10月末から続く急激な円相場の動きはPCパーツの値段に大きな影響を与えている。先週から複数のショップでHDDとメモリ、CPU、SSDの一部が値上がりしており、今週はこの動きが本格化するとみられている。
某ショップは「先週の仕入れ値ですら1ドル112円くらいの水準に上がっていましたが、今週は115〜116円になりそうですからね。円安自体はここ2年の動きなので、我々ショップ側もメーカー代理店側もある程度は対応できるように準備していますが、今回ほど一気に安くなると吸収しきれませんよ」と述べる。
先週の段階で「4TバイトHDDには一週間で1000円上がったものもあります」(TSUKUMO eX.)といった声を聞いたが、同程度に上がるパーツがこれから多数出てくるのは確実な状況だ。
PCパーツのほとんどは輸入品のため円安になると仕入れ値が上がる。小幅の変動なら国内の販売代理店やPCパーツショップの在庫調整で吸収できるが、今回のように1週間で5円を超える大幅な動きがあると販売価格に反映せざるを得なくなる。特にPCパーツショップが密集するアキバは、他店の値上げが周辺に波及しやすい特殊な事情もある。「他店が値上げした状態でウチだけ踏みとどまっているとあっという間に在庫がなくなるので、結果として歩調を合わせることになるんです」(某ショップ)。
そして、今回の値上がりの動きは年末ごろまで続くとの見立てが多い。TSUKUMO eX.は「為替の動きが一時的なものでないですしね。すでに代理店レベルでボード類の値上げの打診も届いていますし、あらゆるジャンルのパーツに影響が出るんじゃないかと思います」と予想していた。
パソコンSHOPアークは「場合によっては2013年初頭に近い影響が出るかもしれません。ここ最近は街全体で円安慣れして混乱は起きていませんが、さすがに今回は影響が大きいでしょう」と語る。
そうした事情を熟知している常連はすでに先週から駆け込みで買い物している。BUY MORE秋葉原本店は「大容量HDDやCPUなどは年末までに買う予定のものを先に調達するという方がみられますね。メモリは元々年末に上がる傾向があるので、そこまで大きな変化はありませんが」と話していた。今後については「早めに買うのが得策」という。同様のコメントは質問したすべてのショップで聞いた。
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