「ハイエンドノートでもインテルと戦える」――AMDがモバイル版「AMD FX」を展開COMPUTEX TAIPEI 2014(1/2 ページ)

» 2014年06月06日 22時00分 公開
[本間文,ITmedia]

モバイル版Kaveriを投入――モバイル向けCore i7と“戦える”性能をアピール

 AMDは、COMPUTEX TAIPEI 2014において記者発表会を開催し、モバイル市場向けに最適化したAPU“Kaveri”(カヴェリ:開発コード名)を、新しいモバイル版「AMD A」シリーズとして市場投入するだけでなく、同社初となるモバイル版「AMD FX」シリーズや、ビジネス市場向けの「AMD PRO」シリーズとしても展開することを明らかにした。

 Kaveriは、GLOBAL FOUNDRIESの28ナノメートルSHPプロセスを採用し、x86 CPUコアを2基収めるSteamrollerモジュールを2つ搭載することでクアッドコアCPU構成をとる。GPUにはRadeon R9 290Xと同じGCN(Graphics Core Next)アーキテクチャを採用し、64基のRadeonコアを1クラスタとしたCU(Compute Unit)を8基搭載。また、オーディオDSP機能「AMD TrueAudio」もサポートされる。

 さらに、KaveriはHSA(Heterogeneous System Architecture)をハードウェアレベルでサポートした初のAPUでもあり、CPUとGPUが同じメモリアドレス空間を共有できるようにすることで、データ移動などのボトルネックを排し、よりシームレスな連係が取れるようになるのも特徴だ。

COMPUTEX TAIPEI 2014で記者会見を行うAMD

 同社でモバイルAPU製品を担当するケヴィン・レンシング氏(Kevin Lensing、Senior Director, Mobiility Solutions, Client Business Unit)は、「モバイル版Kaveriは、アーキテクチャや半導体的にはデスクトップ版と変わりはなく、動作周波数やCPUコア数、GPUコア数などの構成をモバイル向けに最適化したものになる」と説明する。

AMD PRO APUを搭載したHPのビジネス市場向けノートPC「ProBook 445 G2」を披露するケヴィン・レンシング氏

 ただし、モバイル版Kaveriでは、これまで同社が競合製品とし得なかったIntelのモバイル版Core i7と対抗できるパフォーマンスを実現したことで、モバイルAPUのフラグシップモデルに「AMD FX」のブランドを採用することを決定したのだと語る。また、新たに追加するビジネス市場向けAPUの「AMD PRO」シリーズは、最低でも2年間の長期供給をコミットするとともに、PCベンダーの設計ごとに最適化したドライバやBIOSを提供し、動作の安定化を図る考えだ。

 レンシング氏は、初のHSA対応APUとなるKaveriでは、Photoshop CCやAMD JPEG Decoderによるパフォーマンス向上が図られるとアピール。特にAMD FXシリーズでは、これまで同社がターゲットとしてこなかった、Intel Core i7搭載機などのハイエンドノートPC市場でも戦えるパフォーマンスを実現したと強調する。

 また、AMD PROシリーズでは、IntelのvPro製品のような独自のセキュリティ機能拡張などは持たず、オープンスタンダードな技術のみでビジネス市場向けのノートPCを開発することで、一般市場向け製品との設計共有や、新しい技術の採用などにも柔軟に対応できるという見方を示した。

モバイル版Kaveriの特徴。アーキテクチャや半導体設計はデスクトップ版と同じだ

初のHSA対応APUとなるKaveriでは、Photoshop CCやAMD JPEG Decoderによるパフォーマンス向上が図られるとアピール

バッテリー駆動時間も、従来製品に比べて向上している(画面=左)。KaveriコアのAMD Aシリーズのパフォーマンス比較(画面=右)

AMD FXブランドを、モバイル向けにも展開(画面=左)。モバイル版AMD FXのパフォーマンスはIntel Core i7を凌駕するとアピール(画面=右)

モバイル版Kaveriのセグメント別パフォーマンス比較(画面=左)。ビジネス市場向けにAMD PROシリーズを展開することも明らかに(画面=右)

ビジネス市場向けプロセッサのパフォーマンス比較(画面=左)。KaveriベースのモバイルAPUの基本仕様(画面=右)

 発表会場には、AMD A4-6210を採用した東芝の「L50」や、AMD A6-6310を搭載したDELLのChrombook「Inspiron 3541」、AMD A6 PRO-7050Bを採用したHPの「ProBook 445 G2」など、Kaveriを採用したノートPCが展示されたほか、東芝の4K(3840×2160ピクセル)対応ノートPC「Sattellite P50t」では、グラフィックスにAMD Radeon R9 M265Xが採用されたことも明らかにされた。

AMD A4-6210を採用した東芝の「L50」(写真=左)。東芝の「L50」の左側面(写真=右)

東芝L50の右側面(写真=左)。AMD A6-6310を搭載したDELLのChrombook「Inspiron 3541」(写真=右)

ASUSTek Computerも、AMD E1-6010を搭載した「X550WA」を市場投入する予定だという

ASUS X550WAの側面

Acerの「Aspire E5-421」は、APUにAMD E1-6010を採用

AMD A6 PRO-7050Bを採用したHPの「ProBook 445 G2」(写真=左)。AMD A10-7350Bを採用したHPの「EliteBook 825 G2」(写真=右)

東芝の4K対応ノートPC「Sattellite P50t」では、グラフィックスにAMD Radeon R9 M265Xが採用された

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月10日 更新
  1. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  2. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  3. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  4. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  5. Apple Siliconはなぜ「オンデバイスAI」に強いのか? NVIDIA「RTX Spark」との比較で読み解くシリコン設計の哲学 (2026年06月08日)
  6. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  7. 高騰中のSSD、品薄のHDD──けれど“最終処分”のニーズは変わらず (2026年06月06日)
  8. 新GPU「RX 9070 GRE」搭載カード発売! 既存上位モデル「RX 9070 XT」との価格差に悩む声も (2026年06月08日)
  9. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  10. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー