ボディのサイズは、約130(幅)×216(高さ)×8.95(奥行き)ミリだ。メジャーな7〜8型クラスのタブレットの大きさと重さの比較は別表にまとめた。強調できるほどではないが、iPad miniやWindows系で主流の8型タブレットよりは幅が狭い。数ミリの差ではあるが、片手で持てるギリギリのところなので、持ってみると少しスッキリ感じる。
重量は公称値で約338グラム、実測では343グラムだった。公称値はWi-FiとLTEモデルで分けて重量が記載されていないが、評価機はLTEモデルのぶんだけ若干重いのかもしれない。いずれにしても8型クラスのタブレットとしては標準的な重さと言える。
主な7〜8型タブレットのサイズ比較 | ||||||
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製品名 | OS | ディスプレイ | 表示画素数 | 画素密度 | 幅×高さ×奥行き | 重量(Wi-Fi/Cellurar) |
Venue 8(3000シリーズ) | Android | 8型 | 1920×1200ピクセル | 約283ppi | 約130×216×8.95ミリ | 約338グラム |
MeMO Pad 8(AST21) | Android | 8型 | 1920×1200ピクセル | 約283ppi | 213×213×7.7ミリ | 約301グラム |
Xperia Tablet Z3 Compact | Android | 8.0型 | 1920×1200ピクセル | 約283ppi | 約123.6×213×6.4ミリ | 約270グラム |
iPad mini 3 | iOS | 7.9型 | 2048×1536ピクセル | 約324ppi | 約134.7×200×7.5ミリ | 約331グラム/約341グラム |
iPad mini 2 | iOS | 7.9型 | 2048×1536ピクセル | 約324ppi | 約134.7×200×7.5ミリ | 約331グラム/約341グラム |
iPad mini | iOS | 7.9型 | 1024×768ピクセル | 約162ppi | 約134.7×200×7.2ミリ | 約331グラム/約341グラム |
Nexus 7(2013) | Android | 7型 | 1920×1200ピクセル | 約323ppi | 約114×200×8.6ミリ | 約308グラム/約312グラム |
Nexus 7(2012) | Android | 7型 | 1280×800ピクセル | 約216ppi | 約120×198.5×10.45ミリ | 約340グラム/約347グラム |
ThinkPad 8 | Windows | 8.3型 | 1920×1200ピクセル | 約273ppi | 約132×224×8.8ミリ | 約430グラム |
Miix 2 8 | Windows | 8型 | 1280×800ピクセル | 約189ppi | 約131.8×215.6×8.35ミリ | 約350グラム |
Venue 8 Pro | Windows | 8型 | 1280×800ピクセル | 約188ppi | 約130×216×8.9ミリ | 約395グラム |
ボディカラーはブラックとレッドの2色が用意されている(Wi-Fiモデルはブラックのみ)。評価機はレッドだが、メタリックの入った落ち着いたレッドで、派手過ぎずも地味過ぎない存在感のある色となっている。
背面は「DELL」ロゴの同心円状に溝を彫ったシンプルながらインパクトのあるデザインが秀逸だ。表面は汚れが付きにくい仕上げとなっており、滑りにくく、ベトつかず、実際に触った印象もよい。microSDXCメモリーカードスロットと隣にあるSIMカードスロットにはカバーが用意されているが、こちらも精度が高くピッタリ収まる。
内蔵バッテリーの容量は17.29ワットアワー(4550mAh)だ。具体的なバッテリー駆動時間は公表されていないが、デルによれば「Wi-Fiで終日利用できる」という長時間の駆動をうたっている。
付属のACアダプタは42(幅)×43(奥行き)×28(高さ)ミリ、重量は約45グラムだ。プラグは収納できない仕様だが、小型軽量でタブレット本体とともに持ち運びやすい。電力仕様は5ボルト/2アンペアで、USBケーブルを接続して利用する。
各種ベンチマークテストのスコアを見てみよう。7型Androidタブレットの定番モデル「Nexus 7(2013)」と比べた場合、Quadrant Professional Editionの総合スコアで約250%、AnTuTu Benchmarkの総合スコアで約160%と高いスコアが出た。高性能な8型Androidタブレット「Xperia Tablet Z3 Compact」と比べても、Quadrant Professional Editionの総合スコアで約70%、3DMark/IceStorm Unlimitedで約79%に相当する結果を出しており、低価格モデルとしては健闘している。
