先週は複数のメーカーから超小型ベアボーンの新作が売り出された。ASUSTeKからはCeleron 2957Uを搭載した「VivoPC VM42」が登場。190(幅)×190(奥行き)×56.2(高さ)ミリ)のボディに、3.5インチドライブ1台、または2.5インチドライブ2台が搭載できるモデルで、価格は2万6000円弱となる。
Shuttleの新製品は4K映像出力に対応したH97チップセット搭載モデル「XPC XH97V」。TDP 65ワット以下のHaswellやHaswell Refreshが搭載できるモデルで、5インチスリムドライブと3.5インチドライブを各1台、2.5インチドライブを2台載せられる。ボディサイズは200(幅)×240(奥行き)×72(高さ)ミリ。価格は同じく2万6000円弱だ。
いずれも複数のドライブが載せられる値頃なモデルでショップの評価もまずまず高いだが、その半面、ヒットを期待する声はあまり多くなかった。ある店員さんは「今あるモデルのなかでもそれなりに存在感があると思いますが、価格的にはそこまで売れる状況ではないかなと」と語る。
ベアボーン回りで多く指摘されるのは二極化の動きだ。BUY MORE秋葉原本店は「ベアボーンといえば今は超小型タイプが目立っていますが、最初に脚光を浴びた2年前に買っていったのはマニア層でした。研究目的なりサーバ目的なり、割り切った使い方を想定した人が大半だったんですよ。その人気が1年前には一般層に一気に広がって、普通にメインマシンとして使えるモデルがヒットしました。そして、一般層の需要がある程度満たされた2014年は、よりライトな層の方に注目されている印象です。一方で、個性が尖ったモデルに関心を寄せるコア層もいて、真ん中が売れなくて、すごく安いか高価で尖っているモデルが売れるという状況になっているんです」と説明する。
確かに、今年ヒットしたベアボーンといえば、超低価格なECS「LIVA」が真っ先に浮かぶ。1万円台後半であとはOSのみ買い足せば使えるというコストパフォーマンスの高さが注目された。同店は「あそこまで性能を割り切るとメインマシンというのは厳しいでしょうけど、いずれにしろトータルで5万円に収まるようなモデルならしっかり需要があると思います。今は売れ筋にマッチするモデルが少ないのがネックなんですよね」という。
超小型ベアボーンの売り場で品定めしているユーザーは現在も少なくないそうだ。根強い潜在需要からどんなトレンドが生まれるか、今後に注目したい。
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