LTEフルサービスで平均4175.4円/月、純正よりおトク──「@nifty do LTE」のコスパを検証(2/3 ページ)

» 2012年10月30日 17時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

12台同時接続、長時間動作が可能なモバイルルータをレンタルで提供

photo NECアクセステクニカ製のLTE対応ポータブルルータ「AtermMR01LN」

 @nifty do LTEは、LTE対応のモバイルルータ「AtermMR01LN」がレンタル機器として用意される。こちら、家庭用無線LANルータやWiMAXモバイルルータでも定評のあるNECアクセステクニカ製の機器だ。小型化の進んだ3G対応モバイルルータと比較すると若干大きめだが、片手に収まるサイズであり、携帯には不自由しない。もちろん@nifty do LTEで利用するための初期設定済みの状態で届くので、即使い始められる。

 AtermMR01LNは当然ながら@nifty do LTEで利用可能なXiとFOMAエリアの両方で利用でき、その回線を最大12台もの無線LAN機器──ノートPCやスマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機などで共有できる。無線LANはもっとも一般的な2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nをサポートするので、現時点、利用できない無線LAN機器はほぼないといえる。セキュリティ面でもWEP、WPA-PSK、WPA-PSK2サポートする。


photophoto (画面では少し見えにくいが)「接続先01」として@nifty do LTEのAPNがあらかじめ設定済みとなっている。一緒に届いたSIMカードを本体に装着し、電源を入れればすぐにインターネットに接続し、利用可能な状態になる(画面=左) 無線LANアクセスポイントとしては2つのSSIDを利用でき、新旧無線LAN機器の混在利用時に便利なSSIDごとに異なる無線セキュリティの設定も可能だ。空いている無線LANのチャンネルを選択したり、2つのSSID間での通信を遮断する“ネットワーク分離機能”などもしっかり備えている(画面=右)
photo 省電力動作機能は、移行時間(無線LAN機器からのアクセスがない時間)を1分〜30分の間で指定。この時間が経過すると、スリープ(ないしスタンバイ、電源オフ)に自動で移行する。使わない時は積極的に省電力動作機能を活用することで、実際のバッテリー動作時間をかなり延長させられるわけだ

 簡単無線LAN接続設定機能は、世界標準の「WPS」と、スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機などでもサポートされる「Atermらくらく無線スタート」の2つをサポートし、PCはもちろん、多くのスマートデバイスで容易に接続設定できるよう工夫してある。特にAtermらくらく無線スタートはWindows PCやAndroidスマートフォン/タブレット向けに自動認証用のアプリが無償提供されているので、WPSをサポートしないちょっと古めの機器でも自動認証が利用できる点はメリットの1つだ。

 バッテリーは内蔵式だ。着脱・交換はできないがその分大容量となっており、LTE接続時で連続最大6時間、3G接続時で連続最大8時間のバッテリー動作を実現する。無線LAN機器からの一定時間アクセスがなかった場合、設定した時間で自動的にスリープ(無線オフモード)あるいはスタンバイ(高速起動モード)に移行するかしこい省電力動作機能により、実質の動作時間をさらに延ばすことも可能だ(スリープは約30時間、スタンバイは約250時間の動作が可能)。

 さらに特徴的な機能が2つある。

 1つ目は「公衆無線LANサービス共有機能」。こちらは、@nifty do LTEのLTEと3G回線に加え、街の公衆無線LAN回線も1台で、1つのIDで使い分けられる便利機能である。公衆無線LANサービスのうち、「HOTSPOT(※2012年11月にOCN ホットスポットへ一本化)」と「BBモバイルポイント」はサービスエリア内に入れば自動認証もしてくれる。

 こちら、サービスエリアが広い@nifty do LTEにおいて“エリア補完”のために公衆無線LANサービスを利用する必要性はあまりないかもしれないが、バックボーンに固定インターネット網を用いる公衆無線LANサービスであれば、“速度面”でメリットを享受できることがある。


photophoto 公衆無線LANは最大5つのサービスを登録が可能で優先順位の設定もできる。自動認証をサポートする「HOTSPOT」「BBモバイルポイント」ではユーザーアカウントの設定だけで利用が可能で、SSIDや暗号キーの設定なども不要だ。もちろん公衆無線LANだけでなく自宅の無線LANなどを登録して利用することもできる

 2つめは「USBモバイルバッテリーとしても利用できる」点だ。USB充電対応のスマートフォンやポータブル機器を接続すると、その機器を充電・給電できてしまう。もちろん機器の充電に使用すると相応に本体のバッテリー動作時間も短くなるが、普段はルータとして、時には緊急用バッテリーとして多目的に使えるのがとても便利である。

photophoto スマートフォンなど、USB充電対応機機用のUSBモバイルバッテリーとしても機能する

photo PINGコマンドで応答速度を確認。平均速度は50msと非常に良好なレスポンスだった

 通信速度の参考値として、利用者が特に多いと想定される平日20時、東京都・JR山手線某ターミナル駅前で下り10Mbps前後は普通に記録した。@nifty do LTEは開始間もない新サービスだが、NTTドコモのXiネットワーク自体はすでに多くのユーザーが利用していることを考慮しつつ、下り二ケタMbpsが出るならばモバイル利用では大変サクサクと快適に利用できることを示すといえる。

 特にWebサイト表示までのレスポンスが良好。PINGコマンドで応答速度を確認すると、平均50ms前後、LTEサービスならではの極めて高速はレスポンスが得られた。こちらは、ドコモのLTEネットワークからISPとなる@nifty間のネットワークも高速なことのあかしと言える。


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