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「VAIO S11」はSIMフリーでPCユーザーを呪縛から解放するか?独自SIMをチェック(2/3 ページ)

» 2015年12月27日 06時00分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]

VAIO SIMは独自ユーティリティで簡単接続

 VAIO SIMは、NTTドコモのminiUIM(Micro SIM)仕様を採用する。VAIO S11の本体背面にあるMicro SIMスロットに差して使う。

VAIO SIM VAIOのオリジナルSIMは、NTTドコモのminiUIM(Micro SIM)仕様だ
VAIO S11のSIMスロット VAIO S11は、背面にMicro SIMスロットがあり、そこにVAIO SIMを差して使う

 VAIO S11はSIMロックフリー端末のため、APN(接続先情報)の設定をする必要があるが、VAIOのサポートサイトで専用ユーティリティ「VAIOオリジナルSIMユーティリティ」をダウンロードでき、これを使えば面倒な設定は一切不要だ。

 ユーティリティの初回起動時に「VAIO STORE ID(購入時に登録したメールアドレス)」の入力が求められるが、その後は全て自動で設定され、使えるようになる。高速通信モード(最大150Mbps)と常時接続モード(最大200kbps)の切り替えもこのユーティリティで手軽に行える。

SIMユーティリティの画面 「VAIOオリジナルSIMユーティリティ」の画面。初回起動時に「VAIO STORE ID(購入時に登録したメールアドレス)」を入力すると設定が自動で行われる。高速モードと常時接続モードの切り替えもここでできる
設定メニュー Windows 10における「設定」メニューの「ネットワークとインターネット」に「携帯電話」という項目があり、設定などを確認できる
詳細情報を表示 詳細情報を表示させてみた
APMの設定 APNの設定。ユーティリティで自動的に設定が行われている
データ通信量の上限設定 データ通信量の上限なども設定できる
モバイルホットスポット機能(1) 「モバイルホットスポット」機能。VAIO S11のモバイル回線を使って、他のPCなどを接続できる。いわゆる「テザリング」機能だ
モバイルホットスポット機能(2) モバイルホットスポット機能で別のPCを接続してみた様子

 無線LANとLTEの両方を有効にして、筆者の自宅と、接続設定が有効な無線LANのない近くのファストフード店(東京都府中市)を行き来して試してみたところ、無線LAN環境がある自宅でVAIO S11を開けば無線LANですぐに接続され、ファストフード店でVAIO S11を開くと自動でLTE接続されるという挙動が確認できた。

 ちなみに、そのファストフード店でOOKLA SPEEDTESTにてLTEの回線速度を計測したところ、下りが9.91Mbps、上りが4.04Mbpsだった。その直後にドコモ回線のスマートフォン(Xperia Z2 SO-03F)を経由したテザリングでの接続では、下りが約6Mbps、上りが2.5Mbps前後だった。

VAIO S11 OOKLA SPEEDTEST(http://www.speedtest.net/)を使ったデータ通信速度の計測結果。数字がパッとしないのは地域性ということで勘弁してほしい。今回のテスト環境では、ドコモのスマートフォンでテザリング接続するよりは1.5倍くらい速かった

常時LTE通信時のバッテリー駆動時間は?

 常時LTEで接続した場合のバッテリー駆動時間も気になるところだろう。いつもの通り、BBench 1.01を使って測定してみた。無線LANをオフにしてLTE(高速通信モード)で常時接続し、60秒間隔でのWebサイト訪問、10秒間隔でのテキスト入力、Windowsの電源プランを「バランス」に設定、ディスプレイの輝度は40%で固定してテストした。

 この条件での結果は、バッテリー満充電から残量5%になるまで、ちょうど6時間動作した。無線LAN接続時のテスト結果(8時間39分)よりは短いものの、輝度40%設定でも十分明るいディスプレイを搭載しており、これだけ過酷な条件で6時間バッテリーが持ったことは実に心強い。

 スマートフォンのテザリングやモバイルルーターを使う方法では、スマートフォンやモバイルルーターのバッテリー残量も気にする必要がある。仮にテザリングで6時間持ったとしても、6時間でPCとスマートフォン両方のバッテリーを使い切ってしまったら業務にならないが、PC単体で6時間使えれば、その後スマートフォンを数時間使うといった運用もできるだろう。

バッテリー容量 バッテリーレポートコマンドでバッテリー容量を確認したところ、デザイン容量が39.58ワットアワー、フルチャージ容量が39.34ワットアワーだった。公称のバッテリー駆動時間は約15時間(JEITA 2.0)だが、LTE接続時で6時間駆動というスタミナに不満はない

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