TLC採用で最安値クラスの容量単価に!! 「Crucial BX200」シリーズSSDを試す大容量SSD時代へ加速(1/4 ページ)

» 2016年01月06日 11時41分 公開
[石川ひさよしITmedia]

 Crucialの最新SSD「BX200」シリーズは、同社初の「TLC」チップ採用モデルである。TLCチップについては、Samsungはかなり早くから、東芝勢のSandiskやOCZも製品ラインアップに加えている。Micron傘下のCrucialがBX200がリリースしたことで大手NANDフラッシュメモリメーカー3社それぞれがTLCに移行したことになる。長らく続いた「MLC」からTLCへと転換の時期に来ているわけだ。

 こうした背景を念頭に、CrucialのBX200の実力を見ていこう。

Crucial BX200シリーズ

1セルに3値を格納できるTLC技術を採用したBX200シリーズ

 まずは簡単にMLCやTLC、そして「SLC」について説明しておこう。SSDを語るうえでよく聞くこれらのキーワードだが、要は1つのセルにいくつのデータを格納できるのかを意味している。

 PC用のSSDが登場した当初はSLCのモデルがいくつかあった。SLCはSingle Level Cellの意味であり、1つのセルに1つのデータを格納していた。もちろん製造プロセスという要因もあったが、SLCの製品は信頼性が高い半面、PCが求める容量を実現するにはかなりのコストを要していた。

 次に登場したのがMLCだ。MはMultipleのMである。Multiと言っても、一般的には1つのセルに2つのデータを格納できるものを指す。「MLC-3」という用語があったり、あるいは「3-bit MLC」というマーケティングワードが使われたこともあるが、これは次に説明する「TLC」と同義である。

 PCに関しては、SLCからMLCへと完全に移行したと言ってよい。MLCの製品はSLCと比べれば信頼性が劣るものの、ここ数年で目覚ましく容量が拡大してきた。同時に、実用的な容量が、そこそこ現実的な価格で実現できるようになってきたことも大きなメリットになっている。

 さて、ここからがTLCの話になる。TLCのTはTripleのTだ。ここまでの法則どおり、1つのセルに3つのデータが格納できる。NANDフラッシュ技術は、このように1つのセルに格納できるデータを増やしていくことで、1チップあたりの容量を拡大し、容量あたりの単価を下げてきた。

 信頼性に関しては、一般的にSLCよりも、MLCよりも劣る。ただし、MLCの際も、そしてTLCでも、書き換え処理が特定のセルに集中することを抑えるウェアレベリングや、万が一セルが寿命を迎えたとしても代替の領域を用意、置き換えるオーバープロビジョニングといった技術でSSDとしての寿命を延長してきた。

 SLCからMLCに移行した際も、信頼性に関してはいろいろと話題にあがった。MLCからTLCに移行する現在も同様だが、こうした延命技術が投入され、さらにSSDとしてメーカーの品質検査をクリアして出荷されていると考えれば、そこまでセンシティブに捉える必要はないだろう。そしてまだ当面はMLCとTLCは共存していく。

 TLCの目指すところは、さらなる容量単価の引き下げと大容量の実現だ。MLCでも1TB級モデルは実現したが、HDDと比べた容量単価はまだ高い。そして1TBであっても映像などのデータストレージとして検討するには心もとない。

 この2点をクリアするための第一歩がTLCだ。同時に、MLCやTLCといったセルの技術と平行して3D NANDも立ち上がる。セルの次はチップの積層によって容量を増やそうという方向性だ。各社MLCベースの3D NAND、TLCベースの3D NANDを開発している。SSDはTLCおよび3D NANDという2つの技術をもって、本格的にHDDの容量単価を逆転しようとしている。

2.5インチSerial ATA 3.0インタフェースを採用。SSDのなかでもコストパフォーマンスの高いフォームファクターだ
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