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AMDがサーバ/HPC向けの「第6世代EPYC」「Instinct MI400」を発表 搭載製品は順次市場投入

» 2026年07月24日 14時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 AMDは7月23日(米国太平洋夏時間)、自社イベント「Advancing AI 2026」においてサーバ/HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)向けのCPU「第6世代EPYC」とGPU「Instinct MI400」を発表した。この記事では両製品の概要をお伝えする。

第6世代EPYC(EPYC 9006シリーズ)

 第6世代EPYC(EPYC 9006シリーズ)は「Venice(ベニス)」というコード名で開発が開発が進められてきたCPUで、2024年後半から展開してきた第5世代(EPYC 9005シリーズ)から約2年ぶりの刷新となる。出荷は早いもので2026年第4四半期(10〜12月)、遅いもので2027年後半(7〜12月)と幅が広くなっている。

進化 今までのEPYCの世代をまとめた資料。EPYC 9005シリーズを始めとする第5世代製品は「AIへの最適化」をうたうTurin(開発コード名)を採用していた

 CPUコアは最新の「Zen 6アーキテクチャ」で、フルスペックの「Zen 6コア」とコンパクト化した「Zen 6cコア」を用途に合わせて使い分けている。Zen 6コア採用製品は最大で96コア192スレッド、Zen 6cコア採用製品は最大で256コア512スレッド構成を取る。

 L3キャッシュは、AMD独自の積層技術「3D V-Cache」を適用することで最大1152MBまで搭載できる。メモリバスはEPYC 9006 LPシリーズはLPDDR5X規格(SOCAMM2対応)を最大24チャンネル、他のシリーズはDDR5-8000規格(MRDIMM利用時はDDR5-12800相当)を最大16チャンネル用意している。

 本シリーズはAIデータセンター向けの「EPYC 9006 SP7」、汎用(はんよう)性を求められるデータセンター向けの「EPYC 9006 SP8」、HPC向けの「EPYC 9006X SP7」、電力効率を重視した「EPYC 9006 LP」の大きく4種類に分類される。分類の「SP7」「SP8」はCPUソケットを指すとのことだが、現時点では両者の違いに関する説明はない。

大きく4種類 EPYC 9006シリーズは、用途やCPUソケットの形状によって大きく4種類に分かれるが、それぞれのラインアップについては現時点で言及がない
概要 EPYC 9006シリーズのスペック的特徴
特徴 各シリーズの特徴。LPのみ“省電力性重視”でLPDDR5Xメモリを使うことが目を引く

 そのパフォーマンスだが、「NVIDIA Vera」を使う汎用CPUサーバ比で最大3.3倍の処理能力を発揮し(※1)、「Xeon 6960P」を使うGPUサーバ(ホストノード)比で1秒当たりのトークン処理数が最大1.8倍(※2)、「Arm AGI」を使うGPUサーバ(サンドボックス)比で消費電力当たり最大2.8倍のエージェントを稼働できる(※3)という。

(※1)NVIDIA Vera(88コア)×2プロセッサ構成と、EPYC 9996(256コア)×2プロセッサ構成を比較
(※2)Xeon 6960PとEPYC 9686Fを比較(EPYC 9686Fのコア数の記載はない)
(※3)EPYC 9956(TDP 400W)、EPYC 9965(TDP 500W)、NVIDIA Vera(TDP 450W)、Arm AGI(TDP 300W)、Xeon 6980P(TDP 500W)で比較(マルチスレッド対応CPUは有効にした状態で計測)

競合 競合CPUと比べてパフォーマンスに優れることをアピール
社内 AMD内部の比較でも、初代EPYCと比べて最大18倍の処理スループットの改善を図れている
CPUサーバ 1000台のXeon Gold 6258R搭載2プロセッサCPUサーバは、82台のEPYC 9996の2プロセッサCPUサーバと同性能だということを示した図

Instinct MI400シリーズ

 Instinct MI400シリーズは、AI処理やHPC向けに特化したGPUで、現行の「Instinct MI350」シリーズの次世代製品という位置付けとなる。コアは2nmプロセスの「CDNA 5」アーキテクチャで、HBM4メモリをサポートすることでよりスループット(実効処理速度)を向上したことが特徴だ。ベースモデルの「Instinct MI430X」と、上位モデルでAI特化型の「Instinct MI455X」の2製品が展開される。

Instinct MI455X Instinct MI455Xは、現行の「Instinct MI355X」と比べてメモリ容量は最大1.5倍、メモリ帯域幅は最大2.9倍となり、ピーク時のMXFP4/MXFP8の演算性能が最大4倍となる
処理スループットとコスト 処理スループットが向上することで、トークン当たりのコストも大きく削減できる

Instinct MI455X搭載の「AMD Helios」も生産開始

 今回、Instinct MI455Xを最大72基搭載できるラックマウントシステム「AMD Helios」が生産体制に入ったことも発表された。Heliosには96コア構成のEPYC 9006 SP7(具体的な品名は不明)が搭載されており、CPUとGPUの接続にはPCI Express 6.0バスが使われている。

 中身をよく見てみると、ラックマウントには最大18台のサーバ(コンピュートトレイ)が搭載可能で、1台のサーバには1基のEPYC 9006 SP7に対して、4基のInstinct MI455Xが搭載されている。ラックマウントに格納したサーバはファブリック(UALoE)で接続する構造で、必要な処理パフォーマンスに応じて台数を増減できる。さらにパフォーマンスが必要な場合、Helios同士をファブリックで接続することも可能だ。

概要 AMD Heliosの概要
概要 NVIDIA Vera Rubin(NVL72)と比べても「最も高パフォーマンスなラックスケールAIインフラソリューション」だという
導入 Heliosは5社のAIインフラ事業者で導入される他、主要サーバ/ネットワークベンダーなどを通して販売される

2028年には「Instinct MI600」も登場へ

 AMDでは、2027年内に「InstinctMI 500」シリーズの投入を予定している。同シリーズは「次世代HBM(超広帯域メモリ)」と「銅と光学のインターコネクト」を採用することが大きな特徴だ。

 そして同社は2028年内に「Instinct MI600」シリーズの投入を表明した。ただし、こちらは「開発中」とのことで特徴の紹介はない。

ロードマップ ロードマップに「Instinct MI600」が登場したが、どういう特徴があるのかは不明だ

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