「ALIENWARE Alpha」実力診断――デルの“家庭用ゲーム機”はアリなのか?リビングに侵略したAlien(1/4 ページ)

» 2015年03月15日 13時30分 公開
[林佑樹,ITmedia]
ココが「○」
・Steamゲームに最適化したUI
・設置やメンテがしやすい小型ボディ
・Windows PCとしても幅広く使える
ココが「×」
・Xbox 360のコントローラーを流用
・GPUはオンボード実装で交換不可
・PC用のキーボードやマウスは別売

ゲーミングPC? それとも家庭用ゲーム機?

 「ALIENWARE Alpha」は、デルが販売する“家庭用ゲーム機”だ。厳密にはx86アーキテクチャとWindows採用のゲーミングPCだが、米Valveが運営する世界最大級のオンラインゲーム配信プラットフォーム「Steam」を楽しむのに最適な独自の10フィートUI「Alpha UI」を備えている点で大きく異なる。

 この独自UIによって、起動後は付属のXbox 360ワイヤレスコントローラーだけで操作できるSteam専用コンソールとして扱えるため、使用感としては家庭用ゲーム機と大差がない。そんなこともあり、デル的にはゲーム機としてプッシュしている。

デルが家庭用ゲーム機として販売する「ALIENWARE Alpha」。見た目はPCというよりも、家庭用ゲーム機そのものだ
米Valveが運営するオンラインゲーム配信プラットフォームの「Steam」を楽しむのに最適な独自の10フィートUI「Alpha UI」を搭載している(詳しくは後述)

 まず、ざっくりと今のゲーミングシーンを見ていると、PlayStation 4(PS4)やXbox Oneといった据え置きハードがあり、ソフトにはパッケージ版とダウンロード版が存在している。ゲーミングPCも、やはりソフトにはパッケージ版とダウンロード版がある。

 一方、SteamやOrignといった大手のゲーム配信プラットフォームではダウンロード版だけのソフトもあり(PS4とXbox Oneもだが)、また特定のハードのみにリリースされるタイトルも少なくなってきた。プレイ環境としては、徐々に敷居がなくなりつつある。

 今年後半にリリースされる予定のWindows 10では、この辺りの垣根がさらになくなる方向なので、将来的には標準環境としての据え置きゲーム機、より高いグラフィックスオプションで遊びたい人にはレギュレーションをクリアしたゲーミングPC、といった流れになると考える人もいるのではないだろうか。

 特にSteamは「Big Picture」モードという少し離れた場所からテレビとコントローラーで操作するのに適したUIを実装していることもあり、テレビにつないでプレイする場合、ゲームを動作させているハードウェアが何であるかは、あまり意識しなくてもよくなっている。ALIENWARE Alphaは、そんなSteamに特化したゲーミングPCなのだ。

シンプルながらもALIENWAREらしさが感じられる小型ボディ

 まずはALIENWARE Alphaのハードウェアから見ていこう。本体は横長の黒いボディで、サイズは203.2(幅)×203.2(奥行き)×76.2(高さ)ミリ、重量は約3.6キロとコンパクトだ。前面にはALIENWAREシリーズのトレードマークである宇宙人さんが「こんにちは」をしており、これが電源ボタンになっている。

 ゲーミングPCではお約束のサイバーっぽい派手な装飾はなく、雰囲気としては地味だが、電源ボタンの宇宙人さんが光るほか、前面の左下をカットした部分が三角に光るギミックがあり、ゲーミングPCらしい派手さは少しだけ残している。個人的には背面の有線LANポートにも白色LEDが内蔵されており、妙に光る点がツボだった。

ボディはブラックで統一されており、側面は光沢仕上げになっている。全体的にシンプルなデザインだが、電源ボタンを兼ねたALIENWAREシリーズおなじみの宇宙人さんと、左下の三角形を光らせることで、ゲーム機らしさを演出している
本体を立てて、500ミリリットルのペットボトルと並べてみた。正方形のフットプリントで小型にまとまっているため、リビングのテレビ周辺にも設置しやすい。外部GPU搭載PCとしてはもちろん、PS4やXbox Oneといった最新のゲーム機と比べても小さいボディだ。天面には3本のラインが刻まれており、さりげなくデザインにこだわりを見せている
底面には通風口が多くあり、放熱に配慮している。Windows 8やIntel CPUのシール、各種規格のロゴなども集まっており、底面はWindows PCらしい見た目だ

 インタフェースを詳しく見てみると、本体前面に2基のUSB 3.0が用意されている。残るインタフェースは背面に集中しており、巨大な排気口の下にHDMI入力、HDMI 1.4a出力、角形の光デジタル音声出力(Toslink)、1000BASE-Tの有線LANポート、2基のUSB 3.0、ACアダプタ接続用のDC入力が並ぶ。本体にはIEEE802.11a/b/g/n/acの高速無線LANとBluetooth 4.0も内蔵している。

 また本体底面のカバーを開けると、USB 2.0も隠されており、ここにキーボードやマウス用のワイヤレスレシーバーを接続しておける。

 HDMI入力の存在が、PCとして見ると少々意外だが、現時点では他のゲーム機からの入力をスルーして出力する以外に用途はなく、HDMI入力ソースをキャプチャするといったことはできない。将来的にはできるようになるのだろうか。

 製品にはXbox 360のワイヤレスコントローラーとUSB接続のレシーバー、HDMIケーブル、ACアダプタ、リカバリ用USBメモリなどが付属する。ベースはWindows PCなのにキーボードとマウスが付属しない点は、いかにもゲーム機らしい部分だ。

前面に電源ボタンを2基のUSB 3.0を搭載
背面は上部に大きな排気口、下部に2基のUSB 3.0、1000BASE-Tの有線LAN、角形の光デジタル音声出力、HDMI出力、HDMI入力、ACアダプタ接続用のDC入力が配置されている
左側面。手前が斜めにカットされており、三角形に光る
右側面には何もない
底面のカバー内には、キーボードやマウスのワイヤレスレシーバーなどを接続しておけるUSB 2.0ポートも隠されている(製品にはキーボードやマウスが付属しない)
専用のゲームパッドではなく、Xbox 360のワイヤレスコントローラーが付属する。家庭用ゲーム機で実績あるコントローラーなので、ゲームプレイ時の使い勝手はよい。ただし、Xbox 360で使うときのように、ホームボタンを押して本体を起動するといった機能はない
Xbox 360のワイヤレスコントローラーは、レシーバーがUSBケーブルの外付けとなる。できれば本体に内蔵してほしかったところだ
本体とコントローラーのサイズ比較。本体がコンパクトに収まっていることが分かる
付属のACアダプタ(130ワット)は大ぶりだが、薄く仕上がっている
リカバリ用USBメモリも付属する

デル株式会社

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