しかし、JavaScriptテストのOctane V2.0では途中でChromeブラウザが終了してしまい、テストが実行できなかった。1Gバイトと最低限のメモリ容量が起因していると思われるが、Chromeについては通常のWebブラウズでも画像の多いページで遅延が激しかったり、強制終了したりと、相性が悪いようだ(Venue 8では別のWebブラウザも搭載している)。また、GFXBenchの高レベルテストもメモリ不足で実行できなかった。
Venue 8(3000シリーズ)の各種ベンチマークテスト結果 | |
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Quadrant Professional Edition 2.1.1 | |
TOTAL | 14032 |
CPU | 44990 |
Memory | 14715 |
I/O | 7785 |
2D | 333 |
3D | 2338 |
AnTuTu Benchmark 5.1 | |
Score | 32155 |
UX/マルチタスク | 5166 |
UX/Dalvik | 2667 |
RAM/ RAM演算能力 | 1546 |
RAM/RAM速度 | 2692 |
CPU(multi-thread)/整数演算 | 1829 |
CPU(multi-thread)/浮動小数点演算 | 2100 |
CPU(single thread)/整数演算 | 1362 |
CPU(single thread)/浮動小数点演算 | 2063 |
GPU/2Dグラフィックス | 1652 |
GPU/3Dグラフィックス | 9094 |
IO/Storage I/O | 1339 |
IO/Database I/O | 645 |
3DMark(Ice Storm Unlimited) | |
Ice Storm Score | 14286 |
Graphics Score | 15991 |
Physics Score | 10403 |
Basemark X 1.1 | |
High | −(エラー) |
Medium | 15065 |
GFXBench(低レベルテスト) | |
算術論理装置 | 1806 |
1080p算術論理装置オフスクリーン | 4673 |
アルファブレンド | 3811 |
1080pアルファブレンドオフスクリーン | 3870 |
ドライバーオーバーヘッド | 911 |
1080pドライバーオーバーヘッドオフスクリーン | 1828 |
フィル | 3215 |
1080pフィルオフスクリーン | 3299 |
※高レベルテスト、特殊テストはメモリ不足で実行できず |
実際の使用感においても、メモリ容量(1Gバイト)の影響は感じられる。ディスプレイの解像度が高いぶん余裕がないようで、ゲームなどはメモリ不足で実行できなかったり、途中で強制終了することもある。描画負荷にかかわらず、ゲームやそれに匹敵するようなメモリを要求するアプリの常用は厳しい。これにより、SIMロックフリーLTEでいつでもどこでもフル活用したいといったユーザーには、力不足を感じることもあるだろう。
OS操作のレスポンスは、平時は問題ない。ただし、バックグラウンドタスクなどの影響か不意に反応が遅延するような場面がときどきあり、最近の高性能なAndroidスマートフォン/タブレットのような感覚で使っていくとストレスがたまる場面も出てくる。自動同期の設定を制限したり、タスクマネージャアプリやメモリ解放アプリなどを使って、こまめにメモリの余裕を確保する工夫をしたほうがよいだろう。
バッテリー駆動時間のテストは、液晶ディスプレイの輝度を約半分に設定し、1080p動画ファイルをリピート再生させたところ、約8時間経過した時点で残量表示は6%だった。8型タブレットとしては十分な駆動時間だろう。
発熱に関しては、裏面中央付近が少しじんわりとする程度で、気になるような発熱はなかった。通常はシステムに高負荷をかけ続けて温度の上昇を計測するのだが、Venue 8では高負荷をかけ続けるとアプリが落ちることが多く、各部の温度比較は割愛した。
※輝度50%固定、無線LAN接続、Bluetoothオン、音量50%で、MPEG-4 AVC/H.264(Baseline Profile)形式の1080p動画ファイルをリピート再生。満充電の状態からバッテリー残量が残量6%になるまでの時間を計測
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