隠れた名機か? 13.3型“世界最小”モバイルノートPC――「XPS 13 Graphic Pro」徹底検証(前編)魅惑のアルミ×カーボン×狭額ボディ(1/3 ページ)

» 2015年07月13日 18時45分 公開
ココが「○」
・13型クラスで最小フットプリント実現
・アルミ+カーボンの強く美しいボディ
・第5世代Coreなどハイスペックな構成
ココが「×」
・13.3型ではサウンドの低音域が弱め
・Adobeソフトを省いて購入できない

デルの本気が感じられる新世代モバイルノートPC

 この夏にモバイルノートPCの購入を検討しているならば、デルの「XPS 13 Graphic Pro」は有力候補として見逃せない製品だ。見た目も中身もよくできたモバイルノートPCなのだが、意外に知らない人も多いのではないだろうか。

XPS 13 デルの「XPS 13 Graphic Pro」

 これまで「XPS 13」は、デルの個人向けモバイルノートPC製品群でフラッグシップモデルに位置付けられてきた。3年前に登場した初代XPS 13以来、同社が「究極の体験を実現」と銘打ち、カーボンとアルミで構成された美しい11型クラスのコンパクトボディに狭額縁の13.3型ワイド液晶ディスプレイを詰め込むことで、視認性と携帯性を高いレベルで両立してきた実績あるシリーズだ。

 最新世代のXPS 13もそのコンセプトを継承し、カーボンやアルミ素材はそのままに、設計を大きく見直し、従来よりさらに狭額縁となった13.3型ワイド液晶ディスプレイを採用することで、13型クラスでフットプリントが「世界最小」となるモバイルノートPCに仕上げている。例えば、重量779グラムで「13型クラス世界最軽量」を誇るNECの「LAVIE Hybrid ZERO」と比べても、新XPS 13はフットプリントが10%以上も小さい。

 新型XPS 13の日本向けモデルならではの特徴としては、クリエイティブユース向けの「Graphic Pro」シリーズとして販売されていることが挙げられる。定番のフォトレタッチソフト「Photoshop Elements 13」と動画編集ソフト「Premiere Elements 13」をデジタルデリバリー(ダウンロードできる権利)として添付しているのだ。

 日本向けのXPS 13 Graphic Proのラインアップは、CPU(Core i5/i7)、SSD容量(128G/256Gバイト)、液晶ディスプレイ解像度(1920×1080ピクセル/3200×1800ピクセル)の違いで4モデルが用意されている。デルの直販価格は13万4980円(税別/送料込、以下同)からだ。

 今回はCore i5、256GバイトSSD、フルHD液晶を搭載した標準的な構成のモデル(14万9980円)で、じっくりとその実力を試していく。液晶ディスプレイは3200×1800ピクセル表示の高精細パネルも選択できるが、こちらも評価機を入手したので、後ほど画質を併せてチェックしよう。

世界最小フットプリントに加えて、秀逸なデザインも見逃せない

 13.3型で世界最小をうたう本体のサイズは304(幅)×200(奥行き)×9〜15(高さ)ミリ、重量は1.18キロだ(実測でもほぼ同じ1.181キロ)。XPS 13の先代モデルは、本体サイズが316(幅)×205(奥行き)×6〜18(高さ)ミリ、重量が1.36キロだったため、確かによりコンパクトに、薄く、軽く仕上がっている。片手で十分にホールドできるサイズと重量だ。

XPS 13 13.3型の液晶ディスプレイを搭載したノートPCとしては、最小のフットプリントに仕上がっている。11型クラスのボディサイズに、超狭額縁の液晶ディスプレイを詰め込むことで、これを実現した

 ボディデザインは従来のXPS 13を踏襲しているものの、単一のアルミブロックからCNCで高精度に削り出した部材を天面だけでなく、底面にも採用した。金属素材による高い質感と剛性、そして丁寧で上品な表面処理が加味され、高級感がグッと増している。実際に、アルミ削り出しの天板や底面を手で触れると、金属ならではのひんやり感が伝わって心地よい。

