日本マイクロソフトは6月2日、12型Windowsタブレット「Surface Pro 3」の国内モデルを発表した。米国とカナダでは先行して6月20日に発売されるが、日本では2014年7月17日に発売となる(個人向けのCore i3搭載エントリーモデルは8月の発売予定)。
価格は個人向けモデルが9万1800円から、法人向けモデルが10万800円から(いずれも税別)。個人向けは6月3日午前0時、法人向けは6月9日より受注を開始する。個人向けモデルにはオフィススイートの「Office Home and Business 2013」(Word/Excel/PowerPoint/OneNote/Outlookのいずれも商用利用可能)と、手書きノートアプリ「Note Anytime for Surface」が付属する一方、法人向けモデルはOfficeが別売だ。
| 「Surface Pro 3」の製品ラインアップ(個人向け) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 製品名 | CPU | メモリ容量 | ストレージ容量 | 価格(税別) | 発売日 |
| Surface Pro 3 | Core i3 | 4Gバイト | 64Gバイト | 9万1800円 | 2014年8月予定 |
| Core i5 | 4Gバイト | 128Gバイト | 11万1800円 | 2014年7月17日 | |
| Core i5 | 8Gバイト | 256Gバイト | 13万9800円 | 2014年7月17日 | |
| Core i7 | 8Gバイト | 256Gバイト | 16万4800円 | 2014年7月17日 | |
| Core i7 | 8Gバイト | 512Gバイト | 20万2800円 | 2014年7月17日 | |
| 「Surface Pro 3」の製品ラインアップ(法人向け) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 製品名 | CPU | メモリ容量 | ストレージ容量 | 価格(税別) | 発売日 |
| Surface Pro 3 | Core i5 | 4Gバイト | 128Gバイト | 10万800円 | 2014年7月17日 |
| Core i5 | 8Gバイト | 256Gバイト | 12万8800円 | 2014年7月17日 | |
| Core i7 | 8Gバイト | 256Gバイト | 15万3800円 | 2014年7月17日 | |
| Core i7 | 8Gバイト | 512Gバイト | 19万1800円 | 2014年7月17日 | |
| 法人向けモデルはOfficeが別売 | |||||
Surface Pro 3は、既存のタブレット製品に対するフィードバックをもとに、タブレットとノートPCを1台で完結できること、紙のノートを代替することを目指し、画面のサイズと縦横比から設計を見直している。
前モデルの「Surface Pro 2」は画面サイズが10.6型ワイド(アスペクト比16:9)だったが、Surface Pro 3は画面サイズを12型ワイド(3:2)に大きくしながら、厚さ9.1ミリ、重さ約800グラムの薄型軽量を実現しているのが特徴だ。Surface Pro 2は13.5ミリ厚、約907グラムだったため、4.4ミリ薄くなり、107グラム軽くなっている。本体サイズは201.3(幅)×292(高さ)×9.1(奥行き)ミリ。ボディの素材はマグネシウム合金を採用する。
背面に装備したキックスタンドは、Surface Pro 2で2段階(24度/40度)にチルト角度を調整できたが、Surface Pro 3では画面を立てた状態から150度まで柔軟な角度調整に対応する「マルチポジション」仕様となった。

