では早速、製品を使ってみよう。背面のスイッチを押して電源を入れると、aigoのロゴが映った後、メインメニュー画面になる。起動時間(スイッチを入れてからメインメニュー画面が表示されるまで)は約27秒(3回計測の平均値)だった。
メインメニュー画面は、外部接続、クラウドストレージ接続、無線LAN接続、Windowsデスクトップ画面、各種設定(照度、色温度など)の5種類の大きなアイコンが並ぶだけのシンプルなUIを採用する。操作は本体のタッチパネルに加え、USBマウスでも行える。プレミアムパッケージに付属するタッチパッド付きのワイヤレスキーボードでもOKだ。
特にワイヤレスキーボードでの操作が“PC的”だ。2.4GHz帯無線に対応し、150(幅)×58(奥行き)×11(厚さ)ミリの小型ボディに32ミリ四方のタッチパッドを内蔵する。持ちやすいサイズで、タッチパッドの操作性もよい。編集作業に必要なキーがそろっていて(唯一不満だったのはアンダーバーがないこと)、プレゼンテーションに用いるレーザーポインタ機能付きと万能な入力デバイスだ。暗所で投写しながら扱えるようにバックライトも搭載し、バッテリーが充電式というのもいい。
本体天面のタッチパッドも、製品単体で操作ができるが、タッチパッドの有効範囲が47(縦)×32(横)とやや狭く、画面を見ながら操作すると、たまにパッド部分から指が出てしまうことや、パッドを操作すると本体まで動いてしまうことが多かったのは気になった。
照度が300ルーメンあり、持ち運べる小型プロジェクターとしては、性能はまずまずだが、台形補正をする方法がないことや、製品本体の四方にあるスリットから吹き出す風の音が気になる。騒音レベルを計測したところ、51デシベルとやや大きいが(暗静音時32デシベル、製品天面から10センチの距離で計測)、小型軽量ボディで放熱をしているので仕方がないところだろう。
メインメニューから上段中央のボタンを押すと、Windows CEのデスクトップ画面に切り替わる。普段Windows PCを利用するユーザーならば、少し古くさいが見慣れた画面だ。プリインストールアプリとしてオフィススイートのSoftMaker Office 2010や、PDF、画像(JPEG、BMP、GIF、PNG)、動画(MP4、WMV、AVIなど)のビュワーを備える。
SoftMaker Officeは文書、表計算、プレゼンテーションを用意する。Office 2007までのファイルに対応(PowerPointのみ2003まで)し、閲覧と編集が行える。Officeとの互換性もあるので、PCとデータのやりとりも可能だ。アプリケーションの起動も、予想よりは早く(10秒程度)、さほど不満なく使える。
キーボードを含め、入力デバイスが小さいので大げさな編集は大変だが、ちょっとした修正や確認にはとても有用な機能である。Windowsモードのままプレゼンテーションも行えるが、ファイルサイズが大きいと(スライドに画像が数多く入っている場合など)、ボタンを押してから次のスライドに進むまでに5秒程度のラグが発生するのでやや注意が必要だ。
Webブラウジングについては、データ量の多いWebページの読み込みはやや遅く、動画再生などには向かないが、表示そのものは基本的に問題はない。検索機能などを使うには十分だ。システム構成を調べてみると、CPUはTelechips ARM11でメインメモリは128Mバイトだった。汎用PCとして使うには厳しいが、資料の修正やWebブラウジングなどプレゼンテーションで使うには必要最小限の機能を備える。用途に合わせてWindows CE向けのソフトウェアをWeb上で手に入れよう(すべてのソフトウェアが動作するわけではないので注意が必要)。
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