ThinkPad X1 Carbonは、X1シリーズとしては初めて第3世代Coreプロセッサー・ファミリーを採用した。ただ、従来のモデルは、第2世代 Coreプロセッサー・ファミリーながら、動作クロックが高いTDP 35ワットクラスのCPUを採用している一方で、ThinkPad X1 Carbonは、TDP 17ワットクラスのCPUを採用している。さらに、評価機材のようにCore i7-3667Uを搭載する構成では、システムメモリの容量が4Gバイトに限られる。データストレージとして容量256GバイトのSSDを内蔵するThinkPad X1 Carbonの処理性能はいかばかりか。
ベンチマークテストで測定した値を、2012年4月にレビューしたThinkPad X1 Hybridと比較してみると、PCMark 7、PCMark Vantageといった総合ベンチマークテストから、ストレージの性能を評価するCristralDiskMark3.0.1、そして、レンダリング性能をみるCINEBENCH R11.5とCINEBENCH R10、3D描画性能を3DMark系など、すべての結果でThinkPad X1 Carbonは優れた結果を出している。TDP 17ワットクラスのCPUであっても、第2世代Coreプロセッサー・ファミリーを搭載するシステムから、処理性能は大きく改善した。
ベンチマークテスト項目 | ThinkPad X1 Carbon | ThinkPad X1Hybrid | ||
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PCMark7 | PCMarks | 5443 | 3505 | |
lightweight | 4478 | 3447 | ||
productivity | 3825 | 2988 | ||
creativity | 10845 | 5868 | ||
entertainment | 4303 | 2632 | ||
computation | 25138 | 7896 | ||
system_storage | 5107 | 4113 | ||
PCMarkVantage | PCMarks | 13185 | 11572 | |
memories | 7832 | 6237 | ||
TV and Movies | 5337 | 4694 | ||
Gaming | 9938 | 7701 | ||
Music | 16218 | 14074 | ||
Communications | 13307 | 12749 | ||
Productivity | 18900 | 13353 | ||
HDD | 41235 | 25043 | ||
CrystalDiskMark3.0 | 1000M:Read | Seq | 434.4 | 198.1 |
512K | 219.3 | 180.3 | ||
4K | 24.41 | 17.68 | ||
4K QD32 | 303.7 | 19.73 | ||
1000M:Write | Seq | 410.5 | 184.6 | |
512K | 176 | 147.8 | ||
4K | 45.43 | 33.67 | ||
4K QD32 | 102 | 30.29 | ||
CINEBENCH R11.5 | OpenGL | 15.48 | 8.88 | |
CPU | Multi | 2.89 | 2.78 | |
CPU | Single | 1.32 | 1.21 | |
CINEBENCH R10 | CPU | Single | 5520 | 4968 |
CPU | Multi | 11388 | 10666 | |
3DMarkVantage | Entry | E12372 | E8784 | |
Professional | P3274 | P1777 | ||
3DMark06 | 3DMarks | 5464 | 3717 | |
CPU | 3623 | 3533 | ||
このように、性能に不安のないThinkPad X1 Carbonだが、3DMark 11をループ実行して、その3巡目におけるキーボード、パームレスト、そして、キーボードベゼルの特定箇所のそれぞれにおける表面温度は、左側面寄りで高くなる傾向が確認できた。特に、“F”キートップで38.8度、“Z”キートップで38.2度と高く、底面も中央から左側面側の中央部と背面寄りで40度以上(中央背面寄りで46.8度)と高い。排気口がある「“Tab”キー左脇のキーボードベゼル」では51.8度に達した。
なお、起動した状態で15分なにも操作せずにおいていたアイドル状態で測定すると、左右の温度差も小さくなり、底面側も最高で36度台に収まる。今回の表面温度測定は、高い負荷を繰り返し与えた状態なので、極端な結果となった。アイドル状態ではキーボード面も底面も不快な温度とはいえないので、実際の運用でも問題はない。ただ、いったん負荷が高くなると内部で発生する温度は、ボディの左半分にすぐ影響を与える可能性があることを留意しておく必要はあるだろう。
温度測定(机面温度は28.8度) | ||
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3DMark 11ループ実行時(3巡目) | パームレスト左 | 34.2度 |
パームレスト右 | 31.2度 | |
“F”キートップ | 38.8度 | |
“J”キートップ | 36.2度 | |
“Z”キートップ | 38.2度 | |
“?”キートップ | 32.6度 | |
“Tab”キー左脇キーボードベゼル | 51.8度 | |
“Enter”キー上段右脇キーボードベゼル | 32.8度 | |
アイドル状態 | パームレスト左 | 31.2度 |
パームレスト右 | 30.2度 | |
“F”キートップ | 33.4度 | |
“J”キートップ | 32.6度 | |
“Z”キートップ | 32.4度 | |
“?”キートップ | 31.2度 | |
“Tab”キー左脇キーボードベゼル | 34.8度 | |
“Enter”キー上段右脇キーボードベゼル | 31.8度 | |
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