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» 2015年08月25日 11時30分 公開

「USB PD」の詳細は? :USB Type-CとThunderbolt 3の“紛らわしい関係”をIDF 2015で整理する (2/3)

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

USB 2.0 Type-CとUSB PD認証の登場

 IDF 2015で説明のあったUSB Type-Cに関するアップデートでは、従来の「USB 3.1 Type-C」に加え、「USB 2.0 Type-C」が登場している。USB 2.0のコネクタ形状をそのままType-Cに変換したもので、この規格のケーブルではUSB 2.0の通信しか行えない。USBでは拡張に合わせて信号線を次々と追加しており、“3.1”においてもUSB 2.0以前の通信を行うための信号線を残している。そのため、USB 2.0のみに対応したデバイスをUSB 3.1以降に接続しても、USB 2.0の信号線のみを使って通信するため、下位互換を確保できる。

 なお、“3.1”対応機器同士をUSB 2.0 Type-Cケーブルを使って接続した場合、理屈では“3.1”で通信できず、USB 2.0での通信となる。ユーザーが混乱する規格になる可能性もあるが、コストの理由などでUSB 2.0を使い続けるケースもあるため、新たに規格として用意したのだろう。また、USB 3.1ではケーブル長の問題もあり、あえてUSB 2.0を使わないといけないケースもある。

Type-Cは従来USB 3.1用を中心にプロモーションされてきたが、今回のIDFではUSB 2.0版ケーブルについても言及が行われている。使用するピンの数が違うこともあり、内部の配線数も異なる

Type-C以外の機器を組み合わせた場合の最大ケーブル長と電流

 一方で、USB 2.0 Type-CにおいてもPDは利用可能だ。PD対応のUSBは電池型のアイコンデザインを採用しているが、USB 2.0 PDのアイコンも定義している。USBケーブル経由の給電では「CC」という信号線を用いるが、これ自体はすべてのUSB規格で共通なので、USB 2.0 PDでもネゴシエーションさえ行えればPDによる給電が可能だ。ただ、PDそのものは通電で大きな負荷がかかり、コネクタやケーブルが発熱する問題もあるという。

 USB 3.1は従来のバージョンよりも多くの信号線を使って通信を高速化している関係もあり、ケーブルを細くすることは難しい。USB 2.0 Type-Cでは既存の細いケーブルも利用可能だが、これでPDによるバスパワー(2.5ワット)以上の給電にそのまま対応できるかは不明だ。

PD対応を示すUSBアイコンの種類。左からUSB 2.0、USB 3.1(Gen 1)、USB 3.1(Gen 2)

新型MacBookにUSB-CのPD経由で給電しつつ、HDMI経由での外部ディスプレイへの出力とUSB経由でのイーサネット接続を同時に行っているCypressのデモ。この種の接続機能はMacBookの純正オプションのアダプタ製品でも提供しているが、実際の展開としては個別のアダプタ製品よりもPD対応マルチポートハブのような使い方を想定しているようだ

Analogixの同社製コントロールチップを使ったUSB Type-Cのポート変換デモ。仕組み的にはCypressのものに近い。同社製チップは主にPCや周辺機器のデバイスに採用しているというが、将来的にはディスプレイに組み込んだUSBハブ機能のほか、ドッキングステーションへの応用などを検討しているという

 PDに関して興味深いのは、「認証機構」の導入を検討していることだ。具体的には、PDによる給電を確立するためのネゴシエーションを行うタイミングで、実際に給電先のデバイスが適切かを判断し(一種の電子証明書のようなものを使って認証を行うようだ)、その結果に応じて給電、または、データ通信を開始するかを決定する。適合しないデバイスであればPDによる給電は行わず、通常のUSBバスパワーによる給電となる。

 IDF 2015の展示会場では、Renesasの認証チップを搭載したデバイスによるデモストレーションを紹介していたが、このような仕組みが将来的に登場するPDの給電デバイス(コンセント型の給電装置やUSBハブなど)では一般的になるのかもしれない。

Renesasの認証機能付きPDアダプタ。コントローラに認証機能が入っており、認証済みデバイス以外はポートに接続してもPDによる給電(12ボルト)を行わせず、通常のUSBバスパワーの上限である5ボルトでの通電になる

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