次の疑問は「機種ごとに利用可能な機能」だ。この最たるものが「Continuum for Phones」だろう。Continuum for Phonesは、Windows 10 Mobileの目玉機能として注目されており、スマートフォンに外部ディスプレイやキーボード、マウスを接続すると「Universal Windows Platform(UWP)アプリをデスクトップ的に使うこと」が可能になるというものだ。つまり、スマートフォンを小型PC本体のように扱える。
ただし、先日も指摘した通り、Continuum for PhonesはMicrosoftが提示する「Premium Phone」のカテゴリのみで利用可能な機能となっている。
この機能を利用可能にする条件は2つあると筆者は予想している。1つは「プロセッサパワー」で、少なくともSnapdragon 800シリーズクラスの性能が要求されるだろう。今回、Continuum for Phones対応とされたLumia 950/950XLはそれぞれSnapdragon 808/810を搭載し、旧ハードウェアでもこれに準ずる程度のプロセッサでなければ、機能が有効化されない、あるいはパフォーマンス的に使いにくい可能性がある。
Microsoftの公式文書やコメントこそないものの、海外ではSnapdragon 808が最低要件だと紹介している記事も見かける。真偽のほどは不明だが、比較的ハイエンドの旧ハードウェアであってもContinuum for Phonesは使用不可になる可能性がある。
もう1つは「メモリ」で、「2Gバイト以上」を要求される可能性だ。「Premium Phone」では推奨メモリが2〜4Gバイトとなっており、Continuum for Phonesが利用可能なもう1つのデバイスである「7型タブレット」では1〜2Gバイトとなっている。
Lumia 950/950XLの搭載メモリは3Gバイトと、従来のWindows Phone端末から考えればかなり潤沢なメモリ容量となっており、この機能を使う(もしくは快適に利用する)にあたって「2Gバイト」が1つの目安になるのかもしれない。
ただし、現時点でリリースされているほとんどのWindows Phoneは1Gバイト以下のメモリサイズが中心で、ハイエンドのLumia 930でさえ2Gバイトという状態だ(Lumia 920でも1Gバイト)。メモリ容量がContinuum for Phonesの動作に大きく影響を与えるならば、この機能の対応機種はごくわずかに絞られてしまう。より詳しい情報はWindows 10 Mobileの正式提供が開始されたタイミングで行われるだろうが、この点は注意したい。
なお、10月6日の発表会では、Lumia 950/950XLで快適にContinuum for Phonesを利用するためのオプションとして「Microsoft Display Dock」が発表されているが、周辺機器の接続自体は無線通信を利用できるため、これは同機能の利用には必須ではないとみられる。
Continuum for Phonesノ利用にあたってはUSB 3.x Type-Cのサポートも必須ではなく、その意味では、Type-Cポートを搭載しない旧ハードウェアでも内部のスペック要件さえ満たしていれば、同機能が問題なく使えるだろう。
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