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» 2015年05月22日 17時00分 公開

VAIO Z/Pro 13と横並び比較:「VAIO Z Canvas」の圧倒的パフォーマンスを徹底検証する (3/7)

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

PCI Express 3.0 x4接続で最新SSDの本領発揮

 データストレージはVAIOが「第2世代High speed SSD」と呼ぶ高速なPCI Express接続SSDを採用。特にVAIO Z Canvsは、PCI Express 3.0 x4(32Gbps、データ帯域4Gバイト/秒)接続の超高速SSDを搭載していることが優位点となる。デバイスマネージャで確認したSSDの型番は「Samsung MZHPV512HDGL」だった。VAIO Z(VJZ13A1)の評価機に搭載されていた「Samsung MZHPV256HDGL」とは容量違いの同一シリーズ(Samsung SM951)だ。

 Samsung SM951は、PCI Express 3.0 x4またはPCI Express 2.0 x4のどちらでも使うことができ、公称の転送速度は前者がシーケンシャルリード2150Mバイト/秒、シーケンシャルライト1550Mバイト/秒、後者がシーケンシャルリード1600Mバイト/秒、シーケンシャルライト1350Mバイト/秒というスペックになっている。

 VAIO Z(VJZ13A1)の場合もPCI Express接続だが、PCI Expressの世代は「Gen.2」、つまりPCI Express 2.0 x4(20Gbps、データ帯域2Gバイト/秒)だった。他のメーカーからも同様にPCI Express SSD搭載のノートPCが登場しているが、筆者の知る限りは高速な製品でも「Gen.2」接続であり、「Gen.3」のPCI Express 3.0 x4で接続しているモバイルデバイスはこのVAIO Z Canvas以外に存在しない。

 そもそも、チップセットの機能も統合したSoC(System On Chip)タイプのCoreプロセッサラインはPCI Express 3.0インタフェースを統合していないため、SoCの第5世代Core Uプロセッサ(TDP 28ワット)を採用するVAIO Z(VJZ13A1)でこの仕様は実現できない。VAIO Z CanvasはSSDをチップセット側のPCI Express 2.0に接続するのではなく、CPU側のPCI Express 3.0を4レーン使って接続したとVAIOは説明する。

VAIO Z Canvasが搭載する512Gバイトと1TバイトのSSDは、PCI Express 3.0 x4(32Gbps)の高速なインタフェースで接続される。写真は512Gバイトモジュール(M.2)を2枚搭載した1Tバイトの構成だ(2基のSSDでRAIDを組んでいるわけではない)。VAIO Z Canvasでは256GバイトSSDも選べるが、Serial ATA 6Gbps接続となるので注意したい

 さて、そのSSDのパフォーマンスは、CrystalDiskMark(ひよひよ氏)で測定した。最新バージョンは4.0.3だが、比較用に先代バージョン(3.0.4)の結果も掲載しておく。

 最新バージョン(4.0.3)のシーケンシャルリード/ライト(Q32T1)では公称値に近いスコアをマーク。リードでは2250Mバイト/秒と、PCI Express 3.0 x4(データ帯域約4Gバイト/秒)でしか達成できないPCI Express 2.0 x4(データ帯域2Gバイト/秒)の理論値超えを達成している。

VAIO Z CanvasのCrystalDiskMark 4.0.3スコア

 また、先代バージョン(3.0.4)でも、シーケンシャルリード/シーケンシャルライトは、PCI Express 2.0 x4接続のVAIO Z(VJZ13A1)に比べてよいスコアが出ており、インタフェースの差はしっかり感じられる。Serial ATA接続のSSDとは明らかに違う非常に高速なレスポンス、それがもたらす快適さは、試用していても確かに体感できた。

VAIO Z CanvasのCrystalDiskMark 3.0.4スコア
CrystalDiskMark 3.0.4のスコア比較 ※VAIO Pro 13(VJP1311)の評価機はSerial ATA 6Gbps SSDを搭載、製品版はPCI Express 2.0 x4 SSDを採用

グラフィックス性能はVAIO Pro 13の約2倍

 VAIO Z Canvasのグラフィックス機能は、CPUのCore i7-4770HQが内蔵するGPUコア「Intel Iris Pro Graphics 5200」を用いる。このGPUコアの描画性能もまた注目に値する。

 これは開発段階で「GT3e」と呼ばれていた第4世代Core最上位のGPUコアで、40基の実行ユニット(シェーダー)に加えて、「eDRAM」と呼ばれる高速な128MバイトのDRAMキャッシュを統合した強力な仕様となっている。

 eDRAMは、CPUダイとは別のダイでパッケージ上に実装され、CPUダイと高速なバスで接続される仕組みだ。3次キャッシュ(LLC:Last Level Cache)とメモリの間に挟まる4次キャッシュという位置付けになり、CPUコアとGPUコアで共用される。

 Intel Iris Pro Graphics 5200はこの構造から、メインメモリをグラフィックスメモリとして共有する通常のCPU内蔵GPUコアに比べて、メモリ帯域が描画性能のボトルネックになることが改善されるため、高いグラフィックス性能を期待できるというわけだ。

GPU-Zの情報表示画面。CPUのCore i7-4770HQは、世代最上位のGPUコア「Intel Iris Pro Graphics 5200」を内蔵している。開発段階で「GT3e」と呼ばれていた世代最上位のGPUコアで、40基の実行ユニット(シェーダー)と高速なeDRAMを持つ。GPUクロックは200〜1200MHzだ

 3D描画性能のテストは、Futuremarkの3DMark(1.5.893)で行なった。Cloud GateとSky DiverはメインストリームPC(CPU内蔵GPUシステム)向けのテストで、前者がDirectX 10ベース、後者がDirectX 11ベースのテストだ。FireStrikeは、ゲーミングPC(ビデオカード搭載システム)向けのテストで描画負荷が非常に高い。

 また、Ice Storm Unlimitedはスマートフォンやタブレットを対象にしたものだ。これはDirectX 11レベル9(Windows)およびOpenGL ES 2.0ベース(Android、iOS)のテストで、CPU/GPUの個別テストも含まれる。

3DMark 1.5.893のスコア比較

 テスト結果はやはり優秀だ。Cloud Gateのスコアで見ると、VAIO Z(VJZ13A1)に約47%、VAIO Pro 13(VJP1311)に約92%と大きな差を付けている。スコアにCPUの影響がほとんどないFireStrikeでもVAIO Z(VJZ13A1)に約34%、VAIO Pro 13(VJP1311)には約112%と大差を付けており、CPUの差ではなく、描画性能自体が高いと判断できる。「VAIO Pro 13の2倍前後」のグラフィックス性能というのは強調できるポイントだ。

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