海外プリペイドSIM導入マニュアル──「アラブ首長国連邦・ドバイ2012年」編「6つの想定外も楽しめる」海外定額データ通信(2/3 ページ)

» 2012年10月29日 17時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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ドバイ空港で購入したduのSIMとモデムは快適

 今回はまずduのプリペイドSIMとUSBモデムを購入してみた。

photophoto プリペイドSIM、USBモデム、200ディルハムのリチャージカードを購入。カードの登録は携帯電話かスマホからと説明を受けたが、USBモデムの接続ソフトからも登録が可能だ

 ドバイ国際空港のターミナル1に到着したのは早朝6時前。税関を抜け、出口へ進む正面にduのカウンターがある。PCデータ通信用のUSBモデムは7.2Mbps通信対応で、今回は199ディルハム(約4300円)のものしかなかったが、ポータブルルータ型などいくつかラインアップがあるようだ。これにプリペイドSIMカードの単体料金(65ディルハム/約1410円)と、希望するデータ利用分のリチャージカードをセットで購入する。今回の滞在は6日間だったがホテルのネット環境が心配だったので、念のため4Gバイトまで/30日間有効の200ディルハム(約4300円)の製品を選んだ。合計額は199+65+200で464ディルハム、日本円換算で約1万円だ。購入にはパスポートの掲示が必要で、クレジットカード支払いができる。

 さて、通常ならば購入後すぐにSIMカードをUSBモデムにセットすればすぐに利用できるのだが、duは初期登録が若干面倒だった。まずSIMカードの初期登録作業に約1時間かかるとのことで、それまで使えない。また、店員が言うには、購入した200ディルハムのリチャージカードの残高はスマートフォンか携帯電話にSIMカードを入れてそこから登録してくれとのこと(……ただこれは店員の勘違いであり、後で試したらUSBモデムの接続ソフトから残高の追加登録は可能だった)。他国のプリペイドSIM購入はそういった場合に店員が代行してくれることがあり、それならば同様にやってほしいのだが、今回はきっと忙しかったのだろう。

 というわけで、その場では仕方なく所持しているSIMロックフリースマホの「Sony Ericsson mini S51SE」で登録作業を。残高確認は「*135#」へ発信すると表示される。残高追加は「*131*[15ケタの数字]#」で行う。15ケタの数字とはリチャージカードのスクラッチ部分を削って出てくる文字列のことだ。登録作業はすぐ完了する。

photophoto 残高確認は「*135#」に発信すると画面に表示される。買った直後は10ディルハムの通話分と、51200Kバイト=50Mバイトのデータが含まれる。200ディルハムを追加すると、データ通信利用量は4096Mバイト=4Gバイトとなった

 登録作業が済んだらSIMカードを買ったUSBモデムに入れ替えてPCに差す。USBモデムのドライバやソフトウェア類は、PCに差すとインストーラが自動起動する。インストールした接続ソフトはなぜか無線LAN接続も管理できるようになっているが、3Gでのインターネット接続は画面上側の「3G」の部分のConnectボタンを押せばよい。

du プリペイドSIMカードのAPN設定
APN du
ユーザー名 (なし)
パスワード (なし)

 なお、SIMロックフリースマートフォンを所持しているなら、右記のAPN文字列を設定すれば利用可能。テザリングなど使える。

 接続ソフト「Balance & Recharge」から、残高の確認と残高の追加が可能だ。残高追加はリチャージカードの15ケタの数字を入力する。残高の確認は現在のパッケージの最大残高表示しかされないようで、つまり4Gバイト分のうち、あとどれだけ利用できるかが分からない。一応「Usage」メニューからある程度の利用量は把握できるのでこれで代用することにしよう。


photophoto 携帯電話からUSBモデムにSIMを入れ替え、PCに装着すればドライバと接続ソフトのインストールが始まる。続ソフトからはSMSの送受信、残高確認と追加、SIMの電話番号確認などができる。データ利用量の概算も「Usage」から確認可能だ

EtisalatのプリペイドSIMを買うまでひと苦労

 さて、duのネットワークは移動したドバイ市内のほぼ全域で問題なく利用可能だった。ではEtisalatはどうだろう。こちらはSIMカードのみを購入し、スマートフォンで利用することにしたが……du以上に購入、さらに使い始めも苦労した。

 ドバイ国際空港のターミナル1のカウンターでは「ここで買うとプリペイドSIMだけで80ディルハム。外に出てデューティーフリー(DFS)でリチャージカードを買えばSIMカードが無料なのでそっちのほうが安いヨ」というのだ。そこでDFSへ行くと「今はもう売っていない」とのこと。ならターミナル3のEtisalatカウンターではどうか。そちらでは「今システムダウンしていて恐らく数時間は開通できない。市内に出て買ってくれ」というものだった。なるほど、ターミナル1のカウンターでは問題があったから売りたくなかったのだろう……。まずは想定外1つめ。

photophoto こちらは翌日訪れたエミレーツモールのEtisalatとduのショップ。無料SIMを求める現地人が多く、渡航者が気軽に購入できる雰囲気はなかった。時間によっては空いているのだろうが、できれば空港で買っておきたいところだ
Etisalat プリペイドSIMカードのAPN設定
APN etisalat.ae
ユーザー名 (なし)
パスワード (なし)

 というわけで地下鉄で「デイラ・シティ・センター」へ移動。このモールには2社の店舗があるのだが、付近はものすごい人の群れ!。どうもプロモーションで現地人向けのSIMカードを無料配布しているらしく、100人近い人が店を囲んでいるのだ。これが想定外2つめ。整理券をもらい順番を待ったが、自分の番が来るまで30分。対応してくれた店員は疲れきった表情で口数も少ない。

 パスポートを提示し、40ディルハム(約867円)でプリペイドSIMカードを購入。でも、残高追加のリチャージカードは向かいの売店で買ってくれ……、登録も自分で登録してくれと……のこと。EtisalatのプリペイドSIMカードにはデータ通信で利用できる残高は含まれていない。開通作業は「*140*1#」に発信して行う。

 向かいの売店で50ディルハム分のリチャージカードを購入、こちらはレシートタイプのものだった。「*120*[リチャージカードの15ケタの数字]#」で追加チャージができる。


photophoto 購入したEtisalatのプリペイドSIMはMicro SIMと標準サイズの共通タイプ。S51SEのSIMは標準サイズなので、マイクロサイズの部分で切れてしまわないように丁寧に台紙からはずす。店員は疲れきっていたが、肝心なことは一応メモに書いて渡してくれた。初期登録は「*140*1#」に電話をかける
photo チャージ額の追加作業は、「*120*」に続けてリチャージカードの15ケタの番号+#を発信。「*121#」で残高を確認すると、無事50ディルハムが追加されていた。このあとデータプランの購入登録作業へ進むのだが……

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