | 最大200Mバイト/秒 | 最大45Mバイト/秒 | 7510円 |
80Gバイト | 最大270Mバイト/秒 | 最大90Mバイト/秒 | 1万3430円 |
120Gバイト | 最大270Mバイト/秒 | 最大130Mバイト/秒 | 1万7650円 |
160Gバイト | 最大270Mバイト/秒 | 最大165Mバイト/秒 | 2万4400円 |
300Gバイト | 最大270Mバイト/秒 | 最大205Mバイト/秒 | 4万4670円 |
600Gバイト | 最大270Mバイト/秒 | 最大220Mバイト/秒 | 9万260円 |
ケースはIntel SSD 510シリーズとは異なり、厚み調整用フレームが本体の周囲に標準で取り付けられたX25-Mシリーズとほぼ同じだ。X-25Mシリーズのボディカラーがフラットシルバーであったのに対して、Intel SSD 320シリーズはステンレス調のシルバーを採用している。内部には、本体底面のネジを外すだけでアクセスできる。今回評価で使った300Gバイトモデルでは、Intelの「29F16B08CCMEI」が両面あわせて20個実装されており、空きスペースはない。
キャッシュメモリはhynixのMobile SDRAM 512Mビットモデル「H55S5162EFR」という組み合わせだ。SSDの性能を決めるパーツの1つであるコントローラは、X25-Mと同じ「PC29AS21BA0」だった。X25-Mと同じSerial ATA 3Gbpsモデルということを考えると妥当だろう。ただ、キャッシュメモリの容量が倍に増えているため、性能向上は期待できる。
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