発表会で日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、「ちょっとふざけた言い方になるが、ヤバイ、すごいデバイス」と、Surface Pro 3のインパクトを表現し、「タブレットよりPCの重さに近く、厚さも気になるなど、Surface Pro 2の問題はすべてクリアできた。タブレットの薄さ、軽さを備えたフル機能のPCが誕生した」とアピール(写真=左)。「タブレット市場への参入は遅れたが、IDCの調査では(Surfaceシリーズを含む)7〜11.6型のWindowsタブレットが伸びており、2013年第1四半期は10.1%だったのが、2014年第1四半期は30.5%のシェアを獲得できた」と、Windowsタブレット全体の成長についても言及した
ノートPC(ラップトップ)を置き換えるSurface Pro 3は、タイプカバー、Surface Pen、ACアダプタ、そしてリンゴを足しても、13インチMacBook Proより軽いと、てんびんを使って強調(重さの比較対象として、MacBook Proが適切かどうかは意見が分かれるところだ)液晶ディスプレイは1920×1080ドット表示の10.6型ワイド(16:9)から、2160×1440ピクセル表示の12型ワイド(3:2)に進化し、画面サイズと解像度を高めた。画素密度も約208ppiから約216ppiに向上している。12型で3:2の画面は、紙のノートのサイズに近いため、Surface Pro 2が採用していた10.6型で16:9の画面に比べて、紙の代替となるデジタルノート用途に適しているという。
液晶ディスプレイは従来同様、指でのマルチタッチに対応するほか、筆圧対応のデジタイザスタイラス「Surface Pen」によるペン入力も行える。Surface Penは新デザインのアルミニウム製ペンを採用し、従来の樹脂製ペンより質感や持ちやすさを向上した。筆圧検知のレベルは1024段階から256段階にダウンしたが、感度を高め、ペン先と画面表示の視差を低減している。Surface Penを駆動させる単6電池1つとボタン型電池(319型)が2つ付属する。ペンを1回ノックするとOneNoteが起動し、2回ノックで画面キャプチャが行えるなど、デジタルノートとしての使い勝手にも配慮した。

Microsoftジェネラルマネージャー Surface & Windows Harware セールス&マーケティング担当のブライアン・ホール氏は、Surface Pro 3の特徴を一通り解説。紙のノートに近いアスペクト比3:2の新しい液晶ディスプレイと、新型のSurface Penによるデジタルノート用途での進化を紹介している様子(写真=左)。アドビシステムズ クリエイティブソリューション第1部 デジタルイメージング製品担当 グループリーダーの栃谷宗央氏がゲストとして登壇し、Microsoftと共同開発しているというSurface Pro 3に最適化したPhotoshop CCの開発版でペン入力のデモを行った(写真=右)。開発版ということで、うまく動作しない場面も見られたが、完成版はペンと手のタッチ操作で直感的に扱えるとのこと
日本マイクロソフト業務執行役員 Windows本部 本部長 藤本恭史氏は、Office Home and Business 2013とNote Anytime for Surfaceのデモを行った。WordなどOfficeアプリでは、ペンを近づけると、自動的にインクモードになり、手のタッチ操作と区別される(写真=左)。OneNoteには、子ども向けに漢字の書き取り練習用テンプレートも用意している(写真=右)CPUは第4世代CoreのCore i3/i5/i7を採用(TPM 2.0対応)。米国版のファクトシートによると、Core i5はCore i5-4300U(1.6GHz/最大2.9GHz)を搭載する。グラフィックス機能は、CPUに統合されたIntel HD Graphics 4400だ。薄型軽量ボディに第4世代Coreを搭載するため、30%効率化したファンの冷却機構を新開発した。
メモリは4Gバイトもしくは8Gバイト(LPDDR3/デュアルチャンネル)で拡張不可。ストレージは64G/128G/256G/512Gバイトから選択可能だ。OSは64ビット版のWindows 8.1 Pro Updateをプリインストールしている。

薄型ボディにCore i3/i5/i7を搭載するため、30%効率化した冷却機構を採用(写真=左)。本体の側面に目立たないようスリットが設けられており、新開発のファンを使って内蔵デバイス全体に空気が効率よく流れるよう工夫したという(写真=右)通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/acの無線LAN、Bluetooth 4.0を内蔵。側面にはmicroSDメモリーカードスロット、フルサイズのUSB 3.0、Mini DisplayPort出力、カバーポート、ACアダプタ接続用のDC入力、音声入出力を搭載する。
また、500万画素で1080p動画撮影に対応したカメラ2基(イン/アウト)、前面ステレオスピーカー(Dolby ステレオ)、2基のマイクを装備。加速度、ジャイロ、電子コンパス、照度の各種センサーも備えている。
バッテリー駆動時間は従来から10%延長し、Webブラウズ時の公称値で約9時間としている(日本で販売されるPCが採用するJEITA測定法のバッテリー駆動時間ではない)。製品には36ワットACアダプタが付属する。
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