9月19日に販売解禁となったGeForce GTX 980/970搭載グラフィックスカードは、ラインアップを拡充しつつ順調な売れ行きを持続している。先週にはELSAの「GeForce GTX 970 S.A.C 4GB」(5万6000円前後)やASUSTeKの「STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5」(5万円弱)など、オリジナルクーラーモデルの登場がワンテンポ遅れることが多いメーカーの製品も出回るようになり、主要な顔ぶれは一通り選べるようになった。
2GPUの好調な理由を、TSUKUMO eX.は「旧世代と比べて消費電力が圧倒的に低く、性能も進化している。そのうえでまずまず安いというところ。消費電力の低さはクロックアップの余地にも置き換わるので、オーバークロックモデルで性能がグンと上がるという魅力も売り上げに貢献していると思います」と分析する。GeForce GTX 980/970標準モデルのTDPは165ワットと145ワットで、どちらも旧世代のGTX 780/770と比べて85ワットも低い。
実際、消費電力の低さから、「GTX 970を2枚購入する人はすでにいらっしゃいます。ただ、電源ユニットの売れ行きは据え置き状態です。手持ちの電源ユニットのまま、グラフィックスカードを強化する流れがすでに起きているのかもしれません」(某ショップ)といった声もある。
この好調ぶりから「今年はGeForceの圧勝でしょう」との声も聞かれるが、ライバルのRadeon陣営の売れ行きはそこまで大きな影響はないと予想する声もある。
パソコンショップ・アークは「RadeonはRadeonで演算処理やテクスチャに強いといった特徴があって、今回のGeForceと強みが丸被りしているわけではないので、すみ分けは崩れないと思いますね。GTX 980/970は従来のGeForceからの乗り換えという動きが多いのかなと思います」と語る。
なお、Radeon系では、R9 290Xを2基搭載したASUSTeKの水冷ヘッドつき限定カード「ROG ARESIII-8GD5」が登場している。価格は23万円前後だ。「導入には水冷システムが必須で、8ピンの補助電源を3基挿して安定供給できる電源ユニットも求められます。おいそれと購入できるものではないですが、注目している人はいると思いますよ」(同)とのことだ。
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