日本AMDは、“Fiji”世代のGPUを採用したRadeon R9 Furyシリーズの仕様を公開した6月24日に、日本の関係者に向けてRadeon R300シリーズと合わせた製品説明会を行った。説明会では米AMD チーフ・ゲーミングサイエンティストのリチャード・ハディ氏と米AMD デスクトップ向けグラフィックス・プロダクトマネージャーのデヴォン・ネケチャク氏がFijiで採用したHBMのメリットやRadeon R300シリーズラインアップの特徴を解説した。
ハディ氏は、Radeon R9 FuryシリーズとRadeon R300シリーズの特徴として、DirectX 12の対応を冒頭で取り上げ、DirectX 12で導入するAsync Shaders、Explcit MultiAdapter、MultiThreaded Command Buffer Recordingに対応するとした。ハディ氏は、MultiThreaded Command Buffer RecordingがマルチコアCPUのパフォーマンスを最大限に引き出すこととともに、それによってゲーム開発者はGPUのパワーを予測しやすくなり、電力効率の向上でシステムの温度を抑制することができるようになると説明する。また、Async Shadersでは、性能向上と画質向上をもたらし、Explcit MultiAdapterでもFPSが向上して、今回登場したGPUがこれらをすべて対応していることをアピールした。
ネケチャク氏は、Radeon R300シリーズのラインアップを紹介した。Radeon R7 300シリーズのRadeon R7 360は、60fps1080pのディスプレイでオンラインゲームを楽しむためのGPUで、よりグラフィックス処理が必要なゲームのためにRadeon R7 370も用意したという。
さらに、1080p以上の解像度で144Hzのフレームレートを必要としてFreeSyncなどの最新機能を求めるユーザーにはRadeon R9 380を、さらなる性能や4K解像度を求めるユーザーにはRadeon R9 390とRadeon R9 390Xをそれぞれ勧めている。
Fijiについては、“将来に対応して開発したGPU”と紹介し、4K解像度で最高画質設定でゲームを行う状況に必要になる技術と性能を持たせたとした。Fijiのキーポイントとしては、ここでもHBM(High-Bandwidth Memory)を取り上げている。HBMはグラフィックスメモリを積層する技術で、GPUパッケージにグラフィックメモリを統合することで電力効率や小型化などのグラフィックスカードデザインの課題が解決し、これまでになかったような製品が可能になるとハディ氏は説明する。
また、HBMではメモリバス幅を広く確保できるため、帯域を確保するためにグラフィックスメモリの動作クロックを速くする必要がなくなったこともメリットとして紹介している。
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