今回のWindows 7モデルは、評価機の都合で標準とは異なる仕様(1Gバイトメモリ、16GバイトSSD)で検証する点は改めて留意願いたいが、CPUに1.66GHz動作のAtom N455+Intel MN10 Expressチップセットの組み合わせを採用する、2010年春〜夏に登場した他社Netbook/ミニノートPCと似通う仕様となっている。プリインストールOSは標準で32ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)、直販サイトにて32ビット版のWindows 7 Professional(SP1)も選択できる。
一般的なNetbook/ミニノートPCと異なるのは、分離キーボードによりタブレット単体としても活用できる“2Wayスタイル”である点、ストレージにSSDを採用する点などだろうか。ちなみに、SSDはサンディスクのミニノートPC/組み込み機器向けSSD「SSD-P4」シリーズを採用していた。CrystalDiskMark 3.0.1で計測したシーケンシャルリード速度が140Mバイト/秒に達し、このクラスのものにしてはかなり高速な値を示している。
なお当評価機に備わる16GバイトSSDは、初期状態で残量1Gバイトほどしかなかった。これだと今後のアプリケーションインストールはおろか、アプリケーションで使用する作業ファイル分を確保するのもなかなか難しい。標準Windows 7モデルが32GバイトSSDであるのは必然的な選択だろう。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果は、メモリ容量などが標準Windows 7モデルと異なり、かつプライマリハードディスクスコアが5.9と一般的な値であるのを考慮しつつも、プロセッサスコアの2.3、グラフィックススコアの2.6などは、2011年10月現在のWindows ノートPCとしては相応に高くはない値だ。Webサイト表示やメール、Officeアプリケーションの利用、動画再生、エンターテインメントコンテンツの編集など、さまざまなコンシューマー用途に活用するとなるとやや不満が残るであろう、もっさりとした使い勝手になる。
もっとも本機については、特定業務に限定したビジネスシーンへの導入が主と思われ、ひとまずWindows 7が動作するのが重要だ。企業内ネットワークへのセキュアなネットワークアクセス手段・ソリューションが多く存在し、かつすでに運用するWindowsベースの業務アプリケーションを活用できるなど、既存のオフィスPC環境にもAndroidやiOS搭載タブレットより比較的少ない初期コストで導入できる可能性は高い。こちらは、コンシューマー向けがいまいち盛り上がらないことに対する、法人向けWindows搭載タブレットのメリットの1つだ。
Windows 7標準のバッテリープラン「バランス」に設定し、BBench 1.01(海人氏作 標準設定+IEEE802.11g接続)で測定したバッテリー実動作時間は、残量6%で約3時間11分だった。1日中モバイル環境で活用する業務となると少々心細いが、カタログ値が約3時間30分であることをふまえ、こちらは上々の結果といえる。
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