“6万円台”で手に入る13.3型ノート+タブレット+タッチペンの完成度は?――「Inspiron 13 7000シリーズ 2 in 1」徹底レビュー第4世代Core、防水キーボードも搭載してこの価格(3/4 ページ)

» 2014年12月03日 12時45分 公開
[フォレスト・ヒーロー,ITmedia]

Bay-Trail Mの11.6型モデルを大きく上回るパフォーマンス

 それでは、各種ベンチマークテストの結果を見てみよう。評価機のスペックをおさらいすると、2コア/4スレッド対応のCore i3-4010U(1.7GHz)、4Gバイトメモリ(DDR3L-1600)、2.5インチ500GバイトHDD(5400rpm)、CPU内蔵のIntel HD 4400 Graphics、64ビット版のWindows 8.1 Updateといった構成だ。参考までに11.6型モデルであるInspiron 11 2 in 1のテスト結果も併記した。

 まずはCPU性能を評価するCINEBENCHから。CPU(マルチスレッド対応)スコアは、CINEBENCH R15が「131cb」、同R11.5が「1.45pts」だ。Haswell(開発コード名)こと第4世代CoreではエントリークラスのCore i3ながら、下位機種のInspiron 11 2 in 1が搭載するBay Trail-M(開発コード名)のCeleron N2830(2.16GHz/最大2.41GHz)と比較して、R15では約180%、R11.5では約168%と大きく上回るスコアが得られた。

CINEBENCH R15のスコア
CINEBENCH R11.5のスコア

 ストレージ性能を計測するCrystalDiskMarkのスコアは、5400rpmのHDDとしてはまずまずのスコアだ。やはりSSDを搭載している上位クラスの2in1に比べると見劣りしてしまう部分だが、価格とトレードオフなのでやむを得ないところだ。なお、デバイスマネージャによると、HDDは東芝製「MQ01ABF050」が搭載されていた。

CrystalDiskMark 3.0.3のスコア

 システム全体のパフォーマンスを評価するPCMark 7の総合スコアは、「2103」と控えめな結果となった。System storageのスコアが「1433」と低く、全体に影響している(PCMark 7はSSD搭載機でスコアが伸びやすい)。

PCMark 7 1.4.0のスコア

 一方、3DMarkやFINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編でチェックした3D描画性能はそこまで低くない。FF14も1366×768/標準品質(ノートPC)の設定で「普通」に楽しめるという結果だった。

3DMark 1.2.362のスコア(Inspiron 11 2 in 1はFireStrikeがエラーで走らず)
FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコア(Inspiron 11 2 in 1の1366×768設定はテストを割愛)

 実際の使用感としても、Windowsの操作でワンテンポ遅れるような感覚はまったくないが、予算に余裕があるならば、Core i5-4210U(1.7GHz、最大2.7GHz)とハイブリッドHDDを搭載したプレミアムモデルを選択するとよいだろう。ターボブースト時のクロック向上とハイブリッドHDDの高速なレスポンスによって、より快適なユーザー体験が得られるはずだ。

バッテリー駆動時間、静音性、放熱性は満足できる

 Web巡回ブラウズとテキスト入力を想定した「BBench 1.01」におけるバッテリー駆動時間の計測では、満充電から残り5%で休止状態に入るまで、4時間37分間稼働した。公称値(最大約7時間)には届かない結果となったが、無線LAN接続を常時行っている状態での駆動時間であり、ノートPCとしてもタブレットとしてもまずまずのスタミナを備えている。

 静音性も良好と言える。背面の中央部に排気口があるが、そこから約5センチ手前に騒音計(SMART SENSOR製、誤差±1.5デシベル)を設置して計測したところ、アイドル時で34.3デシベル、FF14ベンチを2回以上連続実行した場合で49.8デシベルという結果だった(暗騒音32.5デシベル、室温23.6度)。空調などで少し周囲に騒音源がある環境では、耳を近づけないとファンノイズに気が付かないくらいだ。

騒音テストの結果(暗騒音32.5デシベル、室温23.6度)

 動作中の発熱もほとんど気にならない。ノートパソコンモードで放射温度計(シンワ製、レーザーポイント機能付き)にて実測したところ、高負荷時(FF14ベンチを2回連続実行)には底面の奥側、排気口より少し手前辺りに多少の熱を持つが、実測値で34度だった(室温23.6度)。今回のように連続してベンチマークテストを実行するような環境はあまりないだろうが、十分満足できる結果だ。

 好印象なのは、手が触れるパームレスト周辺ではおよそ27度までしか上がらなかったことだ。テスト環境は室温が低めだったが、熱がほとんど表面に伝わってこない設計がされている。

発熱テストの結果(室温23.6度)

 このようにInspiron 13 7000シリーズ 2 in 1は、第4世代Core Uシリーズの採用により、高いパフォーマンスを発揮しつつ、省電力のメリットがあり、静音性、放熱性についても満足できるテスト結果が得られた。薄型軽量を突き詰めたボディではないため、放熱設計にも余裕があり、快適に利用できる。

ベンチマークテストの概要

  • パフォーマンステスト
    • Windowsエクスペリエンスインデックス(PC総合評価)
    • CINEBENCH R15(CPU性能評価)
    • CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
    • Crystal Disk Mark 3.0.3(ストレージ性能評価)
    • PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
    • 3DMark 1.2.362(3D性能評価)
    • FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)

 ※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定

  • 液晶ディスプレイ明るさテスト
    • 照度計(Zhangzhou WeiHua Electronics製、LX-1010B)で液晶ディスプレイ表示を実測

 ※液晶ディスプレイは輝度100%設定の白表示で1時間以上オンにし、表示を安定させた状態で中央付近を計測

  • バッテリー駆動時間テスト
    • BBench 1.01

 ※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン+バックライトキーボードオフ。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%になるまでの時間を計測

  • 騒音テスト
    • 騒音計(SMART SENSOR製、誤差±1.5デシベル)で動作時の騒音を実測(排気口から手前5センチ、暗騒音32.5デシベル、室温23.6度)

 ※FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編を2回以上連続実行した状態で計測

  • 発熱テスト
    • 放射温度計(シンワ製、レーザーポイント機能付)で動作時のボディ表面温度を実測(室温23.6度)

 ※FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編を2回以上連続実行した状態で計測


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