 天面と底面のカラーはシルバーで、表面に指紋が目立ちにくい梨地加工を施している。天面と底面のアルミ板は、エッジに丸みを持たせながら絞り込むことで、握りやすさや見た目の薄さを追求しつつ、側面を磨き上げて輝かせるという、シンプルな外観ながらも凝ったデザインだ。天面は光沢ブラックの「DELL」ロゴ以外、一切の装飾を排している。

XPS 13 天面と底面のアルミ板は、エッジに丸みを持たせながら絞り込むことで、握りやすさや見た目の薄さを追求しつつ、側面を磨いて輝かせたデザインだ

 底面の美しさにも注目したい。中央には「XPS」ロゴが刻まれた小さなカバーがあり、これを手で開けると、サービスタグやPCリサイクル、VCCIといった各種エージェンシーラベルが現れる。法規上義務付けられているこれらのロゴをまとめてカバーで隠し、見た目の美しさを際立たせているのだ。こうしたカバーの追加はコスト高、重量増となるが、デザイナーのこだわりが感じられる。

 さらに底面のネジ8本は、六角星型のヘックスローブを使用。ボディを囲むようシンメトリーに配置されたネジ穴を意図的に見せることで、機械的な美しい造形を演出している。底面には吸気口も設けられているが、細かいスリットをバー状に配置し、同じくバー状に並べたゴム足とともに、デザインの統一性が図られている印象だ。ちなみに排気口はキーボードの奥側で、液晶ディスプレイとの隙間にあり、目立たない工夫がされている。

XPS 13 天面はアルミニウムの質感を強調した仕上げ。中央には、黒い光沢調のDELLロゴを配している
XPS 13 底面のデザインもシンプルで美しい。中央には「XPS」ロゴが刻まれた小さなカバーがある
XPS 13 「XPS」ロゴの小さなカバーを開けると、その内側に各種エージェンシーラベルが現れる

 ラッチレスの液晶ディスプレイを開けると、内側はブラックで統一されており、外装の明るいシルバーからの変化に注意を引きつけられる。キーボードをはじめ、タッチパッド、パームレスト、液晶ディスプレイ周囲のフレーム、そして液晶ディスプレイのヒンジまで、すべてが黒く塗られているのだ。

 そして次の瞬間、フレームの幅が公称5.2ミリと外装ギリギリにまで迫った「Infinity Display」が目に飛び込んできて、初めて見ると、その狭額縁デザインに衝撃を受けるだろう。この狭額縁ディスプレイが、XPS 13 Graphic Proの洗練されたイメージをより強調している。

 キーボード側に目を移すと、パームレスト/キーボードベゼル一体型パーツの全体にニットのような編み目模様が浮かび上がっていることに気付く。こちらはクロスカーボン素材を用いており、薄さ、軽さ、頑丈さ、そして見た目の美しさを追求しているのだ。さらにその表面にはソフトタッチペイント仕上げが施されており、粘着しすぎず、ツルツルでもない絶妙な手触りのよさを提供している。

XPS 13 ボディの内側はブラックで統一されている。超狭額縁の液晶ディスプレイとクロスカーボンの編み目模様が入ったパームレストを見れば、並のモバイルノートPCではないことが分かるはずだ

 このように新型のXPS 13 Graphic Proは、練りに練られたボディデザインと仕上げがなされており、ハードウェアスペックには現れない部分で、所有する喜びが感じられる貴重な製品だ。デザインの好みは人それぞれだが、数あるWindowsのクラムシェルノートPCでもトップクラスのデキと言っても差し支えないだろう。

 デザインの方向性は異なるものの、これならば美しい薄型軽量ノートPCとして評判の「新しいMacBook」にも対抗できるのではないだろうか。


デル株式会社 デル株式会社
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