2014年下半期に注目を集めた「NAS」製品PC USERアワード

» 2014年12月31日 20時00分 公開
[ITmedia]

エントリーモデルから4K出力対応モデルまで注目の「NASキット」

 PC USER 20周年特別企画、「PC USERアワード 2014年下半期」では、ITmedia PC USER編集部がジャンル別におすすめ製品を格付しながら紹介していく。テーマは「NASキット」。単なるストレージとしてだけでなく、リビングにある大型テレビに写真や映像を出力して楽しめるメディアプレーヤーとして、あるいは自宅のNASに保存したコンテンツをモバイルデバイスでいつでも呼び出せるパーソナルクラウドとしてさまざまに活用できる。

2014年下半期のおすすめ「NASキット」――ITmedia PC USER編集部が選ぶ
GOLD AS-202TE(ASUSTOR)
SILVER DiskStation DS115j(Synology)
BRONZE AS7010T(ASUSTOR)

「ゴールド」――AS-202TE(ASUSTOR)

 2014年下半期の「NASキット」部門で、今回ゴールド賞に選出したのは、新興NASメーカーであるASUSTORの2ベイモデル「AS-202TE」だ。

 Linuxベースのエントリー向けNASキットで採用例の多いARM系CPUではなく、Intel系CPU(Atom)を搭載するほか、背面にHDMI出力を備えており、テレビに接続することでそのままメディアプレーヤーとして活用できるのがポイント。入門機としては多彩な機能をそろえており、コストパフォーマンスの高さが光る。

 また、上位モデルとファームウェア(ADM)を共通化することで、非常に幅広い機能を利用できるほか、ASUSTORが提供する独自のアプリマーケット(App Central)からアプリケーションを追加し、自分の用途や好みにあわせて機能を拡張していけるのも特徴の1つ。有志が開発したアプリの中には、直接的に紹介するのがはばかれるような刺激的なものもあり、入門キットながら購入したあとの楽しみ方が広い製品として今回ゴールドに選出した。

十分な性能と機能を備え、将来的に幅広い活用が楽しめる2ベイモデル「AS-202TE」

「シルバー」――DiskStation DS115j(Synology)

 続いて「シルバー」賞に選んだのは、Synologyのエントリー向けNAS「DiskStation DS115j」だ。Synology製NASは、国内ではまだそれほど知名度がないものの、すでに海外では高い技術を評価する声が多く、今後の成長が期待できるNASメーカーといえる。

 DS115jは1万円台後半で購入できる入門キットとして、CPUはARM系(Marvell Armada 370)になるものの、前述のASUSTORやQNAP同様、ストレージ管理やファイル共有といったNASの基本的な機能以外にも、追加パッケージで機能を拡張できる。このほか、デジタルメディアサーバとしての活用や、iOS/Androidといったモバイル端末からコンテンツを楽しめる専用アプリも用意されており、低価格ながら家庭向けNASとしてきちんとツボを押さえている点を評価した。

Synology製の家庭向け低価格モデル「DiskStation DS115j」

「ブロンズ」――AS7010T(ASUSTOR)

 ブロンズ賞は、ASUSTORのハイエンドNASキット「AS7」シリーズから、10ベイモデルの「AS7010T」を選出した。

 CPUにCore i3を搭載するモンスター級NASで、6TバイトHDDを10基積めば60Tバイトという大容量を実現できるほか、NASキットではじめて4K動画をそのまま出力できるのがポイント。また、最新ファームウェアのADM 2.3では、1080pでのリアルタイムトランスコードが可能になった。もちろん、AS-202TE同様、開発者のコミュニティが日々追加している様々なアプリで、自分好みにカスタマイズできる。

 なお、その性能や機能、価格(税込み23万9000円)は完全にエンタープライズ向けで、個人として使うには手が余る代物だが、11月には基本性能をほぼ受け継いだ待望の4ベイモデル「AS7004T」がラインアップに加わっており、より高性能なNASを個人で使いたいというユーザーにはこちらをオススメしたい。

ASUSTORのエンタープライズ向け10ベイモデル「AS7010T」

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